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五百七十生目 提案

 ただ話を聞くというフェーズで突然私にとって降り掛かってきた災難原因情報によりぶん殴られると少なからず動揺する。

 相手も私が突然動揺したのを見て顔に疑問符を浮かべた。

 まあそれだけで話はつつがなく続くんだけれど。


「……でだ。ピヤア団が名もない頃から持ち続けた怨念とももはや悲願こえて誰のためにもならない願望、遥か大昔の国を再興……いや、ゾンビのように墓から這い出させようとしている。多分、とはつくけどな」


「再興……もしかして、ンジャ・ログ城が城として機能していたころの国ですか?」


「ああ。もともとフォンダター派がフォンダター派とすら呼ばれず、ただひとつ、朱竜様を頂にしていた原始的な宗教の時代、もはや名前すらよくわからなくなっている大王国の復活を、遥か古代から今まで目論んでいる……とこちら征火隊側には伝わっている」


「そんな……なんのために」


「さあな。全然わからん。むしろ奴らすらももうわからないのかもな。だが先祖代々受け継がれてきた悲願、または怨念っていうのは馬鹿にできない。なにせ背負っているのは歴史そのものだ。個人の思いでは止まらんのよ。その時代、なんらかで滅んだ国の再興を忠臣たちが願うのは悪い話じゃない。それを……こんな今まで運んでこなければの話だ。なんでも、こじれて引きずり度が過ぎれば悪くなるんだよ」


 ごもっともすぎる。

 もちろん本当のところはわからないようだが。

 いま大事なのは何をしようとしているかであって何でそんなことをしようとしたかではないしね。


「それで……具体的には彼らが何をするのかわかりますか?」


「狙っているのはまず間違いなく、ンジャ・ログ城の制圧だ。今そのために大量の兵站が集められている。さすがに隠しきれない量の物流だな」


 それは冒険者たちでも噂程度に聞いていたな……


「そして制圧後、おそらくは莫大なエネルギーで常に一定時間に戻る城を、さらに過逆流させる。そうするとただ城が再建されるだけじゃなくて……ええとなんだ? 頭をまわしている先生方の話によると、とんでもないことになるのは確実らしい」


 だろうね! 聞いているだけでロクなことにならなさそうだとは思ったよ。

 バレットも随分話せると思ったらほとんど受け売りだったらしい。

 まあこういうのは研究する機関があるからね。


「その人達、かなり凄そうですね」


「ああ。なにせ最近、ンジャ・ログ城の力を研究し対象の物を時間停止させる実験を成功したらしい。まだ実用化はできないらしいが、なんか聞いているだけですごい話じゃないか?」


「あ、なるほど……」


 祖銀が使っていた時間魔法ここかー!!

 おそらく神力なしで装置を使った魔法でやっと一瞬時間が止まったのだろう。

 それだけでも偉大すぎる。


 ぶっちゃけ私も見せてほしい。

 なんかうまいことコネ作って見られないかな!?

 祖銀のこなしたのはあくまで神の奇跡みたいなもので魔法もどきである。


 あんなの再現できない。

 やはり誰でも組めるようにしてこその魔法ではあるからなあ……

 使えるかどうかは別としても。


「ローズさん? いきなり何かめちゃくちゃ考えだしたけどどしたん?」


「あ! い、いえ。それで、ピヤア団もロクなことにはならないことをやってるんですよね」


「ま、ざっくりいうとそう。今までは裏で小競り合いをしていたんだが、知っての通り最近は特に動きが過激化している。まあ、理由はわかる。本来は成功させるはずの魔王降臨が失敗に終わったんだからな」


 だいたい魔王関係の終わりで危なくなってる……

 世界各国で似たような話噴出していそうだなあ。

 あんまりしていたら世界が知らずに危機だから困るんだけど。


 何が困るかって結局魔王のコトを起こしたのはカエリラス団というピヤア団の姉妹組織。

 大型の闇組織は各国でムダに争わないようにまた大きな事件を準備しやすいように手を組んでいる。

 ……もちろん互いにいつ食い合うか腹の中を探るような仲だろうけど。


 全部そこがスタートラインなのでまだ騒動は終わっていなかったという思いになってしまう。

 後始末しなくちゃあなあ……

 

「じゃあ、1週間……その間に色々準備すれば良いわけですね。じゃあ、準備として色々もらいたい資料とろ…やりたいことの許可をもらっていいですか?」


「ほぅ、なんだなんだ? オレたちで許可が出ることならなんだってやってやるぜ。こっちとしても、全てをかけているようなもんだからな」


 私は彼らに考えを伝え……

 凄まじい見たことのないような顔をされた。

 今全てをかけていると言った割に解せない。


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