ひゃくごじゅうにしょうめ イシキ
ツバイのかわりにからだをまあまあなおしたよ!
あ、"わたし"はなんとなくひたいの3つめの目をとじる方がスキなんだー。
いつも笑っているみたいでキュートだよネ!
"とうし"してちゃんとみているからとじててもヘーキだしね!
とりさんがきたからジジョーをはなしたらおどろいていたけれどなんとかなりそうみたい!
"わたし"はこまかいことはみんなにまかせてけづくろい。
なんだかとちゅうでくもさんたちとヘビさんたちがけんかしそうになったけれど、クマさんがおこってなんとかなったみたい。
あとはゆっくりしてたらあわただしくいろいろあったみたい。
まあ"わたし"はカラダがいたかったしつかれたからあんまりうごかなかったけどネ!
そのまま、まわりにいろいろよろしくーってつたえたりもしたよ。
事前にツバイたちがねっていたケイカクはぜんぶおぼえていたからネ。
"わたし"はかしこいのだ!
なのでテキザイテキショ。
ややこしいあれこれみんな伝えて"わたし"はやすむことができたよ!
これだけやすめればツバイもドライもダイジョウブ!
それじゃあ"わたし"もそろそろおやすみー。
おはよーごさいます、朝です。
えっと、あれ、なんで朝?
途中から記憶がないんだけれど気を失っていた?
「あ、主ちゃ……いや、3つ目が開いている! 主様! お目覚めになられましたか!」
地面に敷布を引いただけのところに私は寝かされていて困惑していたらアヅキがこちらに気づいた。
「実はあの後、主の別人格を名乗る子どもらしい者が私と接触をはかり、指示を受けていました」
聞けば私が気を失っている間に着々とアインスが指示を出していたらしい。
「幼いながらもしっかりとしている雰囲気で、主の面影を感じました。主はそのもうひとりの主のことはご存知で?」
「う、うん」
「でしたら安心です。 全く別の誰かがコントロールしていたらイタズラではすみませんからね」
アインスはそんなことも出来たのか……
知らなかった。
さらに私が気を失っている間に起きた事を説明してもらう。
「私たちは受けた指示通りに動き既にそれぞれの群れはそれぞれの場所に帰還しています。赤蛇も黒蜘蛛も起こして一度帰らせました。既に戦意は見られません。一応ドラーグと妖精を見張りに出し万能翻訳機を持たせて話をまとめています。戦場になった土地はかなり荒れているため一旦様子見していますが落ち着き次第報告が来るようになっています。ユウレンは骸骨を指揮し私達の群れを守り、休養を取らせています」
「うえッ!?」
つらつらと流れるように戦いの後処理が進んでいた。
私が寝ていてもちゃんと物事は動くんだな……
さてそろそろ私も……
立とうとしたら痛みとともに身体があまり言うことを効かないことに気づいた。
生命力は回復しているはずだから……これは疲労か。
「幼い主の話によるとしばらくは主の身体は休ませたほうが良いとの事でしたが……やはりそのようですね」
「う、うん、思ったより疲れているみたい」
疲れて空腹ででもやり切れた。
あとはあるがとりあえず今は。
休もう。
「ごめん、何か食べ物とかある?」
「はい、事前に『起きた時にはおなかすいてると思う』と聞いていましたから、すぐに出来るように準備してあります。お待ちください」
……うん、今は私の裏で眠っているアインスはどうやらかなりやり手のようだ。
作ってくれた食事をとって聖魔法で身体を癒やす。
聖魔法による治療痛に体力を持っていかれるので素直に何か食べた後の方が良いのだ。
ゆっくりやればそれだけ痛みは緩和されるので全身に浸透させるようにゆっくり癒やす。
いてて。
しばらく身体を休めることに集中していると熊ことジャグナーがやってきた。
「あ、ジャグナー! 今回は助かったよ!」
「うん? あ、今はもうひとりのローズではないのか」
「ああ、多分そう」
やっぱり周りからしたら違いだなんてわかりづらいよね……
ジャグナーは私の前に座って機嫌よく話しだした。
「いやあ結果的には完璧だったな! 1対1ならなんとかするとは言っていたが、実際に化物2頭を見た時はこりゃムリだと思っとったぞ!」
「事前にあそこまで組んでなきゃ絶対勝てなかったよ。本当に助かった」
「まさかローズがあそこまで強いとは俺の予想外だったな……普段はまったくそんな気配を見せないもんだから驚かされた! どうだ、俺とも戦って見るか?」
まさに戦闘脳である。
それは丁寧にお断りさせてもらったらつまらなさそうにしていた。
ジャグナーは戦時の時はとても頼りになることが今回わかったから今後も、もしものときは助けてもらえると良いな。
「ほんで今はもうひとりのローズの指示で、付近に仮設キャンプ形成中だ。妖精たちにも許可はもらっていたし他2つの勢力はローズが抑えたから文句を言いに来る輩は少ないだろうな。その後はここを本拠点にするかの調査をするんだろう?」
「それももうひとりのローズが?」
「ああ聞いている。ほとんどここに拠点構えるのはお前さんの中では決まっているがまだ最終チェックが取れてないというあたりもな」
うーん、アインスめっちゃベラベラ喋っている……
そういうのは後でちゃんと整理してから伝えようと思っていたのだが。
他にも変なこと話していないよね?
アインスが出した指示を細かくチェックしつつジャグナーと話をした。
「あ、お姉ちゃん! いつものお姉ちゃんだね」
「あ、本当だ。あっちの妹も良かったけれど……いつもの妹のほうが安心する」
しばらくしてからインカとハックもやってきた。
こちらもアインスと会っているか。
「うん、いつもの私だよー。今は何をしていたの?」
「みんなの様子を見て回っていた!」
「万能翻訳機も持ってるよー」
インカとハックの首周りには見ためは普通の首飾りな市販用万能翻訳機。
うんやはりあれは便利だ。
「みんなスゴイ喜んでたねー」
「喜んでいた?」
「そりゃあ間近であんなもの見せられたら! 熱い攻防! 爆発! 決まる大技! 刺しあいや牙折り! どれもこれもとんでもなかった!!」
インカがそう興奮した様子で伝えてくれた。
完全に見物客になっていたようだ。
まあ悪いとは言わないけれどちょっと恥ずかしい。
「あの時のお姉ちゃん、めちゃくちゃ強かったもんね!」
「ヒヤヒヤしたけれど妹は想像を上回る動きで活躍していた! 俺もあんな風に戦いたい! いや、絶対やってやる!!」
燃えるインカとハックには悪いがあんな戦いしていたら絶対命がいくつあっても足りないからおすすめしないぞ……!
私も動けないし集まったメンバーでわいのわいの戦闘談義しつつ時間を過ごした。
「あ、ローズちゃん? 行ってきたよ!」
「いや、額の目が開いてる! ローズさんだ。お目覚めでしたか」
アインスの時は額の目を閉じているからみんなそれで判断しているらしい。
私は普通に開いているからね。
「はいはい、いつもの私です。話はうかがってます、お疲れ様です」
「ほら、ローズさんだよ」
「本当だ! ローズさん! あの時の戦い凄かったヨー! ローズさんが味方で良かった!」
妖精たちが私の周りではしゃぎつつ報告してくれた。
「それで私たちは蜘蛛たちの元へ行ったのですが……」
「小さい蜘蛛たちがパニックを起こして大きな黒蜘蛛が必死になだめていたよ。言葉はあんまりよくわからない蜘蛛たちだけれども、よほど親玉が負けたのがショックだったんだね」
なんともあの言葉があんまり通じない環境でまとめるようとするのは苦労が伺えるな……
私もたまたまスキルがそこそこ良いのが揃ってなければそんな大変な目にあっていたのか……それともここまでこれなかったか。
想像するだけで大変だ。