五百十五生目 翠森
ピヤア団に関する話を聞いたり軽く深い睡眠をとってすぐ活動再開したりして。
結局みんなが起き出したあとにあとにグフの取り巻きが起きた。
始めは驚いてパニックを起こしていたがなんとか落ち着いてもらって。
話を聞き出した。
「途中で体力が尽きちゃって、そこにゲータレールもきて、急いだら足もつって……そうしたら、囮になれって捨てられてしまったんです……俺が不甲斐ないばかりに……」
「これにこりたらグフなんかについていくのはやめたほうがいいよ。さすがにあんなやつについていくアンタらのことも良いやつだとは思っていないけれど、今回のことはやりすぎだよ」
スウマはそういうもののグフの取り巻きはあまり顔は明るくない。
「助けられたのは感謝するが……それ以上はこっちのやり方に文句をつけるのはやめてほしいとき。グフ様は、素晴らしい能力で我々を導いてくださるのだから」
「はいはい」
スウマは呆れ顔だしみんなも肩をすくめる。
どうやらこういう流れになるのはわかっていたらしい。
とりあえず朝食は共にとりそのあとは別れて行動することとなった。
ただまあ取り巻きはそんなに強くないので帰還するだろうとのこと。
……ちゃんと帰還してくれたらいいんだけれど。
私達はさらに泳いでいく。
別のエリアに出たようで水中の景色が変わった。
そこはまるで美しいエメラルドカラーに染まった岩たち。
「翠色の森までこれたねー!」
「だいぶ進めてこれたって実感がわくなぁ」
翠色の森と呼ばれるこの場は岩たちが緑色に輝いて見えるからこその名。
ただ本来この泥を透かして見ないとわからない場所。
地上からの光ではないもので輝いている。
つまり発光体がある。
それはたまに岩から生えているような鉱石を見たらわかる。
「あったあった、いただき」
「これ、実は虫なんだってさ。鉱石にしかみえないんだけど、ぼんやりした光を不規則に放っているのが生きている証拠らしいぜ」
スウマやオオルが採掘をする。
それはまるで海にいるサンゴのような鉱石。
そしてホタルのように光を放つのだ。
周囲はこの鉱石から放たれた光の成分が撒き散らされ常に岩たちが輝いている。
そして岩たちに付着して幻想的な光景になっているわけだ。
サンゴのように飛び出ているのは少ないが多くの鉱石たちは岩の中で隠れ潜んでいるらしい。
そして時間がたってしばらくしたら成長した虫たちが押し出すので鉱石がまた飛び出すのだとか。
ここはわかりやすくその仕組があるけれど他の迷宮でも似たような仕組みはたくさんある。
結果的に枯れない資源場となるわけだ。
龍脈も張り巡らされているし龍脈さえあれば星が元気になってどんどん資材がわいてくる。
正確には植物と鉱石たちだが。
そして幻想的な景色は当然魔物たちがつきもので。
遠目に泳いだり逃げる魔物たちや潜んで動かない魔物はこわくない。
いやまあこわいんだけれど。
こわいんだけれども!
それは私の感情的問題であって法則的には安全。
ただそれでも危険なやつはたくさんいるわけで。
「右側岩山の影に3体隠れて周囲を強く警戒している。多分接敵したら攻撃するタイプだよ」
「あいようっ!」
「わかり……ました!」
「任せて!」
オオルとスレイカそしてスウマが泳いでいく。
高速移動して武器を構え……
向こうも岩陰から飛び出してきた。
身体を鱗で覆っているが海獣のように身体がしっかりと太い。
色は黄金色でまるでこの場の支配者を主張するかのよう。
まさしく……河のライオンといった感じの魔物だ。
「リバーオンだなぁ!」
「喰らえっ"血の迫撃"!」
「せーの……"千本射撃"」
「"爆裂乱打"だよ!」
オオルは自身の生命力を剣に纏わせたらしく赤黒く光がまとった。
もともと太い両手剣なのもあり威圧感が凄まじい。
それを1頭のリバーオンの脳天に叩き込み光が空へとのぼった。
スレイカの2丁拳銃から次々弾がばら撒かれ敵に跳んでいく……かとおもいきや。
その周囲あたりで止まる。
さらにショットガンの弾みたいに細分化して行き光がどんどん増していく。
やがて困惑するリバーオンたちに雨嵐と降り注いだ。
スウマは鉄球をチェーン部分で大きく振り回したかと思うと光を鉄球たちに纏わせる。
突如軌道が変わってリバーオンたちに襲いかかったかと思ったら次々軌道がかわる。
更に軌道が変わるごとに光ごと衝撃波を撒き散らしてリバーオンたちを蹴散らした!




