三百四十八生目 自爆
こういう時はまず"観察"!
[ドクアラシ Lv.34 状態:悪魔憑き 比較:普通 危険行動:自爆射刺し]
[ドクアラシ 毒沼に住むことが多い魔物。見た目は激しいが比較的穏やかで狩りの時以外自分のエリアから出ようとしない]
目の前の相手は牙と目を剥き出しにして怒りと狂いに満ちている。
うん! 説明とはまったく違うな!
だからこそ悪魔の目が理性を邪魔をしているのだろう。
大丈夫比較値がそうでもない。
問題は悪魔の目を浄化しないと勝てないということ。
どこだ……悪魔の目。
「あれがおぞましき悪魔憑きの魔物……まるでもう正気などはないか。ならば、終わらせるのが正しいか」
「いや、悪魔の目を浄化すれば戻せるから、それをなんとかすればいいよ」
ただ……悪魔の目って。
確か月にある神の力だっけか。
それが悪さをしているのだからもしかしたら……?
私たちは駆け回りつつ相手の攻めを見る。
ドクアラシが唸ると地面から連続で土槍が飛び出してきた。
チャンス行動だ。
私はあえてその魔法に向かって踏み込む。
「信じて!」
土槍が私の足元から生えて……
それを踏み潰す!
粉々に砕けた土槍を踏み越え跳びかかる。
単なる土槍よりも私の土の加護あり肉球が強い!
「なんという胆力!」
相手はこちらの異様な速さに瞬発力と魔法反動で勝てず大上段からの重い切り裂きに当たる。
普通喰らえばたたらを踏むような重い攻撃だが相手は狂化している。
気にせず反撃をしてきて……
それを兜で受けて逆に"肉斬骨断"でカウンター。
連続で踏み抜くように前足キックしたあと横っ飛びの動きが見えたので合わせて体ごと尾を振り鎧で叩きつける。
向こうはその衝撃で背後に吹き飛ばされた。
「良し今だッ」
空魔法"ストレージ"で亜空間から剣ゼロエネミーと銃ビーストセージを取り出す。
剣ゼロエネミーは空中に浮いてもらい銃ビーストセージはイバラで持ちセット。
剣ゼロエネミーを神器として使用。
"無敵"を神力付与。
剣ゼロエネミーの補助で行使して……
"無敵"の爪顕現!
今度はこちらから攻めるように前報へ詰める。
向こうも攻めに転じようとしてきたところに思いっきりタックル。
単純ながら重量差による攻めは吹き飛ばし効果が1番大きい。
そこに"無敵"の爪が振りかぶり……
大きく裂いた!
体を無視する刃はまさしく空を切り裂くような振り。
しかし今ので捉えた。
「グギャッ、ゲ、グウゥ!?」
「奴め苦しんでいるぞ。今なら悪魔の目をつけそうだが……」
「今の感じ……悪魔の目は……」
「うん? 何かを仕掛けて来るっ」
アール・グレイが言う通り苦し紛れに何かを放つ気か光が全身を覆い……
紫のでネバネバしていそうなものになって。
針という針から放たれた。
毒技か魔法かな……
今アール・グレイが乗っている影響でそのまま飛んでくる毒を受けるのは不安が残る。
「イバラで落とそう!」
「ヨシッ」
"人騎一体"の影響か普段よりも的確に毒の飛来位置がわかる。
そしてアール・グレイの指示したタイミングでイバラを伸ばし……
たくさん来ていた毒たちはイバラを回転させて防ぐ。
飛び道具を簡単にいなされても狂化しているから関係なく突撃してくる。
私は周囲に気を配りつつ……
同じように突撃する。
今の間に伏線をはって罠にかけることをするのかと思ったけれど何もないか。
だったら思いっきり正面衝突!
光の火花が互いに散る。
そしてこれなら負けない。
相手をガツンと吹き飛ばし追撃として空中にいる相手へ尾の鎧を縦に叩きつける。
針ごと打ち抜き砕いて落とす。
腹部があらわになる形で落ちればそこに悪魔の目が現れる。
確かにあそこならば1番安全だろうね。
だからこそ私が上から飛び乗って。
抑えつける形になったところで銃ビーストセージを神器使用。
唱えていた聖魔法"セパレーション"を直接前足先から悪魔の目に流し込んで悪魔の目とドクアラシの意識を分断狙って。
神力付与の聖魔法"レストンス"で邪魔な悪魔の目を浄化する。
銃ビーストセージを使うので……
その弾丸が聖なる効力を発揮するはず。
発射!
「様子がおかしい、まさか、自爆……!」
弾丸を腹の目に撃ち込むと不気味な音が響く。
声というより肉が悲鳴を上げるような。
そして体の方の動きが震えだし光がたまりだす。
さっきあった危険行動の技か。
だったら魔法に全力を込めて……
魔法と神力を込めた弾丸も放ちまくる!
連続マシンガンな連射だ!
爆発的な音が連続で響き……
――やがてあたりは静かになる。




