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二百八十二生目 妨害

 敵の残りはリーダーとサポートの合計3人。

 やはり最後まで残っただけあって強い。

 サポートの2人はリーダーから離れビラビリリたちの狙いを分散させるつもりらしい。


 バウンティハンターたちも乗せられたくはないのだろうが無視すれば暗器が即飛ぶ。

 さらに補助魔法を唱えている。

 何を唱えているか冷静に分析はできない彼等は特に何が飛び出すかわからない魔法を恐れるしかない。


 サポートの放った魔法の片方はリーダーに飛来し(エフェクト)をまとう。

 何らかの強化がかかったらしく動きが鋭くなる。

 ……急所確率上昇だ。


 急所を突くというのは頭や内臓を狙えば……となるが実際はそんな簡単ではない。

 頭や内臓まわりは特に生き物として行動力による強化保護が強く一筋縄ではいかない。

 急所攻撃成功はだいたい貫通に対して指す言葉。


 内臓を狙えばもちろんやりやすいが腕や足を貫けば当然相手にとっては致命的。

 また範囲攻撃なら『もろに入る』事を指すこともある。

 とにかく大きな痛手ということだ。


 今リーダーの感覚には相手の肉体的なスキを見つけやすくなっている状態だろう。

 かなりさっきの突きも鋭かったし次大きく入ったら瀕死者が出るかもしれない。

 そしてもう片方のサポートが魔法を放つ。


 蛇が素早く駆け寄るように地面を這い寄りそのままビラビリリくんの身体に高速でまとわりつく。

 あくまで能力低下の魔法なせいか追い払おうとしたビラビリリの身体からすぐに霧散した。

 ビラビリリは声に出さなかったが顔に『なんだ?』と言いたげ。


 そして駆け出そうとしてすぐに気づく。

 私からみればビラビリリの速度が少し落ちているのだ。

 周囲も気づいたらしくビラビリリの周りにバウンティハンターたちが集まる。


「みんなが速くなった……?」

「お前が遅くなってる」

「っ!?」


 やはり言われてビラビリリは気づいたらしい。

 今のはビラビリリの感覚が遅くなる魔法。

 細かいことはよくわからないが新陳代謝を遅くなると1秒の間隔が伸びるのだとか。


 結果的にどれだけがんばってもビラビリリは先程のキレがない。

 行動の威力そのものや飛ばした針の速度は変わらないし電撃速度もそのままなのが幸い。

 これで戦いの形はビラビリリとリーダーの戦いに持ち込まれる状況に。


 バウンティハンターたちも少なくない傷と刺さった暗器たちが痛々しい。

 回復を優先したくもあるが正直そっちを優先していたら負ける。

 とにかくビラビリリに強化を投げる。


 3名のバウンティハンターたちがサポートたちに襲いかかり止めているからビラビリリがフリーで敵リーダーと対峙できる。

 しかしビラビリリくんは鈍化し敵リーダーは鋭化している。

 近づきたい敵リーダーと遠くから攻め落としたいビラビリリくんの攻防そのものはいい勝負で電撃も予測して敵リーダーは避けている。


 実はこの戦いは私のサポート対相手のサポートだ。

 この状態で有効手になる魔法は……

 ……あった!


[サブソニックスピード 電撃を肉体内部に宿し感覚や動きを素早くする]


 この電気魔法を異常解決の手段として二重で唱える。

 "二重詠唱"だ!

 あとは信じて回復に枠を回す。


「そろそろ警備が来る、終わらせるぞ」

「来るか」


 敵リーダーもビラビリリも声に感情は乗せていない。

 しかしビラビリリが不利なのは明らか。

 敵リーダーが針と電撃を見切って接近し……


 私が魔法を発動!

 "サブソニックスピード"をまずは1度目発動。

 雷撃のような(エフェクト)がビラビリリに吸い込まれるように行き1番ビラビリリがはっとした顔をする。


 おそらくこれで先程の弱体化を中和できたはずだからすぐに2度目。

 ビラビリリの身体にさらなる雷撃。

 ……見ようによっては私がビラビリリに攻撃しているようだなあ。


 そんな心配はともかくとしてビラビリリは明らかに動きが変わった。

 というより変わりすぎて一瞬駆けて変な方向まで突っ込んで行く。

 修正も高速。


 ビラビリリの電気属性と私の電気魔法が相性良しだったのだろう。

 まさしく水を得た魚のようにイキイキと駆け巡り敵リーダーを翻弄しだす。


「先程の雷撃か……」

「こちらも、終わらせる時間だ」


 ここからはビラビリリが確実に攻め落とすか。

 はたまた敵リーダーがビラビリリが近づいた瞬間にワンチャンスか。

 ほんのわずかな違いで決まる。


 ビラビリリから雷撃が複数走りそれを暗器でそらすように弾きつつ駆けそれ以上の速度でビラビリリが跳び回る。

 跳び回りつつ放たれる針は確実に敵リーダーに刺さっていくものの敵リーダーはその先を知っている。

 すぐに力を込めてひっこぬき暗器で逃げ道を塞ぐように投げつけていく。

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