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五百六十生目 決着

 私とロガ双方のビームが今衝突する。

 相手の咆哮によるビームは太く私のビームは細い。

 衝突している最中にどんどんとロガのビームが中心にだけえぐれていく。


 それは見ようによっては私のビームが飲まれているようです。


「主!」「ローズ!」


 遠くからふたりが叫ぶ声が聞こえる。

 大丈夫。

 ここからだ!


 なぜなら……


「芯を食われた放出技はどうなるかな!?」


 それはまさしく突然のことだった。

 パァンッと小気味良い音とともにロガのブレスビームが砕けた(・・・)

 中心が無くなりビームが拡散したのだ。


 拡散すれば一気に減衰し弱まる。

 かわりに私の聖魔力エネルギーはしっかりと直進して。

 ロガの顔を貫いた!!


「行っけぇッ!」


 顔に当たれば首に。

 肩に。

 全身に。


 聖なる魔力はその身を余すことなく包み込む。

 敵にか。

 ドラゴンにか。


 いいや……


 悪魔に。











 ふうッ!!

 私ごと吹っ飛びそうな威力をうまく区切る。

 行動力が数割吹っ飛んだものの昔は全部ふっとんでいたので上々。


 ロガのほうはというと。

 まるで全身が焼けたかのように煙を上げていた。

 おっイタ吉たち……うんうん頼んだ。


 ロガの変化はむしろ……変身で変貌した部分が元に戻ることが一番の重要部分。

 つまりロガではなくただのドラゴンになったわけだけど。

 悪魔の気配は消え去った。


 そして私の視界端や耳で捉えているもの。

 数十秒ぐらいちょっと休んでいたら。

 向こうで大きめの音がして。


 そして私が伸びしているころにアヅキとイタ吉が帰ってきた。


「おつかれ、そっちはどう?」


「見たとおり、バッチシだぜ!」


 イタ吉が指差す先に縛り上げられ固められている盗賊……に扮したピヤア団。

 うわあ。あの縛り方はひどい。

 たくさんのニンゲンを同時にしばりあげることで絡まっており普通の方法では解けないし1つ紐をきっても別のところで引っかかる。


 さらにこんがらがっているので多分何人かめちゃくちゃな体勢。

 鬼だと思う。

 まあけしかけてきた時点であんまり同情はできないけれど。


「それじゃあ、帰ったらふたりとも治療受けてね。正式に仕事として処理してもらうから、報酬はその時にわけるよ。お疲れ様」


「ハッ! 主のためならばいつでも我が身を扱いください……」


「まあまあ楽しかったな、やっぱ迷宮のほうがいいけどよ」


「うん、ありがとう!」


 イタ吉たちと拳を合わせアヅキに深々と頭を下げられて。

 彼らを魔法で元のところへ送り返した。








 私は走り回っていた鳥車と合流し改めて王都を目指す。

 こんどこそ平穏だ。


「すっっっごかった!! あのおばさんが呼んだふたりもおばさんも! なにあれ、なんか、ビューンって! ドカーンって!」


「少しは落ち着きなさいハコビ、ブオオンでザキザキ! でしたよ」


「ふたりとも落ち着いていないことだけはわかったかな……」


「いやはやこの老体の心にもあの戦いは響きましたよ」


 みんな驚きの中ですごく興奮して語ってくれていた。

 都合よく……というとアレなんだけれども遠いし逃げてるし細かいことは見えていなかった。

 なんかみんな飛んだり跳ねたりしながらたった3名で落としたとしか。


 戦いに詳しくないメンツなのも良かった……

 絶妙な違和感を感じ取られるとすごくやりづらいので。


「これでおばさんはドラゴンスレイヤー! そうだよね!」


「どうなんだろう? あのドラゴン自体は保護しちゃったし」


 というかドラゴンをキルしたことは1回もない。

 ドラゴン達はしつこいがそのかわりコテンパンにしてアノニマルース送りになるので。

 アノニマルースはなんやかんやドラゴンも多い。


「あの光で消えたのは、どこかへ送ったのですか?」


「ちょっとツテがあって、ああいう魔物を保護してくれるところがね。悪党たちにかなり酷使されていたみたいだから……」


「ええっ!? その場合ドラゴンスレイヤーじゃあなくなっちゃう!?」


「いいえハコビ、その活躍こそが、ドラゴンスレイヤーということなんですよ」


「なるほど!! ドラゴンスレイヤー!!」


 多分ハコビはまったくわかってませんよツカエさん……

 ただまあニュアンスというか雰囲気で理解はしたようだ。

 憧れのキラキラした目で見つめられる。


 そのシルバーの目とブロンズの髪がキラキラと輝いていた。

 ピヤア団たちは既に連絡済みのアノニマルースのメンツにまかせている。

 その後はまあしかるべき機関に送られるだろう。


 私達はそのあと先程までとうってかわってとても平和に首都までたどり着いた。

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