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六百七十五生目 起床

 地面に降り立つと揺れがひどくなっている。

 神域は完全にとけたはずなのに……!?

 よくみると朱竜の足元から膨大なエネルギーと共に光が走っていっている……?


「な、何なんだろう悪そうな感じはしないんだけれど……」


「……お花」


『え? 花?』


「ほら……咲いてる……」


 コロロが指差したらしい先にあるのは。

 1つの花。

 ……だけじゃない!?


 次々と植物たちが大地を割って生えてきている!?

 これは……龍脈の穴である龍穴が開いたときのような現象!


 私やドラーグそれにコロロへも。

 根を張るように光が伸びていく。

 なんだかくすぐったいような。


 ……?

 というか私光ってない? 


『ローズ様!? 体が透けていますよ!』


「ええっ!?」


 ドラーグに指摘されて気づく。

 私の体が透けてきている。

 なんだか淡い光も放っているし。


 死ぬ……わけではないだろう。

 自分でコントロールできない能力……"巨獣再臨"が解けるんだ。


「あわわばばば」


『え、クワァコロロ大丈あわわわわばば』


 そしてドラーグやコロロは別の問題が発生していた。

 空中や地中から朱竜のエネルギーらしきものがバンバン集まっていっている。

 いや私にもか。


 コレ大丈夫なの!?

 私の内側に馴染んで行くような外からゴリゴリに押されるような。

 奇妙な感覚。


 そして私自身は体も意識も消えていく……!

 ぐ……

 ぐぇー……!








 死ぬ……ことはなくちゃんと目が覚める。

 一体どのくらい気を失っていたのだろう。

 なんだか体が泥のようだ。


 重い……だるい……あとここどこだ……?

 水中……違うな。

 その時ふと頭の中で情報が繋がる。


 これ……私の家に設置されている回復用ベッドだ。

 え? 私戦場からここまで運ばれるまで一切目覚めなかったの?

 うわあ心配かけちゃったかなあ。


 少しずつ状況がわかるにつれ体のほうも覚醒してくる。

 泥のように重かったのは体が休眠状態に入っていたからか。

 ホルヴィロスの回復ベッドは非常に高度な薬の扱いをしてある。


 私のスキルで睡眠が無効だから起きられるだけで強制的な睡眠力もあるはずだ。

 うーんよく寝た。

 そろそろ起きようか。


 このベッドは内側に大量の溶液を込めているためそのままでは外に出られない。

 使用者が起きるか外側からの指示で脱水を行える。

 今まだ脱水されていないということはちゃんと起きたとは認識されていない。


 えーと。

 確か天井を3回叩いて。

 そのあと床を強めに引っ張る。


 おお。水が抜けていく。

 ここの時は肺にたまった溶液も管によって抜けさせられていく。

 本来は眠っている時にやる作業なのでなんか変な感覚。


 多分感覚を麻痺させられているのかな。

 本来ならむせまくって大変だ。

 気管支痛める。


 無事溶液が抜けると表の蓋が開く。

 やっと開放されたー。

 起きるとやっぱり私の部屋である。


 中にはだれもいない。

 探知範囲をギリギリまで拡げてみよう。

 ……普通にアノニマルースっぽい。


 どうやら謎の事件が起きたり夢の中だったりはしないらしい。

 事件性がないのならば普通に外へ出よう。

 なにせお腹すいた。


 色々確かめたいことはある。

 戦後どうなったとか何時間寝ていたかとか。

 まあそこらへんは食事とりながらでもチェックできるしね。


 というわけで念話。

 相手は主治医という名のホルヴィロス。

 るーるるーダイヤルるーるーるー。


『もしもしローズオーラだよ、起きたけど今何日ぐらい経過したー?』


『ローズ!? えっ、起きたの!? ちょっと待ってもしかして外に出ている!? だ、だめだよまだ出たら! 麻酔が効いているだろうからフラフラだろうし、何よりまだしばらく動ける体じゃあ!』


『ううん? だからかなあさっきからなんかフワフワしてるの。でもお腹空いたからご飯食べるねー』


『ああーっ、ローズの判断能力が! すぐにいく!』


 言われればなんだか軽く酔った時みたいだ。

 うんうん。でもいいんじゃない?

 朱竜には間違いなく勝ったしおなかすいたし。


 アノニマルースでは最近食事処が流行っている。

 元々はたくさんの食事を作り回すセンターが全員を担っていた。

 しかし匹数の肥大化と多様化によりあっさり不可能に。


 かわりにセンターは一部公職につくものたちへと限りだしかわりに自前制作促しへと力を入れだした。

 魔物たちは油断すると素材をそのまま口に入れて胃の中で調理完成させようとする。

 段階を踏み今はひととおりの家庭で調理をやれて習慣もついただろう。

 

 そしてカフェも出てきた。

 ニンゲンの文化を取り入れたものだ。

 半公式で出来たものだ。


 そして外食の強みもアノニマルース面々がわかってくる。

 当然需要もうまれるので。

 センターから食品衛生許可を得た魔物たちがどんどんと外食を出店しているのだ。

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