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その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
不死身のない不老不死は虫翅の夢を見る
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六百九十五生目 勝敗

「2匹が走り抜けたー! 奥と手前に分かれ、あっという間にタワーへ肉薄! あの一瞬で決めていたのかボールはほとんどふたりが持っています!」


 結界箱の中身は200点分のボール。

 しかし200個も詰まっているわけじゃない。

 たったの10個だ。

 

 黄色のボールたちは1つ20ポイントという凄まじいボーナス。

 5個ずつ持っていったらしい。

 ちなみに1タワー100点ほどで折れるのだがこのボールだと1タワーに凄まじい量叩き込むことも可能。


 まあそれぞれ100点ずつ5個だから今回はあまり気にすることはないだろう。

 追いかけて撃破したい右チームに比べ左チームはただ逃げてたどり着くのみ。

 速度差は歴然だった。


 自分の持つポイントボールごと黄色いボールを上下それぞれ叩き込む。

 そこから復帰した面々が急いで駆けつけぶん殴り追加点数を防いだ。

 まだそこら中に追加でばらまかれたボールはある。


「大量得点! そして時間残り1分! 右側反撃なるか!?」


 ただ当然右側も余裕がある。

 一瞬全滅した左側とは違って全員で進軍。

 左側のタワーを全部へし折りに行く。


 復帰早々左側は奥と手前に別れ防衛。

 右側は……得意の1本槍陣形だった。

 相手を食い破るべくきて歩みを止めない。


 左側が事態に気づいたのは接近されてからだ。

 奥側に5体が固まっている!

 慌てて戦力を集結させる。


 遅延作業をするため引き気味で上を守っていた炎吐きと蹴り使いはとにかく倒されずに時間が来るのを待つ。

 タワーの機能自体は死んでいない。

 数秒が金に等しい価値をもっていた。


 例えちまちまとした攻撃でも蓋のあるカゴにボールを入れるのは妨害に十分。

 先に蹂躙を選びどんどん進んでいく。

 全力で逃げればタワーに投入したくなりそうするとUターンしてきた左チームに遠くから殴られる。


 しびれを切らした右チー厶が追いかけて2匹をボコボコに弱点を壊す!

 しかし残り3匹がのぼってきた。

 タワーへ急いでボールを入れ続ける。


 手が空いたものから前へ出て食い止め……

 ここで。


「タワー1つ折れた! 食らいつく!」


 破壊されたタワー。

 迎え撃つ左陣営。

 追加得点で稼ぎきりたい右陣営。


 最終決戦は左陣営のホームタワーになった。

 ホームタワーは今までのタワーより性能がかなり高い。

 障害物のタワーが大きくカゴは巨大で計算上300点入る。


 ちなみにホームタワーが折られると問答無用でそちらのチームは負け。

 今回は無理だが逆転折りは名シーンになるのだとか。

 時間もわずか。攻める側は無傷ではない。


 互いに最後の賭け。

 双方から放たれる必殺技と駆ける足。

 再使用可能になったんだ。


 タワーに身体をねじ込む右チーム。

 絶対に押し返したい左チーム。

 もはや戦術ではなく意地の戦いである。


「右チームゴリ押していく! 左チーム弾き飛ばす! 味方を盾にしてゴールへボールを! ああ、まとめて何名かふっとんだ! 詰めるラスト、3、2、1!」


 試合終了の号令が響く。

 ラッパみたいな楽器で音階調整はないが高らかな音が響くのだ。

 戦闘は終わり。


 各自の回復と共にサポーター総出でボールカウントが始まる。

 ちなみにタワーごとに計算するのでこれが後の反省会にも生かされるデータとなる。


「今回、能力的には右チームが終始優勢でしたが、左チームは機転の利かした機会が多かったですね。今回は練習なのですが、本番はより派手な映像と、指揮官がそれぞれついての細やかな試合運び、会場を巻き込むような熱気でお届けできる予定です!」


 私はカメラに向けてちゃんとアピール台本を読む。

 いやでも練習でこれだけ動けるんだったらすごいと思うけどね!

 やがて集計が終わり結果が告げられる。


 ふたつのチームが集まってきて勝敗と得点が告げられる。


「565点と、492点、よってブルーチームの勝利!」


 左のチームだ!


「「やったぁー!!」」


「「うわーっ!!」」


「それではインタビューを行っていきたいと思います。練習試合なので、ふたつのチームとも聞いていきます。よろしくおねがいします、これからアノニマルース内にある映像受信機の元に、このカメラゴーレムを通してお届けします。向こう側に観客のみなさんに言葉をどうぞ!」


 まず負けた側がグイッとカメラの撮影範囲に入る。

 入りきれていないというかよく位置をわかってなさそうだけどまあいいか。

 細かいところはカメラマンがなんとかしてくれる。


「本当は勝ち試合を見せたかったんだけれど……!」


「悔しい! けど面白かった!」


「練習したかいがありましたー」


 口々に話すのをマイクがちゃんと拾っていく。

 他にもあれこれ話してもらい今度はカメラが勝利者へと向いていった。

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