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五百二十六生目 被造

 スミゴンことオクマホのスミでできたドラゴン2頭。

 1体は状態異常出血にできた。

 土魔法"Eスピア"の刺さりもよく1発で耐久力を1割削れた。


 これなら2頭相手にしていても早く合流できそうだ。

 魔法の枠は合計4つ。

 精霊たちが3つ担保してくれる。


 そして緊急用に用意しておくのが1つ常にあるとして3つは常に"Eスピア"を放てる。

 私は土の加護があるから土魔法とかで攻めたほうが根本的に強いし早い。

 一切斬りつけなくてもあと3連"Eスピア"を3回やれば倒しきれる。


 問題は……


『なんだ!? 苦戦しているのか!? それなら俺が……!』


 まずい。

 オクマホにスミを供給されたら治されてしまう。

 ここにたどり着く前に早く……!


『……なっ!? さっきの奴ら!? くっ、俺に挑む気か! 良かろう、相手をしてやる! 俺の臣下が負けるはずもなし、キサマらを叩き潰してから向かう!』


 よし!

 4人が迂回して向かうのが間に合ったらしい。

 それらしい念話が飛んでくる。


 相変わらずわざわざ念話全方向に飛ばして話さなければ良いのにとは思うものの助かるのでそのままにしておこう。

 なんかなんでも叫ぶ人みたいだ。


「ようし!」


 私も気合を入れてスミゴンたちに立ち向かう。

 向こうからのサポートがなければ即席のゴーレムなんて簡単な動作しかできない。

 それを証明するかのようにまた魔炎を放とうと大きくのけぞる。


 今度は2体ともか。

 首の角度が少し違う。

 私の逃げ場が無いように前方通路の殆どを埋め尽くすつもりだろう。


 それだと確かに壁を蹴って避けられない。

 避けるのに魔法も使いたくないので……

 ブレスが吐かれこちらに向けて飛来する瞬間に。


 武技"空蝉の術"! ……っと。

 当たる直前判定にならなかった。

 背後にワープせず普通に地面の一部が切り抜かれひっくり返される。


 "畳返し"がかわりに発動させられたわけだ。

 立て掛けた地面の影に隠れるようにして魔炎をやりすごす。

 さっきから見ている限り魔炎はほとんど地形に対して効果を及ばさない。


 私の予想通り魔炎はひっくり返した地面に防がれて広がりちょうど私のところに害を及ぼさない。

 とはいえめっちゃくちゃ熱い。

 炎に取り囲まれる経験なんてそうそうするものじゃないね。


 火と土それに光の力を私は無効化する。

 ただ魔炎は感覚的に"四無効"で完全に防げるたぐいのものじゃないと感じる。

 対した火傷にはならないだろうけれど喰らわないこと前提で動かなくては。


 炎が収まった瞬間に飛び出して"Eスピア"を"ズタ裂き"が決まっていない方に3連打!

 彼らはこの狭い領域でそんなに動けないからまともに喰らい咆哮を上げる。

 だが遠くでオクマホの念話やら攻撃音が響きこちらにオクマホが向かってくる様子はない。


 吠えたスキに懐へ飛び込んでドライが"ズタ裂き"を行使する。


(ハハッ! 普段はあまり使わせてもらえない技だから存分に楽しませてもらうぜ!)


 ドライがノリにノッて斬り込んでいく。

 "ズタ裂き"の効果で出血が発生しスミドラたちの反射行動らしい足踏みや爪裂きを剣を沿わせギリギリで避けていった。

 剣ゼロエネミーで受ければそりゃあ多少は痛い。


 ただ腕は一瞬しびれても動きが止まるほどでもなく……

 生命力もまだまだ平気だ。

 ドライが攻め過ぎてもう1体からの不意打ちをもらわないように立ち回る。


 (エフェクト)を纏った動きがすごく単調に繰り出されるためとにかく前兆にさえ気をつけていれば避けられる。

 左に転がったあと背後に跳ぶと私のいた場所に蹴り上げと爪の衝撃波が飛ばされる。


 一切スレスレにならない位置で避けられる。

 今も無駄に吠えていた。

 これは能力の持ち腐れだ。


 もともと使い捨てタイプで大きなゴーレムを出すのなら耐久タイプだとは踏んでいた。

 耐久タイプでも継続的ダメージの入る出血状態ならばそこまで問題じゃない。


 あと手応えの問題だがやっぱり水棲扱いらしい。

 サクサク斬れる。

 振り下ろされた爪に合わせ跳んで上空から1撃。


 爪が切り裂かれ何本か中の肉ごと切り落とす。

 どっちもスミだけど。

 それでも嫌がってスミゴンは脚を引っ込めた。


 いちいち痛みなんて感じてはいないだろう。

 それでも切り裂けば切り裂くほどに圧倒的に耐久力を削っていく。

 単なる剣ではないのをゴーレムなりに理解しているはずだ。


 けれど悲しいかな生物らしく考えたり逃げたり……

 そんなことがない。

 彼らは命令どおり私に攻撃を仕掛けるだけだ……!

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