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四百二生目 詰合

 飛空艇コア前まで剣ゼロエネミーが来た。

 恐ろしくでかく何重にも結界がありまあ硬そう。

 光がコアの中から輝きたくさんの魔法紋様が浮かんでいる。


 私が直接いたら結界をハッキングしたあと魔術形式を見出してどんどん出力下げちゃうかな。

 剣ゼロエネミーを介してそんなことはできない。

 じゃあ直接斬るかといえばそんなことはもったいなさ過ぎてできないし果たしてどこまで破壊出来るかが不明。


 そもそも触れた瞬間に多分即警報が鳴るシステム。

 私ならそのぐらいの結界は簡単だからやるかな。

 だからこそ……


 この部屋にたくさんある配管が物凄い弱点だ。

 直接繋がっているものとエネルギーと魔力流入だけされているものといくつもあるが……

 自動的に全ての処理を行うため様々な工夫が重ねられている。


 ただそれは唱える者が方向指示器や配管に変わっただけのようなもの。

 ある程度は頑丈だが。

 果たして剣ゼロエネミーを相手にどこまでやれるかな?


 相手は少なくとも鋼鉄などの金属硬度のものが壁や床に深くあるのだから重みを重視している大剣モードに切り替える。

 そのあとは地上での私をドライに任せてと。


(自分の足で走りてえなあ)


 後で走ろうねドライ。

 私ツバイは本格的に剣ゼロエネミー操作に移る。

 慎重にかつ大胆に切開していこう。


 私は剣ゼロエネミーに念じて位置を指定する。

 一気に振りぬかれた刃は(エフェクト)を伴って切り裂く。

 まずはこの細めにあるパイプをぶった切る。


『な、なんだ!?』

『おかしくないか、船の動力が一部……』


 さあ次!

 今度はいかにも大事そうな無線ライン部分を送受信機ぽいところに狙って斬る!


『うわあ!?』

『船の旋回浮力、一部低下!』

『さっきの爆発が原因か!?』


 船が大きく揺れだしている。

 今の話を聞く限りバランスが取れなくなっているね。

 さて……割と見覚えのあるこの配線もカットしよう。


 一気に深く壁に剣ゼロエネミーを刺し込む。

 埋め込み式も関係ない!


『な、なんだ……明かりが!?』

『いくらなんでもおかしくないか?』

『原因……特定! これは……』


『ど、どうした?』

『動力、室です。動力室から次々とエネルギーラインが絶たれています……』

『バカな……すぐに向かわせろ!』


 こう見えて割と作業は繊細。

 だいたいのものはガンガンと何度かやれば切り裂けるものの斬ったら爆発しそうなものや斬ったら船が即落ちそうなものは避けている。

 メイン動力に関しては明らかに3つぐらい他と格が違う配管があるためこれがまずいんだろうなとはなる。


 斬るたびにあちこちから悲鳴が上がる。

 明かりが明滅したり起動音がやたら不安定になったり。

 外から見た時に砲台の口が一部閉まったりやたら回っている。

 ……後恐ろしいドラゴンの姿も。


 地上を攻撃するものより空を攻撃するもののほうが多いはず。

 そっちの動力系統も切らねば。

 さっきあの斬った配管で砲台が閉まったから……


 既にいくつもの似たようなのは斬っていてあきらかにパワー半減している。

 さてさて。


 似たこれも斬っておこう!

 ……よし何も起こっていない。

 つまり今起動していない何かがずっと封印された。


 外から足音が聞こえてくる。

 もっとやりたかったが仕方ない。

 最後は……これ!


 魔力石コンテナを武技も使いつつ大量に切り放つ。

 バラバラになった魔力石たちは大事な個の船の動力源。

 もちろんここにあるのは全てではないだろうが……


 スッとはいってきたところから撤退だ!


『誰だ! ……いない!』

『な、なんだこれは!? 床や壁がボロボロだ!』

『おいおい、なんだかこの船落ちてきてないか? あの散らばってるのはなんだ!?』


 すぐには落ちない。

 しかしゆっくりと確実に残り少ないエネルギーを燃やす。

 しかも格納庫の中身は先程多くが吹き飛んだわけで。

 1つ1つは大したことがないがここに来て飛空艇は飛行維持もたえだえに。


 船から脱出する剣ゼロエネミーは大きな竜の姿も捉えた。








 少し前。

 格納庫が爆破して少ししてからドラーグに念話で合図を送る。


『わかりました! 今ですね!』


 ドラーグ空へと向かって集まっていく。

 集まるというよりも黒い(エフェクト)を放ちながら粘体があちこちから集合していくかのように見える。

 まるで悪魔がこの世に顕現するかのように見える異様な光景。


 6枚の空を裂く翼と20mに届く飛空艇よりも小型程度の巨躯。

 暗黒の鱗にニンゲンも砕けそうな角。

 そして極悪な牙の並ぶ顔。


 本人はのんきを極めているしできうる限り穏便なトランス先を選んでいるのにどうしてこうなったの詰め合わせだ。

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