三百十一生目 管理
蒼竜によると大神は領主で小神は貴族のようなものらしい。
「へぇ、なるほど……5大竜が大神なのはそれだからか……」
「正確には自分が古くてかつ自身の神格が大きくなり、大きな領地を持っていなくちゃいけない! ただ古くくさいだけのやつは基本的には認められないし、ちょっと町1つ分支配しているだけならまだまだ。まあ、そんなに明確な違いはないけらどね。つまり、ローズはあと1000年は小神のままだね。」
「も、もう死んでる……」
「ああ、ローズの寿命もどうにかしなくっちゃね」
「えッ」
当たり前のように寿命克服について言われた。
蒼竜があれこれと思考しつぶやいているが中身を理解できない。
おそらく意味のある言語ではなくあまりに高速で思考を回しすぎて溢れ出た音なのだろう。
口のほうが回らず追いついていないのだ。
「神器……」
それにしても神器か……
「今、神器と神格ってややこしいなって思ったでしょ?」
「えッ!? まあ、否定はしないけれど……」
「それもそうだよ、2つは同じような物だからね」
「え……?」
同じようなものと言われてさらにわからなくなった。
明らかに私の中にある神格の器……見えない結晶石と剣ゼロエネミーや銃ビーストセージは近いとは思えない。
蒼竜は瞬時に思考を巡らせる。
「そうだね、例えるなら神格は爪や牙、神器は剣だ。本質はどれも武器。ただし内側か外側に有るかの違いだね」
私は納得した表情を浮かべた。
それならわかる。
神格が体で神器が持つモノか。
あくまで持つモノは私の体から延長線上として運用する。
様々な機能拡張してくれるモノたちは私の身体に足りないものを補ってくれる。
蒼竜ぐらい神格が馬鹿でかいのら神器などあんまりいらないのかもしれないが私はむしろ必須だと思っていた方が良さそうだ。
「あれ? でも、だったら神器はなぜある程度運で出来上がるんだろう……」
「運? もしかして若い神から助言をもらったのかい?」
「若い……かはわからないけれど、まあ小神ではあるよ」
「だったらそう勘違いするのも仕方ないかもね。神器は外付けの神格の器、相応しい神としての能力が神格と釣り合っていない時にしか出来ないよ」
「ああ……私はすごく神格の器が小さいわりに、集まる心の力は大きいから……」
本来神と神力は長年かけてととのえられるはずだ。
それも数百数千年。
神格はあれこれやって成長し神力が溢れないようになるものらしい。
しかし神力のほうが多い場合意図ややり方で神器が出来るのだとか。
蒼竜によるとバランスを保つために他の神が作り出した概念だそうだ。
神力が溢れ続けるというのもあんまり良くない状態らしい。
「なにせ森羅万象の想いを受け止めきれていないということなのだからね。急に治安がよくなったり逆に熾烈な戦争が巻き起こると、それに対する力が膨れ上がりすぎて、神々が力を受けきれなくなる。あたり一面望まぬ奇跡であふれれば、世界は滅んでお釣りが来るかもしれない。
そのために神器を使ってうまく行き場を与えてやるんだ。ちなみにキミに流れて溢れた力は僕が神器の代わりをして受けているから、あんまり気にしなくて良いよっ!」
すごい。横から掻っ攫うことを正当化した。
まあ……確かにそれほど危険な力を管理していてくれるのは助かったが。
だが黙っでいたのは気づかなければ無限に取るつもりだったのだろう。
うーんこやつめ……
私の神器が出来たことによりずっと前よりも神力の受け入れ体制が整った。
大神でも人口爆発やら魔王再臨やらてま急に神力が増えたはずだ。
そういう時にひとつふたつ神器をつくるのだろう。
蒼竜もこっそり作っているはずだ。
そうこう話ししたり2つ3つ話題を回している間に仕事は終わった。
結界はもう私の攻撃程度でゆるがなくなるようになるはずだ。
時間をかけて。
「イタ吉、帰るよー」
「おっと、時間か」
「なかなか面白かったな」
「オレも迷宮ほしいぜ」
「すぐ簡単に言うんだから……」
イタ吉はああ言っているが正直難しいと思う。
行動力の総量が最大の問題。
イタ吉はそんなに多くないため迷宮を管理するほどないかもしれない。
管理という名の放置ならまあ……
イタ吉たちと私それに蒼竜で歩いて出ていく。
ここの中は直接ワープ出来ないように対策しておいたから私も出来ない。
「うーん……今日だけで考えることがたくさんだ」
「ま、何かあったら俺に任せろ!」
「まあちょっとしたら少しの間難しいかもな」
「そいや今度俺の、俺達の子が産まれそうだから、産まれたらみしてやるよ!」
「……」
「……」
「……………はい?」




