表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
168/2401

百六十三生目 天幕

 狩り部隊が大量に狩っても問題なく運搬できる仕組みは例のごとく見た目より大量に入るように魔法加工されているバッグたちを使っているからだ。

 ただしこちらは自家製だ。


[ストレージ 亜空間へ通じる穴を作り出し物質を入れる。自身を入れることは出来ない]


 これは空魔法でこれそのものは私専用の自由に出し入れ出来る倉庫が場所を取らずに出来るというものだ。

 まだ入る量は少なめだが鍛えれば何とかなる。

 ただ出し入れするたびに行動力を削るしそもそもこの魔法は私しか覚えていないからみんなは使えない。


 しかしこの魔法や魔法技術を使ってただのカゴやリュックに組み込めばあら不思議。

 空間を拡張して多くの物を入れられる袋に変化させられる。

 ユウレンから教わりつつ素材を用意して常にエネルギーが足らなくならないように仕組む。


 何せ使うのは普通の魔物であって私みたいに"無尽蔵の活力"で行動力をなんとかやりくりできるわけではないからだ。

 魔法を魔法記述に使いストックさせてから変化させる。

 最後に閉じてから魔法技術を稼働させた。


 話を聞くにこの『空間を広げる』魔法技術は一度空間をできるだけ閉じれないと効果がうまく発動できないらしい。

 だからザルのようなタイプの容器ではムリ。

 狩りの部隊に持たせたのは街で買ってきた普通の袋系の入れ物に私が魔法加工したものだ。


 開き口より大きい物は入れられないため口が大きく開くタイプのものを多く用意した。

 きのみやフルーツから魔物の遺体まで入れられる。

 私の仕事は全体管理よりもこういう魔法加工やら空魔法での運搬だ。


 問題が起これば飛んでいくがカムラさんやアヅキそれにインカがうまくやってくれている。

 全体的にスムーズに行っているというのが作業を通しての感想だ。


 せわしく作業をしていればまたたく間に日時が過ぎてゆき……





「これで、最後……と」


 最後のテントの固定が終わりやっと作業終了の知らせ。

 何日もかかったが無事に大量のテントが出来た。

 地魔法"ジオラークサーベイ"で調べたところここらへんの土地はしっかりしていて水はけも悪くない。


 雨も降りはしたが全体的に細かく濡れて体温が奪われた以外はそこまで困る事は無かった。

 ここでのテントは十分雨風防ぐ機能を果たしてくれるだろう。


「お疲れ様ー!」

「やった! この中で寝るんだっけ!?」

「うわー、そわそわする」


 魔物たちがそれぞれ自分たちで割り振ったテントへとワイワイ騒ぎながら入っていく。

 テントと言っても一晩でどかすものではなくて住み込むためのものだから見た目よりしっかりしているはずだ。


「おお、広いですね」

「寒くも暑くもないんだねー」


 そうこのテント、中に入れば分かるが中はとにかく広い。

 まあまだ何も置いていないから殺風景でもある。

 テントそのものよりも広いのは私がしくんだからだ。


「作っている時にこんなに大きかったっけ?」

「ううん、後から私がアレコレしてこうしたの」


 ハックの当然な疑問に私が答える。

 基本は袋を加工したさいの拡張魔法技術と同じなのだが誰が住んでも違和感が無いようにするのが大変だった。

 この中全体に魔法が適用されているために常に異常な魔法の力に包まれ魔法酔いという現象が起こるらしいからだ。


 頭痛や平衡感覚の乱れ、体調悪化が主な症状でそんなのは住むには不適切にもほどがある。

 なのでアレコレ手を回して何とか落ち着かせた。

 それを100ではすまない数のテント全てに。


 ユウレンとカムラさんが魔法技術に詳しくて助かった。

 専門外ではあったらしいがカムラさんは一通り暇な時なにかと豆知識としてかじっていたらしい。

 ユウレンは魔法技術そのものに死霊使いという職業柄深く通じていてその組み合わせだ。

 教わったあとはひたっすら作ったので1回心が折れかけたがやって良かったと思う。


 テントたちは蜘蛛の糸も使って組み立てた。

 黒蜘蛛に頼み黒蜘蛛が蜘蛛たちに命令して縦糸を出してもらった。

 魔物である彼等の蜘蛛糸は差異はあれど頑丈で申し分ないもの。


 粘着性の高い横糸も接着剤として加工に使えた。

 今回の建築には大活躍だ。

 蜘蛛たちには感謝。


 ここがこの群れの始まりだ。

 私たちの街を作っていこう。

 少しずつ発展させて最終的には……


 まあ私を夢の中で呼ぶ救難信号や私の転生した目的が不明なのはあるがそのためにはしっかりした土台づくりが必要だからね。

 この群れのことやこの先の事も決めていかなければ。

 もちろんそれを独断で決めるわけにはいかない。


 全員集合! と言った感じでいつものメンバーに私のテントに集まって貰った。

 私のテントは個人用と言うよりこうして会議みたいに使うつもりなのでしっかり拡張魔法技術を適用している。


 呼んだのはリデッドゴズというアンデッドのカムラさんとレヴァナントというトランスをしたユウレン。

 それにデムクラという影のドラゴンであるドラーグ。

 ミルガラスという人型烏の鴉月(アヅキ)

 そして緑のたぬきなたぬ吉。

 最後に私のきょうだいインカとハックだ。


 名前をつけたメンバーの中でジャグナーは「戦会議があったら呼んでくれ」とパスだった。

 戦闘脳だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ