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四百九十六生目 腐龍

 凄まじいエネルギーを黒い箱かばんから感じる。

 あの黒い箱かばん……

 何かはわからないけれど恐ろしい武装の気がする。


 月組たちの武器が収まっているとしたらあの箱は鞘……

 ついに月組の実力が見られるかもしれない。

 ただ……それどころではないかも。


 急いでアノニマルース側からも応援が来ている。

 その間にも空の黒は深まり不気味な彩色を放つ。

 地面にわきだした不気味なねばねが形作りだし……


 奇妙な粘体として盛り上がり形づくり目のような輝きが粘体の中に宿る。


「これは自然現象ですか?」


「いいえ、少なくとも知りませんし……殺意がある、来ます!」


 その瞬間だった。

 ランムのカバンが瞬時に開封され中から武器が取り出される。

 特別な装飾のされた美しい花のような銃……


 巨大な銃装。

 腕で構えるのすら難しそうな銃をランムは軽々と持つ。

 そして覗きもせず軽くトリガーを引いた。


 (エフェクト)を纏いまるで流星のように輝き尾を引く弾丸。

 銃口から放たれたそれは敵の頭へと当たり……

 粘液ごと吹き飛ぶように砕けた。


「つ、強い」


 1発ではなく連続で次々放っていく。

 そのたびに粘液の塊は弾けていった。

 ……ただ新たに次々と湧いているが。


 今のうちに私は自身への魔法を使っていく。


「歯ごたえはないが、数が多いな……」


「あ、空に!」


 私の言葉と共に見上げるランムたちと上空から迫りくる暗雲。

 ……正確には雲ではない。

 まるで瘴気とも言えるかのような黒いもやだ。


 そのもやをまとい歪んで突き抜けて。

 現れたるは2つの邪魂。

 全身の形状が定まっておらずこちらの世界に突入するほど徐々に肉体が形成されていく。


 まるで全身が腐った龍のよう。

 東洋の龍だから蛇みたいな体躯を持ち巨大で空の上でからみあう。

 頭は2つあるからその2体が絡んでいるのだろう。


 ただ鱗はところどころ腐り落ち身は欠けてそもそも形全体が不安定。

 なのにどんどんと内側から角や牙が裂け出てきていてまともな生物なら自身の傷で死んでいる。

 まああんなに臭い神力プンプンさせていてまともな生物なわけがないだろう。


 "観察"!


[ジ・ラマンデ Lv.45 比較∶少し強い(特殊性あり) 危険行動∶2柱廃侵ブレス]

[ダ・ミナンデ Lv.45 比較

∶少し強い(特殊性あり) 危険行動∶2柱廃侵ブレス]


 なんとなく嫌な予感がするのはわかる。

 私がほしいのはその先。

 神力……"観察"!


[2柱廃侵ブレス 2柱の神が頭をよせあって吐くブレス。神としての力をふんだんに練り込んであり、喰らえば大地であろうと腐食し崩れる]


[ジ・ラマンデとダ・ミナンデ 月に封印されし1柱。もともとは巨大な1柱だったが大量に分割されもとに戻る日を夢見ている]


 うーん月案件だ。

 とりあえず各地に連絡をしつつ……と。

 やっぱり看破ができた。


 ワザの予兆と結果がわかったからとりあえず絶対まともに撃たせてはいけないな。


「月組のみなさんは急いで建物内に避難を!」


「いえ、それより……あれはなに? ドラゴン……?」


 ランムが近寄って聞いてくる。

 なるほど正体がしっかり掴めない神力を持たないものからしたらそういう認識なるよね。

 実際は竜よりちょっとヤバい。


『『チカラァァァ!! チカラヲヨコセエエェェェ!! ワガチカラ、モトニモドシ、ヤツラ二復讐ヲオオォォォ!!』』


 うるっさい!?

 念話で叫ばないでほしい。


「えーっと……わかりやすくいうと悪魔です」


「悪魔!? あれが……? 瞳が埋め込まれているはずでは……いやまさか、あれは悪魔の本体?」


「その1柱みたいです。すごくやっかいなので、建物内に避難を! なんかここのエネルギー、多いみたいでちょくちょく変なのが来るんですよ!」


 みんなを月組の守護についてもらって……

 司令部から送られてくる情報によると屋外のあちこちからさきほどの粘体が湧いているらしい。

 問題なく処理できているが処理しつづけないといけないため広く浅く守衛をとらないといけない。


 さらに上空から本体が徐々に降りてきている。

 近づかれたらブレスで一気に攻め入るつもりだろう。

 幸いなことにまだめちゃくちゃ高い位置だしいくつか防護策はある。


 ここは私のホーム。

 攻め込んで来たのなら十全に力を活かせる!

 蒼竜はなんも教えてくれないが幸いにして祖銀ややたら知識を並べてくるライブラもいる。


「いや、我々も戦おう。皇国に仇なすものは全て我々の敵だ」


「でも、さすがに今は相手が相手ですから……」


「月組の皆様はこちらの避難所へ!」


「ワハハ! 避難所にいる雑魚たちを一掃して、安全を確保してやろう!」


 向こうから爆発音が聴こえる。

 笑い声から察するにイマだろう。


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