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二百七十一生目 万年

 祖銀から衝撃の話を聞かされどっと負担が増した。


「なんというか……理解して……異様に疲れた気がします……」

「だ、大丈夫よ。この後は帰るだけだから……ああそうそう、もう5大竜はいないけど神使たちはやりたりないパーティーをまだ続けているから、そこで知り合いに連絡をとったりしてもいいと思いますよ」

「あ、はい……そうしてみます。何から何までありがとうございました」


 私は祖銀へと感謝した。 


 5大竜会議はとても私に対してひどかった。

 祖銀は色々情報をくれたし感謝してもしきれない。

 今度何か一緒にやりたいな。


 何度か感謝の言葉をのべつつ祖銀を見送る。

 そして私も部屋を出るといつの間にか祖銀の姿が消える。

 どうやら帰ったらしい。

 私はパーティー会場へ。


 5大竜会議の机は片付けられまたみんなでダンスしていた。

 しかし数が多い。

 やはり120はいる。


「お嬢さん!」

「レグリア……!」


 レグリアが私を見つけ近寄ってくる。

 というかもう駆けている。

 待って足はっや……


 神々の群れをまるで縫うように瞬間的に近づく。

 レグリア……事情通だったり今見せた動きだったりと。

 実はおそろしく強く古株なのでは?


「よかった、さっきは心ここにあらずと言った様子だったから」

「あ、ああ、うん。ごめんさすがにクラクラしちゃって」


 レグリアはためらいなく私の身体横を軽く手のひらでたたきそのあと撫でる。

 毛あり種だからやはりある程度の交流方法が似ているなあ……

 そんなことを考えているがレグリアの顔は真剣に心配していくれたもののようだ。


 正直明確な味方っぽく振る舞ってくれる相手がいるのはかなり助かる。

 なにせ今周囲からは様々な視線。

 興味。驚愕。悪意。


 そりゃあなんかポッと出が話題をかっさらっていったのだから良くも悪くも目立つ。

 しかも中身が中身だけに。


「すまない、わたしはあの文面がどういう意味が既に理解して君に接していたのに、わたしの口から言うわけにもいかなくて……」

「大丈夫……確かにあれは、言うわけにはいかないよね……」


 重すぎる内容に5大竜以外口出しできるはずもない。

 たまたま知っていたのかそれとも最初から知っていたのか……

 いずれにせよ知るだけで重すぎる。


 全容を知らないはずのまわりの者たちすらこんなに困惑した反応なのだから。


「まだパーティーは始まっだばかりだから、楽しく飲み明かそう! 酔いものはないけれどね」

「うん、それがいいね。それがいい」


 私達は周りの神使たちと少しずつ交流しながらしばらく輝かしい時を過ごした……









 こんにちは私です。

 なんだか未だに頭がぽやぽやしている。

 酒類やそれに該当するものに手は出していない。


 つまるところ雰囲気酔いというものをしてしまった。

 既に地上へ戻ってきているのだけれど。

 ちなみに魔力のこもった輝くオーブに触れればくる前にいた所に戻された。


 服をクリーニングに出しその後はほてりを冷ましにアノニマルース郊外をひたすら歩いている。

 なんだろう。

 今の心理を言えば……


 とてもつらい。


 雰囲気酔いせざるをえなかったのだ。

 神使たちはみな私をギクシャクした感じで見ているし事情通ぽい神使はレグリア以外私に触れようともしなかった。

 彼らも私を扱いかねているのはわかるが……


 それ以上に知っているもの気づけたものならば私のために自分が遣える相手に死ねと言っているようなものだ。

 もちろん生き返れる肉体的消滅の話ではなく自身の消滅すらかけた方の話。

 話を聞く限り救済者はそれほどまでしなくてはならない相手。


 そして正体そのものはわからないと来た。

 ここまで考えをまとめてようやく気づく。

 祖銀がなぜ銀竜をやめたのか。


 後継ぎだ。

 最悪自分が魂ごとチリになり大いなる魂たちの本流に飲まれてしまっても良いように。

 蒼竜に言われる前から準備しているのか。


 しかしまあそんなに都合よく自分のかわりとなる神がポンポン生まれるはずもなく。

 祖銀以外はああして自分が現役をつとめていると。

 一体何万年の規模なんだろうか……


 そもそも竜の神というものがどこまであるのか。

 神使たちでも竜の神というのは見たことがない。

 竜たちはあんなに戦闘好きで思考力も高いのに。


 そもそも成り上がりがかなり奇跡的なんだっけ……

 過去から未来にかける想像だにしない世界へ思いを馳せ重くなる。


 それと同時にここまで私が窮地に陥ってしまったのは久々だなあと。

 また騒乱の日々がやってきそうなことにうんざりはしつつも。

 どこかで冒険心が期待をしていた。

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