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五百二十三生目 横槍

 時空魔法"スロウド"を唱える。

 発動すればオクマホの動きがやや遅くなるはずだ。


「はあぁ!」

「合わせます……!」


 オオルとスレイカが息を合わせてオクマホに向かっていく。

 肉厚な両手剣と銃弾の双方ともぬめりを突破しやすくある。

 オクマホはそのふたりが前方に来られて同時に斬る撃つとされれば距離を取らざるを得ない。


『なんの! 俺の抱く闇はこの程度で破れはしない!』


 腕を素早く振り回し剣を絡め取るように弾く。

 そして銃弾はぬめった身体を器用に動かし……

 直撃だけはしないように避けていく。


 意外に力も強いらしく絡め取られた剣がなかなか互いに引き抜けない。

 やがてぬめりのほうが先に来て互いにすっぽぬけた。


「うぐっ!」


『ぬっ……なかなか強い。だがまだ……』


 時空魔法"スロウド"を発動!

 彼の時間間隔がゆっくりになる。

 本人は気づかないだろう。


『……ぬ、周りの速度が増した!?』


「今のは妨害魔法!?」


「今のうちに!」


「チャンス……!」


 私も前線に加わって剣ゼロエネミーをもって振るう。

 前の通りオクマホが弾こうとして……

 わずかに間に合わず直撃する。


「あれえっ!?」


 思わず念話じゃなく声で叫んでしまっている。

 2つの刃と弾丸たちがついに直撃し回転する腕たちの隙間を縫うように斬りつける。

 あくまで少し遅らせるだけだから下手な連撃はせずに下がる。


 相手も異変そのものには気づいたらしくこちらに魔炎を放ちながら下がる。

 魔炎はわりと放ち得みたいな技で火魔法とタコスミをあわせてこちらを広い範囲燃やしてくる。


 最大出力みたいに全部避けられないみたいな技ではないがみんなには負担が重い。

 どうしてもいきなり放たれると引っかかってしまう。

 焼け焦げた跡ができたころには即回復が飛んできて治すから致命打にはならない。


「前だけ見てて大丈夫!」


 スウマが治してくれたわけだ。

 ……うん!?

 突然きた背後からの殺意にドライが身体を動かして避ける。


 その飛んでいった攻撃はオクマホにぶつかって爆発した!


「おああっ!?」


「何!?」


 私が振り向くとそこにはグフ。

 なんらかの火魔法的なものを放ったらしく手に魔力が残っていた。

 普段ならそこまで気にせず戦える範囲から突如魔力反応と殺意がきて焦った……


「ちっ、気づきやがったか……」


「おいグフ! オマエどういうことだ! 横殴りすんなよ!」


「何って何だ? オレ様は単にさっき燃やされたから、その仕返しをしたまでだ。オレ様が先に手を出したんじゃなくて向こうが先だ、文句あっか、ああ!?」


「そんな言い訳が通るとでも!? あんた、だからわざとずっと近くで控えていたんだね……!」


「ガッハッハ! 止められるなら止めてみるんだなあ!」


 グフはさらにオクマホに向かって歪な形の剣を向ける。

 トゲつき鉄線のようなものが巻かれ歪んだ剣……傷つけられた部位が簡単には治らないような剣だ。

 戦う用というよりまるで拷問用。


「あ、コラ!」


「うおらっ!」


 はっ速い!

 私と比べるほどでは無いもののほか4人と比べた時圧倒的に速い。

 弾丸のようにオクマホへ突っ込む速度は本当にニンゲンなのだろうか。


 オクマホは私の魔法のせいで反応が遅れ逃れるには間に合わず。

 振り降ろされる腕は鈍刃を叩きつけるかのごとく力が凄まじい。

 まるでスマッシュホームラン。


 まるで洗練されていないが荒々しく力強い攻撃。

 さらに打ち上げた後の追撃も速い。

 型があるのかないのかわからないようなバカみたいな動きが天性の才能でねじ伏せているかのようだ。


「オラァ!」


「コラグフっ!」


『ぬおおぉ、この男明らかに強い!』


 取り巻きはともかく4人と比較しても強い。

 普通剣を振るう時はみんな少なくとサマになるよう振るう。

 この男はそれすら割り切っている。


 もはや本能に赴く獣のような戦い方。

 剣を剣として扱わず柄のついた武器として殴りつけている。

 自分の身体にあった動きだけを感覚的に取り続けているのか……


 これがギフテッド……才能持ちか。

 さっき魔法も使っていたし敵の動きは的確に弾いている。

 なんというか……悲しいほど個人で完成されている。


「グフ! てめえ!」


「なんだオオル! やめろ!」


「オマエが! やめろっ! くっ」


 オオルがグフに飛びつき妨害する。

 ただグフは体勢の立て直しをはかりオオルを逆に振り回している。

 オオルが小柄なのも相まって不利だ。


 このままアレコレやられるのは私としても愉快ではないのでオオルがふり飛ばされたタイミングで参加する。


「オラッ!」「うわっ!?」


 オオルは空中に投げ出されたあと空中受け身をとってちゃんと着地した。

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