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五百二十九生目 反撃

「ンゴガッ!?」


 オクマホの柔らかい頭が思いっきり蛇腹剣ゼロエネミーによって叩きつけられる。

 ニンゲンなら脳震盪確実。

 オクマホにもかなり効いたらしく一瞬目を回す。


 オクマホのぬめりは厄介だ。

 捉えたと思ったら次の瞬間には粘液ごと抜けている。

 特に斬りつけるには技術以上にラッキーヒットな直撃が求められる。


 斬っても粘液がつき1度振り払わないといけない。

 水棲特攻能力がある程度ごまかしてはくれているものの防がれがちなのはかわらない。

 なら叩いちゃえば? という単純な理屈だ。


 武技としては小技の"叩き付け"。

 派手に火力が上昇するわけではないが……

 攻撃能力が斬撃から打撃になる。


 剣を縮めないといけないがこうして近づけば問題ないわけだ。

 大したことのない武技なので反動もそこまでではない。

 混乱しているところにさらに"叩き付け"!


 相手はスキに全力で叩き込まれ面白いように弾き飛ばされる。

 よし。


「みんな! オクマホはあと半分くらい! 切ったり貫いたりより叩くのに弱いみたい!」


「「わかった!」」


 みんなの声が後ろから聞こえてくる。

 オクマホの弱点がわかってもできることできないことがある。

 とりあえず……火魔法"フレイムエンチャント"を防具にみんなかける。


 敵も魔法で炎を使うしスミに載せた炎も使う。

 逆に言えば基本構成が火ばかり。

 みんなの防具に火の(エフェクト)が纏う。


 火耐性がこれで上がった。

 だいぶ対策としてアリなはずだ。


「これは……! ありがとう!」


「なんとかグフを抑えてみる!」


 スウマがポーションを飲みながら私の魔法を即座に理解して感謝してくれた。

 私はそれを横目にオクマホからグフへ視線を移す。

 "鷹目"である程度俯瞰してみてはいたけれど……


 改めてオオルにワンチそれとスレイカ相手に戦って殴り勝っているグフの姿が異様に映った。


「オラオラ! 服が燃えてもその程度の力か!?」


「うぐぐぐ、こ、こいつ……!」


 スレイカの銃撃と共にオオルが厚剣で飛びつく。

 グフがなんらかの魔法を発動させて周囲に風がうまれ……

 銃弾の向きが逸れていく。


 矢よけの魔法!

 アレが有る間銃弾の直撃はなかなか狙えない。

 当たらないわけではなくたくさん放たれた弾丸はかすっているものもあるが……


 それでもグフは平然と動く。

 まあほとんど効いてないわけだ。

 それにしてもだ。


 矢よけの魔法は言うほど簡単じゃない。

 結局自分より強い飛来物はなかなか反らせないのだ。

 グフはもしスレイカの銃弾を食らってもそこまでということ。


 近くにきたオオルは剣の片腕で防ぐ。

 正直軽々しく受け止めたのは目をみはるほどの力。

 そして空いた片腕でオオルを殴り飛ばす。


 オオルがスレイカのほうに空を跳んでいる瞬間にワンチの槍が鼻先をかする。

 グフがギリギリで気づいて腰を反ったのだ。

 ワンチの棒槍は伸縮自在……それを活かしての急襲。


「おっと」


 グフは避けただけに飽き足らずニヤリと笑い剣を振るう。

 ワンチのほうが圧倒的にタイミングは早く棒槍をひいたのに……

 剣は棒槍を弾き飛ばした。


「は……早いっ!」


 圧倒的なまでのレベル差。

 グフは先程から見ているにかなり俊敏性と継続速度が高い。

 ニンゲンにしては巨体だが見かけによらない……


 大きく怯まされたワンチに対して剣の追撃が迫る。


「死ねあっ!」


 しかしその突きは弾かれる。


「なっ!?」


 私がそこに駆けつけたのだから。

 持てる大きさのシールド型に変化してもらって弾いた。

 このまま追撃。


 ふたたび剣化して(エフェクト)を纏わせ走る。

 向こうはすぐに背後へ跳んだ。

 追いつくまで数歩はあるので壁に倒れ込んでいるオオルに向かって"ヒーリング"を飛ばす。


 光の玉を見送った後にグフの目前に迫る。


「な、速っ」


「"乱れ突き"」


 武技を放ってグフに放つ。

 グフは咄嗟に剣を盾代わりにしたが。


「なっ!?」


 1撃目であえなく剣が弾かれ胴が逆にがらあきとなる。

 剣は形状的に防ぐのが難しい。

 特に力負け(・・・)している相手だと持っている手は痺れ力をまともにそらせずこうなる。


「こう見えて、鍛えてるから!」


 "乱れ突き"は1度では止まらない。

 一瞬でグフの胴体に刻む切り傷と飛ぶ血。

 また"乱れ突き"は自分と相手の位置がそこまで変わらない。


 つまり終わっても敵がたたらを踏んでグロッキーに陥っている今がチャンス。

 武技ではないが高威力の技を。

 剣ゼロエネミーが再度蛇腹剣化する時に前へ直接突き出す。


 するとまっすぐ伸びるのと同時に突きが出せる。

 グフの胴体に直接伸び刺さった。

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