四百五十二生目 反撃
白き竜はすでに息切れ状態。
なのにこれからドラーグの攻めが始まる。
次の後攻番でまともに体勢を立て直せねば負けだ。
……まあドラーグがこのあと負けるんだけれど。
『3ターン目先行ドラーグ。SP18、AP7』
「ドローします。これは……すぐに出しますっ。魔物カード、消費AP6、憤怒まといし軍鎧を召喚ですっ」
名前に炎はないが全身から青い炎を立ち上げている鎧の魔物だ。
いかにも強そう。
「この魔物を通常召喚したとき、この魔物から連なる魔物全てを、攻撃力プラス2します」
『攻撃力6に恒久の2が追加』
「さらに、場にいる魔物4体を使い、特殊召喚します。召喚条件は、強力な炎魔物3体とさらに1体。今、ここに暴力降誕! 殲滅の焼却者、朱竜!」
「ぐっ〜〜〜!!」
すごい今苦虫噛み潰しまくったような声が白き竜から漏れた。
なんでカード揃えてあったんだ。
これでドラーグも神クラスのエース魔物を呼び出せた。
絵柄上の朱竜は本物よりもシンプルだがゴリゴリの筋肉ダルマとして描かれている。
いわゆる神話上とか想像上の朱竜だ。
ネットなんてないんで正確な画像を当たるのって基本難しいし。
「特殊効果を発動します! 朱竜は召喚された時、味方フィールドにいる味方を焼き尽くします! まあいないんですけれど」
『朱竜だ……』
『なんなんだそのカード効果は、味方にしか被害を与えていないではないか』
『カードが強力な分デメリットですね。まず基礎能力がとんでもないてますから、キサラギさん』
『攻撃力10、防御力7。そして恒久攻撃力上昇2』
『あ、さっきの上昇分も含まれるんだ』
『恒久ですからね。特殊召喚に利用されても、攻撃力上昇を引き継いでいるので合計12です』
「朱竜のカード……覚えている限り、かなり危険だったな……」
「このカードは、特殊効果でバトルでは負けません! つまり破壊されません。さらにバトル後削れた防御力を回復します。というわけでバトルです! どの相手でも、負けることはありません。まずは、ロウエンへ!」
「受けて立つ! ロウエンの効果は
バトル時破壊されてもスタンエリアき送られず、手札に戻る」
『それぞれ攻撃力が高いため、攻撃力参考。ロウエンは合計7で朱竜は12。よって、朱竜の防御力は0に削れるため通常はスタン、しかし能力により破壊されず防御力7へ戻る。ロウエンは破壊され白き竜に5」
「グッ!」
ロウエンと朱竜は互いに剣と爪を振るい衝突するとロウエンが砕ける。
残った衝撃が白き竜を襲う。
SPの絵がちゃんと出てきた。
『白き竜の残りSPが9に!』
「ロウエンのカードは戻る、だが……バトル配置の面々が4体になったことで特殊能力がなくなり、全体の火力が落ちる。それと……」
「そう! ここで朱竜の特殊能力を発動! 連続連覇! バトルを終えて相手魔物がまだいる場合、バトルをもう一度行えます。1度ごとにSPを2支払い。つまり、相手の魔物がいなくなるまで攻撃できます。バトルです! SPを支払って16に!」
「トラップカード発動! こちらの魔物が1体破壊された時に、山札のカードを1枚捨て、その魔物のバトルを終了させる!」
「速攻カード! 相手がこちらのバトル行動を終了させる罠カードを発動させたさい、その罠カードを破壊します」
「何!」
せっかく用意した白き竜の罠カードは砕かれてしまった。
平和的解決は望めない。
「そのまま端っこのやつも!」
「グッ! SPが5か……残数のSPが5以下なので、ここで特殊カードを手札から使う。まさかこれを使わされるとは……このカードは、相手ターンでも使える。デッキに1つのみしか入れられない。このカードと選択した手札を捨てることで、1ずつSPを増やす。余は、全ての手札を捨てる。合計6SPの回復だ」
「うわあ、ずるい!」
「良いだろう? 余も1枚しかない、世界中見ても激レアなカードだ」
『おとなげない! 見た目は子供だけど中身はドラーグさん以上の相手が、一切のおとなげない戦術!』
『これが勝敗をわけたと想定』
「で、でも! ただ回復されただけです。押し切れます! 1回の攻撃に2ずつ支払って……ファイア!」
それぞれSPを支払い12。
敵をクイーン以外薙ぎ払い10SPダメージを白き竜に与える。
あまりの激しい勢いに白き竜は肩で息をしていた。
「これでトドメです! 周囲に魔物がいないので、クイーンは攻撃対象になります。攻撃!」
更にSPを支払い10に。
ドラーグがはなった朱竜へ最後の攻撃は……
「それを……待っていた! 罠カードオープンッ! オーバーダメージのある攻撃を食らったさい、そのオーバーダメージ分を跳ね返し、魔物の防御力は1残す! オーバーダメージは6、よってドラーグへ直接6ダメージ!」
「そんな!? うわああっ!」
ドラーグ残りSPが……4。




