表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1684/2401

五百九十一生目 総敵

 それは明らかにニンゲンだった。

 全身を武装で固め室内用に短くした剣を持つ。

 そして現代ではまるで見たことのない武装だった。

 

 古いはずなのにそれらはまるでこの時代を生きているかのように使い込まれ整備されていた。

 骨董品ではなくニンゲンも本物に近い。

 彼らは……


「時空を超えてやってきている、と言われる存在さ」


 ペラさんが不意に仕込みボウガンを腕から放った。

 ボルトが敵の兜隙間にまっすぐ跳んで行き最低限の動きだけで避けられる。

 見てから避けられた……なんという実力者。


「生かしては、おけぬ」


 彼らの言葉を翻訳する。

 "観察"したところまったく知らない言語だった。

 多分失われた過去の言葉……


 問題は何度話そうとしても通じないということ。

 こちらが何か別の者に見えているらしい。


「私達に出来るのは、過去の亡霊を元の場所に戻してあげることだけ」


「ま、ぶったおしゃあいいんだろ?」

「こええな……」

「言うなよ」


 イタ吉たちが駆け寄り私はハウコニファーと共に下がろうとして……

 ぐっとハウコニファーを腕で引き寄せて横に動く。


「え?」


「やっぱり!」


 ……背後から突如刀が生える。

 モヤが様々なところで固まっていき。

 周囲にあっという間で合計4名。


 こっちの頭数と同じだ。



「やっぱ同じ数来るんだねぇ、時間がかかってしゃあないね」


「えっ、こっちが増えると向こうが増えるの!?」


「そうなんだよおじょうちゃん、じゃあおじさんはこいつを貰っていこう」


 ペラさんが走ってさっきボルトを放った相手にタックルを仕掛ける。

 奥の部屋に転がっていく。

 イタ吉たちはゴチャゴチャしている間に1名かっさらっていたらしい。


 私も2名に対して銃ビーストセージや剣ゼロエネミーを構える。

 ハウコニファーも詠唱を始めた。


「還れ、還れ」


「主を貶めんとす、賊め、賊め……」


「賊ではないよう!」


「まあ、話を聞いてくれたら良いんだけれど、ね!」


 もちろん話など聞かず向こうは突っ込んでくる。

 イバラはほんの少し遅れるからだめだ。

 唱えていた魔法を放ちつつ武器を使う。


 影魔法"シャドウステッチ"!

 影の矢が炎に照らされた彼らの体から伸びる影に刺さる。

 影と地面が繋がり彼らの動きもピンと張られて止まってしまう。


 向こうの魔法気配を感じつつ素早く剣ゼロエネミーを回転させ切り裂きつつ。

 銃ビーストセージで頭を撃つ。

 そして"爆散華"!


 ショットガンのようの弾が花開いて(エフェクト)がついて彼らに襲いかかる。

 いくら避けるのが得意でも面攻撃は無理だ。

 頭への射撃を受けた直後ならばなおさら。


 ふたりは"爆散華"を避けるために左右二手に分かれようとするものの体が動かない。

 ギリギリと音がして影の矢を無理矢理引き剥がすが……

 そのころには食らっていた。


 反動で相手は大きく吹き飛ぶ。

 私は武技"充填加速"を使い弾丸の速度を増させる。

 剣ゼロエネミーを追撃を彼らは転がってすんでのところで避けた。


「ハコダッシュでバック」


「え!? え、うん!」


 困惑しながらもすぐにハウコニファーが下がってくれる。

 彼らは立ち上がりながら(エフェクト)をまとい光のおびを残しながら凄まじい速度で動く。

 それは壁や柱すら使った斬撃!


 先程までハウコニファーがいた場所も剣が通る。


「ひっ!?」


 おっ。ハウコニファーが今の見えたらしい。

 修行の成果が出ている。

 ただここまで動くとは思っていなかったらしくかなりビビっているけれど。


 私は堂に入って構えるタイプでもないためすぐに同じような駆け出しをする。

 相手としたらこちらを囲みたいしこっちは包囲網を抜けたい。

 互いの思惑はそのまま攻撃に繋がる。


 私は先制するように連射しつつそのままゼロエネミーでもう片方を斬り裂く。

 イバラはガードに回し魔法はその機会を待つ。

 対して向こうは積極的に攻めてくる。


 魔法を放ち炎で出来たドラゴンの口。

 そこから熱線が放たれた。

 奇妙な順番を得た魔法……朱竜関係という想定がある。


 なんか朱竜を信仰することで得られた利益みたいなのがあるのかな?

 わからない。

 そこらへんはこの記録を外に持ち出して調べないと。


 イバラを焼かせることで直接的な被害をさけつつ踏み込む。

 向こうは想定より被害を与えられず思ったよりも強力なことに怯んだらしい。

 その弱った動きをした方へ跳んでいく。


 あの弱気な感じ……


「ラッキー! ライムだ!」


「ライム?」


「相手はある程度名前が割れてて、構えや動き、それに呼ばれる名前から把握されているんだ。ライムはその中で……当たり、かな!」


 ライムは新参だったと考えられている。

 実力そのものはあるもののどうも戦闘時に心構えが甘いらしい。

 今も私に思いっきり詰められビクッと揺れた。


 話しながら詰めて蹴り上げそのまま殴り飛ばしその先で剣ゼロエネミーの切り裂きに巻き込む!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ