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その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
不死身のない不老不死は虫翅の夢を見る
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六百九十七生目 昆虫

 迷宮は謎が多い。

 なぜ生成されるのか。

 なぜ大量にあるのか。


 そしてなぜ管理者たる私はその迷宮に他の存在を呼びたがるのか。

 ……地球の迷宮が生み出され形成し一定の発展を遂げたあと私は急速に外から呼びたくなった。

 単に出来が良くなったから……という感覚ではない。


 スキルの影響を受けている時の変化に近い。

 眠りが睡眠無効によりコントロール可能になったことのように。

 おそらくはこれは私が迷宮管理者という称号じみた能力を持つゆえ。


 そのことに自覚的になるまで時間がかかったが……

 私自身強くなって今回の件でダウンして色々見直している間に気づいたことは多い。

 まあ精神被害じゃなく精神強化の扱いみたいだからそこまで気にしていない。


 ちなみに"無敵"もジャンルとしては強化である。

 味方に使うと喜ばれるのはそこらへんの影響だったか。

 ちなみに精神異常や汚染と呼ばれる行為は大半その強制力で判断される。


 たとえばここに2つの魔法がある。

 効果はどちらも同じで勇猛果敢に心を強くする効果がある。

 ただしまったく受ける側の感覚は変わるのだ。


 片方は弱った心を守り震える足を立たせ怯えた手の震えを止める。

 そうして恐怖心の中でも前に踏み込む力を得られるもの。


 もう片方は目の前が真っ赤に染まり目の前の敵全てを破壊し尽くしたくなる。

 心のタガがはずれ力のあらん限り暴れ尽くし怒りに染まる。

 とまあ。


 行動幅を増やすのが強化で行動幅を減らすのが異常という扱いだ。

 ただし薬と毒みたいなものである。

 "無敵"もある意味では敵から攻撃意思を減らすという選択肢の減少も含んでいる。


 結局は使い方次第でもある……

 私もちゃんと認識して使い続けよう。

 "無敵"は私の大きな伏せ札であり続けているのだから。


 そうこうしている間に川を渡りキノコゾーンにきていた。


「さあ、映像受信機前のみなさーん、ちょっとびっくりする映像がお届けできるかとおもいます! それっ」


 私は地面に生える巨大キノコまで行き足で踏む。

 そこからちょっとジャンプして独特の感触を足裏に楽しんで。

 大きくはね飛んだ!


 トランポリンキノコは相変わらずたくさん生えている。

 私は連続で跳ねて行き安定したキノコ土台までたどり着く。

 まあようは高台だ。キノコの。


「では、お願いしまーす!」


 カメラマンたちはそそくさとキノコの方に近づく。

 さてこのカメラは背負えるわけだけれど。

 つまりは固定ができるわけで。


 ジャーーンプ!

 映像に乗っているのはどれほどアグレッシブなのだろうか。

 いやまあ私が跳んだ時の同じ軌跡なんだから私の跳んだ時と同じ景色なんだろうけれど。


 しかし感覚は違うはず。

 他人に任せた動きと自分からの動きはだいぶ違うからね。

 例え景色だけとはいっても。


「到着! スリル満点の映像、いかがでしたでしょうか? さらに進んでいきましょう! そろそろ目的の存在に出会えるはずですから」


 道中跳んだりはねたりしつつついには目的地の方へたどり着く。

 私たちは巨大樹木たちの間からのぞきみる。

 開けた土地の場所を。


 そこは月の明かりが強く差し込むスポット。

 昼間は太陽が強いわけで巨大草花たちが生い茂っている。

 そしてそこには相応しき存在たちがいた。


 うおおいるいる。

 この密林の『猛獣』たちが。


 巨大な花にひらひらと止まる……()

 なお身体部分だけでニンゲンより大きいが別に魔物じゃない。

 ついでに知性も虫並らしい。


 昔調査した者たちによるとやはり魔物ではない虫たちはデカかろうが知能は虫並だった。

 虫魔物とはまるで違う。

 虫魔物は正直ニンゲン視点からしても結構かしこい種族がいる。


 当たり前だが虫魔物からしたらただの虫なんてニンゲンから見たネズミみたいなものだ。

 まるで存在が違う。

 外から見るとよくわからない時があるだけで。


 彼ら巨大虫たちはその脳にあたるような器官を巨大な肉体を操作し維持するのにぶん回している。

 魔物のように感情表現やコミュニケーション能力に割り振っていないのだ。

 そのかわり彼ら虫はこの密林で君臨している。


 集中してカメラを向けてもらう。

 蛾は全身を月明かりに跳ね返し煌めく。

 月光蝶とか俗称ついていたかな。


 いやあ……それが群れでいるからね。

 20とかいるからね。

 壮観というかやや怖いよね。


「みなさーん……見えてますよね……? 彼らはこの密林で夜にのみ活動する、虫たちの一種です。ちなみに、あっちこっちにいろんな虫がいます……!」


 木々に止まっている昆虫もいるし。

 蜘蛛は巣を張っているし。

 あそこにはトントン枝を渡る蜘蛛が……いや違うなあれは蜘蛛魔物だ。受信機持ってる。

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