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三百七生目 爆発

 ちゃんと見れたのは私の弾丸が的を破壊してしまったところまでだった。

 だが私はそれどころではなくなる。

 その爆発は……そして射撃の反動は。


「「うわあぁぁぁ!!」」


 私やオルオルさんを吹き飛ばす。


「掴まってッ!」


 私は支えでイバラを伸ばしていたから吹き飛んでも身体が浮くくらいで耐えられる。

 ただ身体の正面からかかる圧が恐ろしいけれど!

 だからこそ吹き飛びかけているオルオルさんは放置できない。


 若干手荒になるけれどトゲなしイバラを叩きつけるようにオルオルさんへ伸ばす。

 オルオルさんは声が聞こえているか居ないかはわからないが反射的にイバラを掴んでくれた。

 そのまま力任せに巻き取って地面へ伏せさせる。


 勢いそのものは持続しなかった。

 あたりのもの何もかも破壊して(エフェクト)がキラキラと残り火を残し。

 どこまでも開けた……何もかも吹き飛んだこの場所だけが残された。


「お見事です。強烈な射撃でターゲットを粉砕しましたね」


「あ……ありが……とう?」


「お、おお……ローズオーラさん、あなた大丈夫ですか? あれほどの力、骨が折れたかエネルギー脱症になってしまうのでは……」


 オルオルさんがオロオロしている……

 あっ!


「ごめんなさい、咄嗟に掴んだので痛みませんでした?」


 急いでとげなしイバラを離す。


「い、いやわしは平気だが……本当に怪我がないのか、ローズオーラさんは……?」


「え?」


 怪我……どこも痛むところはない。

 行動力もまあ多少は使った。

 1回に3割も使ったのは幼い頃以来だ。


 あーでも神力が減ってしまった。

 かなりガッツリほぼ底付き。

 ただ神力の器自体が小さいのが原因とは言われていたからみるみるうちに注がれていく。


 これがみんなの想いだと思うと重さもあるけれど……

 良い重さだと思える。


「大丈夫ならよいのだが……」


「ええ。ほら、銃もちゃんと無事です」


「あれほどの力に耐えられるとは、噂以上の力に、持つものもそれにふさわしい」


 なんだかオルオルさんがベタ褒めしてくれるが……

 確かにこの銃はすごい。

 作った時に『杖』にしたのは魔力で撃ったほうが良いというのと私の弱点補強のため。


 今の私は出力が弱すぎる。

 理由はわかっている……力の伸ばし方傾向と種族だ。

 インカの方向はよりパワフルに戦えるがケンハリマの方向はあくまで効率的に戦えるのだ。


 ニーダレスになっても根本的には変わらない。

 それに輪をかけて私が効率効率! だったため出力がおろそかになった。

 そのため出力を安定して引き出せる『杖』を……


 私の胸の鉱石削り粉をベースにしたコアの魔石で『杖』を作った。

 幸いケアのために定期的に削ってもらっていたため結構ある。

 その1部を使っていたから銃ビーストセージは文字通り私の身体。


「とりあえず……この状況どうしましょうね」


「まあ、とにかく訓練場だったのは幸いだったわな……再建が簡単なものばかりだて」


「再建の手伝いはぜひわたしを使用ください」


「うん、ありがとう。あと……この弾丸もどこまで行ったんだろう」


 ノーツはこういう大仕事のとき輝く巨体だ。

 ありがたく利用させてもらおう。

 そして光がまだ少し残っている弾道だけれど……


 どこまで真っ直ぐ(・・・・)行ったんだろう。






 

 事故があり多少現場は騒然としたものの1度崩壊した建物は再建築の魔法陣とノーツの手仕事で翌日には戻っていた。

 問題は弾丸の行方。

 "千里眼"で視える範囲……つまり隆起した大地に当たる前までは少なくとも光が少しだけ残っていた。

 ……あたりが崩壊し大穴が開いていたのは多分元からではない。


 なのであちら方面に行ったことがあるイタ吉の力を借りて……

 イタ吉と共に(くう)魔法"ファストトラベル"をした。


「お前が撃った方向、だいたい俺が世界の果てにたどり着いた方向と同じだったからちょうど良かったぜ」


「それが、この先ってこと?」


「ああ、覚えやすい場所だろ?」


 イタ吉がファストトラベルで飛ばしてくれた先は大岩がねじれまくように天へ向かって伸びていた。

 作りを考えればここにあった大岩が風によって削られ形作られていたのだろう。


 時を感じる良いスポットだ。


「確かに、これなら忘れようがないね」


「ああ。で、お前の弾丸がどこに行ったかわかるか?」


 肝心の弾丸か……

 イタ吉にアノニマルースがある方角を教えてもらってだいたいの位置を判定する。

 そのあと魔力反応を探ってみる。


 神力も変化させ纏っているし力強さですぐに見つかった。

 そちらの方へ駆けていけば不自然に地面が1直線に盛り上がっている。

 そういえばここは多少高いんだっけ。

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