三百五十三生目 強襲
[ガッティ Lv.33 比較:練習相手にならない 危険行動:癒やしの鈴音]
[ガッティ 自らの体を震わせるようにして音を鳴らせば、聴いた相手の傷と疲れが癒される。持ち手のようになっている部分からサイコパワーを使い浮かんでいるため、掴まれると嫌がる]
他の魔物もパパッと観てみたが私単騎ならなんとかなりそうだ。
もちろん強化魔法は驚異だが私自身に強化魔法を今かけているしカルクックやアール・グレイにもかけている。
「この魔法もッ」
「ありがたい、使わせてもらう!」
「さらに速くなるぜっっ」
「あの輪っかと珠の魔物を狙って、あの魔物たちが強化と回復している!」
「では、こちらはワタクシが。ローズオーラさんは敵の指示者を!」
私はアール・グレイと別れ駆け出す。
アール・グレイはカルクックの上から使うには短そうなその直剣を構える。
当然向こうの軍もこちらに気づくわけで。
「誰だ、増援?」
「いや、まさかあの姿は!」
「しかし、だいぶ遠くにいるはずのお方が……!?」
それを証明するかのごとくアール・グレイは高らかに叫ぶ。
「我はチルマルド・ファーエン・アール・グレイっ! 我が軍に歯向かう者に金竜の鉄槌を!」
「アール・グレイ様だー!」
「「アール・グレイ! アール・グレイ!!」」
凄まじい歓声が騎士たちから上がる。
場の士気を跳ね上げることに成功したようだ。
そのままアール・グレイは敵のガッティを射程に捉える。
「我が騎乗秘技が1つ……神の手」
アール・グレイが唱えた瞬間に手から剣が消える。
代わりに……
「何だ!? 俺からヒトの手、かなんかが!」
乗っているカルクックの肩あたりから色々な事を無視して青い光で出来た腕が生える。
しかも手には先程の直剣フィランギ。
直剣に光を纏い1撃鋭く振るった。
「ええっ!? ギャッ!」
「このままっ!」
ガッティを直剣で引っ掛けたまま駆ける。
鋼なようなもので出来ている体だが見た目よりも柔らかい。
暴れさせられる振動であっという間に傷が増える。
「いただだだっ!?」
「トドメだ!」
直剣フィランギを地面に擦るよう振ってから……
そして振りかぶるように剣を使ってガッティを投げる。
「「わあああぁっ!!」」
敵の方へぶん投げたのでボウリングのように巻き込んで吹き飛ぶ。
今の武技も変わり種の技術だったな……
私は私の方で駆けて移動の脚を遅めないようにイバラを駆け振るう。
剣ゼロエネミーを呼び出し勝手に暴れてもらい……
銃ビーストセージは誤射も恐いので待機。
この戦場にある要はどこだろう。
弱い相手ならば剣ゼロエネミーの効果と"無敵"によりどんどん相手の士気を落とし敵対する気力をなくせる。
しかし要が崩れない限り持ち直されかねない。
戦いは乱戦で入り乱れすぎていて軍の陣形が読みにくい。
ちゃんとわかれていれば敵陣の方に駆けて行くだけでだいたいわかるのに。
「うわっ!?」
「な、なんだ、同士討ち!?」
「わからん、好機だ、押せ押せ!!」
いちいち訂正して回るのも大変なので流れを読み取る。
こういう時は……
(そう。強者の気配。あっちだな!)
ドライが本能的感知をしてより強く激しい戦いの気配を読み取る。
舞うようにイバラを振り回すだけである程度の相手ならば吹き飛ばせる。
道を開けて!
「ヤッ!」
「「ぐあああぁぁ!!」」
そのまま進んで……
周りは吹き飛ばしていく。
この時騎士たちを巻き込まないように注意してと。
あった。
この先だ。
そこにあった光景は。
「いくぞ!」
「「おおーっ!!」」
騎士たちが何名も一斉にその敵へ向かう。
しかし。
突如彼らは光を纏い空中に浮かぶ。
あれは……纏わされている?
しかも空中に浮かべられているのか!?
「「ああ、わわ……」」
「フン」
「「グハッ!?」」
一斉に騎士たち同時がひとかたまりにされた。
その勢いは重力を無視したのごとくだが……
重さはあるから騎士同士のぶつかり合いが打撃になっている。
そのまま遠くまで吹き飛んでいき……
遠くで悲鳴が聞こえた。
凄まじい念力だ!
『他愛もない』
「そうか?」
「っ!?」
その時影から強襲する影。
既に金属音が鳴り響いてからの言葉。
つまりは魔物側が振り返っても手遅れ。
頭に強烈な打撃が入り吹き飛ぶ。
あれは……?
そして使い手の方は。
「ふむ、流石に雑魚とは違って手応えがありそうですね」
『……っ、全く、野蛮な武器を』
片側は女性が立ち。
もう片側はサイコパワーで浮かぶ。
2つの姿が今揃った。




