三百五生目 神器
銃ビーストセージは神器と化していた。
ホルヴィロスは神器について知っている範囲で解説してくれる。
彼は生まれつき長年神様やっているからありがたい。
「神器が出来るかどうかはある程度は意図的に神がやらないと作れない代物で、だけれども意識しても作れない時は全く作れないみたいだね。私は試しに作ってみたけれど、聖遺物が出来ただけかな」
「うん? 聖遺物? 神器とはまた違うの?」
「聖遺物は神の製作したものの中で神器じゃないものがそう呼ばれるね。それとただ怪我しただけの血や普段の生活で作ったものとか、治したりしたものは別に変な力が付与されていないよ。聖遺物と神器の1番の違いは、製造した神が感じないほどにその神力の純度が高く、まさしく自分の身体の延長線上にある所だね。自分の身体だから、自分の神力をわざわざ感じないというわけだよ。もちろん神力をそのまま行使できる」
「なるほど……神器と聖遺物」
……あれ?
私今まで結構な量に私の一部を込めて物を作ってしまっているけれど大丈夫だよね?
聖遺物量産機になっていない?
「聖遺物は、神器ほどじゃないけれど神力があるからそれが特殊な力に変換されたり、強い力に変換されたりするみたいだね。その代わり誰にでも扱えるし、神力行使がないぶん扱いやすく素直なはずだよ」
「……あれ? もしかして……」
私は亜空間から剣ゼロエネミーを取り出す。
そう言えばゼロエネミーの初期は誰にだって持てていた。
次第に多少使い手は選ぶものの単に魔剣らしくなっていた程度の感覚だった。
しかし今や心と魂を通わせ自然に会話する仲となったゼロエネミーはもう他者に一切馴染む気はない。
私も誰かに貸し出す気は今のところ無いがそれ以上に誰かへ貸しても弾きそうとすら思う。
ホルヴィロスはまじまじとその青く澄んだ刀身を見つめて。
「おお、これも見事な神器だね」
「や……やっぱり」
昔これ1本で戦場を覆しかねない力があると言われた。
そして今の形態では実際に戦場をひっくり返したことがある。
いっそのこと兵器みたいな剣が他所に奪われる可能性がなくなったことを喜ぶべきか……
「作ったものが後から神器になることもあるんだね……」
「なるほど、これはそのパターンなんだ。あんまり詳しくないけれど、なくはないんだろうね。むしろどうやって2つも神器を作れたんだい?」
「それはこっちも聞きたいかな……!」
ホルヴィロスは考え込むように独り言で「やっぱり大事に作り込むのが大事なのかな」などとつぶやく。
それだけだったらホルヴィロスはあっという間に量産しそうだが。
ガンナーに成れたと同時に本から追加の情報が得られた。
それは能力職業レベルについて。
能力職業は通常のレベルと違い様々な事で経験を稼げない。
かわりに特定行動に対して多くの経験を得ることができる。
ガンナーの場合銃を使った射撃行動が主な経験場だ。
トリックに技巧を凝らしよく考え組み立て分解し整理し放って受けて得れるようだ。
まあ私の場合まずまっすぐ撃たなきゃね!
というわけでこんにちは私です。
ここは射撃訓練場。
様々な射撃訓練ができるように用意されている。
今の時間……お昼ぴったりの時間は1番魔物たちがおらずスカスカである。
唯一私ともにいるのは。
「ローズオーラ様、わたしの訓練成果をどうぞご覧下さい」
「今日はよろしく、ノーツ」
「はい」
特に昼食の必要がない私のゴーレムであるノーツだ。
ノーツはその巨大な銃身を砲撃用射撃的に向ける。
そしてトリガーをひいて放つ。
ガシャンと銃身は大きく動くのにブレることなく的の中央に撃ち込まれる。
弾丸はニセモノのため爆発することはなくプヨンと弾かれるように落ちる。
けれど次もその次も一切ブレずに撃ち込んでいてすごい。
「おお、新兵コース予約のローズオーラさん、お待たせしました。本当に新兵コースでよかったので? ローズオーラさんともあろうお方が……」
話しかけてきたのは2足歩行のレッサーパンダみたいな魔物であるおじいさん。
この射撃場で兵たちを鍛えている方だ。
「こんにちはオルオルさん、私、見ての通り射撃に関してド素人で、まっすぐ撃てないのでよろしくおねがいします」
「ホッホッホッ、このオルオルがかかれば、この時間中にローズオーラさんならどんな相手の頭にも弾を放てるようになりますよ」
それは明らかにこちらを過剰評価だがさすがに教える自信は凄そうだ。
きっちりここで教えてもらって成果を出すぞ!




