表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1433/2401

三百三十八生目 来賓

 グルシムと特訓している。

 ひと息ついて互いに傷を癒やし一服をつく。

 深淵の底で。


「付き合ってくれてありがとう、だいぶ形になったよ」


「積めど積めど塵芥よ」


 ちりもつもれば山となるから今後も努力しようね! とのこと。

 それはもちろんそうだ。

 肯定しておく。


 そろそろ朱の大地で草原の国から南下をしたいもののちょっと国際的に下手な刺激を与えられない。

 先日あった暗殺者だの諜報員だのの疑惑問題で水面下のやり取りが激しいらしい。

 もうちょっと進行してピヤアの悪巧みを探るのは後かなとなっている。


 そもそもピヤアと政府たちはなぜかつながっている。

 それが冒険者協会と対立の原因にもなっているが……

 冒険者協会もピヤアと裏でつながっている。


 朱の大地は歴史的に何が行われているのかもうそろそろまとまった資料ができるはず。

 それまで私は待機だ。

 ……ん? 念話が来た。


『もしもし?』


『ローズ、ちょっと戻ってくれないか? なんか厄介な話が舞い込んで来たらしい』


『え……?』


 さらにこれ以上厄介な事が?










 私はアノニマルースに戻る。

 通されたのは裏手から侵入できる密談室。

 外からの透視や盗聴それにスキル遮断もいくつかできる。


 魔法的にも物理的にも安全だが逆に言えば中のことは外からは知れない密室。

 基本的にここが使われるということはろくでもないことが起こっている。

 正直言って仕事したくない。


 中に行けばジャグナー含む軍部が数名いた。

 私はホリハリー風2足型になり服を会談用正装して座る。

 

「お待たせ。ジャグナー担当ということは、防衛に重要なこと?」


「お、ローズ。それもあるんだが……まあ『保護』したのがうちの警備隊だったのもあってな。正直防衛的には関わり合いにならず流すことを勧める相手だ」


「でも、私をわざわざ呼んだということは、私だったら呼び止めて解決しようとする、からかな」


「まあな」


 ジャグナーは全体のことを考えて発言している。

 こういうとき私みたいな特異な立場のものは便利なわけだ。

 動きにくいしがらみをできうる限り減らしギリギリまでサポートを受けられる。


 少しすればこの密室内扉につく石が輝く。

 これは外からの来訪者がいる合図。

 正式な相手とお呼びでない相手で光り方が変わる。


 まだ扉を開けるまでに時間がかかり軍の魔物があけているため話を聞いておく。


「それで、詳しくは一体誰が何で来たの?」


「帝国に大陸で隣接している国が複数有るのはわかっているよな。うち1つ、大河王国ライア・ドマディアからの救援依頼だ。しかも非公式のな」


「うわ……」


 もう驚くほど厄介さが押し出されている。

 帝国は大陸に大きく場所をとって いる以上隣接している国は多い。

 帝国は覇権主義なので揉め事も多い。


 そんな帝国に隣接している国家からわざわざアノニマルースという魔物の街に来てまで非公式の依頼を持ち込んでくる。

 これで厄介ではなくてなんなのだろうか。

 ただしあまりにろくでなしな依頼の場合事前情報だけで弾かれる。


 つまりは厄介だが放っておくにはしのびなくかつもろもろ他の面々で処理できない。

 厄介さの詰め合わせおせちセット。

 最近運が悪い気がする……


 扉は二重になっている。

 間に小部屋が挟まりその中では目視の検査も行われる。

 武器等の持ち込みはもう魔法が有るから限界はも。

 暗記や毒は別。


 そういうのがないかチェックしたあとに部屋側の扉だけが開き中に通される。

 その作業が終わり扉が開いてやってきたのは。


「初めてお会いしました、ワタクシ、チルマルド・ファーエン・アール・グレイ。ワタクシのことは、アール・グレイとお呼びください。朱竜神により持たされる炎によって晴れ渡る日にて、今ここに縁の紐が結ばれんことを祝福したいと思いますが、失礼を承知で、一旦省略させてください」


 グレイはこの時代にしてはかなりしっかりとした筋肉のついたひとことでいうなら美青年だった。

 現場でゴリゴリに鍛えられてしまい食事も腹が膨れるのが重視で……みたいな生活している気配はない。

 鍛えるために鍛えた体だ。


 それが顕著にわかるのは彼が軽装……むしろ外で働く服ではなく全体的に豪華だから。

 汚していい服じゃない。

 ただしその服はある程度魔法で汚れを落としただけで拭いきれない汚れが見える。


 ぶっちゃけていえば高貴な立場の者が1番安い服で目立たないやつを選んで持ってきた感覚。

 安いとはいえオーダーメイドだろうと思えるピッチリ具合。

 はっきり言えばこんなところに直接出向く立場じゃなく誰かを呼びつける立場なのははっきりわかった。


 腕輪型受信機をつけているため翻訳は自動でされているらしいが……どこの国だろうか。


 そして……それなのに彼ひとりだ。


「初めまして、ローズオーラです。ローズとお呼びください」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ