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煉民主国編 五百生目 入国

 召喚話は割とたくさんあるものの今の所大事件はない。

 効率よく神としての業務を果たしている。

 あとやってて思ったのは新参クラスや低級な神未満の精神体たちはやはり呼ばれることは多い。


 コストも軽く手軽に呼べて便利。

 そして私達もその分神格が育って便利。

 逆に大神クラスになると呼ばれることなどほとんどなくなっていく。


 ここからいきなり育とうと思っても困難だろう。

 まあそのぶん1回の召喚は重い出来事らしいけど。

 割と気軽にキルルや蒼竜たちを呼べる環境は改めてすごいのかも。


 今なら私も神力塊を2つつくれる。

 分裂しているならば2の3倍で6個。

 かなり立ち回りに幅が出るだろう。


 家の玄関で荷物をまとめ入るものは全部亜空間にしまいこむ。

 多分この魔法を極めていくとそのうち家も入る気がする……

 それはともかく。


 部屋の中では相変わらず回復カプセルじみた植物が元気に生きている。

 中には誰もいない。

 河に不法投棄(・・・・)されたところを救った少女はというと。


 部屋の中でホルヴィロスに付き添われながらリハビリをしていた。


「あー、うー」


「そうそう、手はゆっくり動かせば物を持てるようになるよ」


 ……それはあくまで背丈がしっかりある女の子だとは思えないようなぼーっとした顔と動きそれに言葉だった。


 ある日家に帰るとホルヴィロスから報告があった。

 無事出れたことを喜んだが……

 同時に悪いニュースもあった。


『やっぱり、強烈にリセットをかけるしかなかった。体の成長具合は大丈夫だからきっともとに戻る成長は早いだろうけれど……彼女は今、中身は赤ん坊だ』


『赤ん坊……? その、立ててすらいないみたいだけど』


『そう、完全に1からのやり直しなんだ。彼女の魂が抱えていた問題部分を治すのにはこうするしかなかった』


 そして今に至る。

 ホルヴィロスが無理と言った以上これ以上はない。

 今はホルヴィロスを信じて彼女の快調を待とう。


 予想としては一定範囲内のことは取り戻せるらしい。

 ただ逆にいえば取り戻すと魂が汚染される内容もある。

 するとまた治療が迂遠になるので慎重を期するのだとか。


「それじゃあ、行ってくるねホルヴィロス」


「ローズいってらっしゃい! いつでもここに戻ってきて、体を癒やしていいからね!」


 ……物々しい雰囲気があるのだけは難点だよねこの植物。

 使う気が絶妙におきない。

 とてもいいものなのは分かっているけれど。











 私は朱の大地までワープしてやってきた。

 記録地点は煉民主国の前。

 これから煉民主国に入ることになるのだが……


 共和国国境のチョッカクにはちゃんと個人的扱いの手紙を送って報告している。

 あんまり朱竜には会えていないが……

 情報を言える範囲で書いて渡している。


 向こうも満足しているので大丈夫だろう。

 特に朱竜の過去についてはニンゲンたちのほうが調べがつくかもしれない。

 過去に顔の無い神の1柱であるリュウと対峙していたらしいが……

 

 そうこう考えている間に入国手続きまで終わって煉民主国までこれた。

 割とここらへんはセキュリティは緩い。

 何せここらへんは国としてわかれてはいるものの大自然を割って作ったようなものだから。


 朱竜が来るたびに多少国の形が変わるらしいのでいちいち大真面目な線引をしていられないのだ。

 しかも都市がどちらも国境に隣接していない。

 なおかつ煉民主国は特に国同士が同盟を組むことに積極的。


 比較的仲がいいため少し面倒な州境くらいだ。

 ちゃちゃっと入れたので時間に余裕ができた。

 中に入ってまず街へ……


 おや?

 あの感じは……

 背後の姿でもわかるのは神力。


 独特な神力……そして何より。

 不健康そうな背格好は見たことがある。

 ふいに人混みにまみれ消えてしまった。


 ……追いかけてみようか?

 ちょっと嫌だけど。

 ただ見かけた以上放置ができない相手だ。


 においを追えばたどり着く。

 誰もいないはずの草原。

 ここの草たちは何度焼かれてもそれを肥やしにして再度生える根強い植物たちばかりだ。


 その上に彼は立っていた。


「うん……? このボクを見るような目線、まさか村の者に見つかったのかと思ったけれど……君か、腐れブス」


「相変わらず口がすごく悪い……」


 ゆらりと花が開く(エフェクト)が目にちらつく。

 その振り向いた顔は……花だった。

 顔なき神の1柱……スイセンだ。


「まったく、そのブサイク顔を晒すだけに飽き足らず、あのリュウをやったらしいじゃないか。相当うまくハメたんだろう? その点に関しては良くやったな、アイツが慌て付ためている姿を見たのは久々だ」


 ……あれ?

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