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二百四十三生目 神器

 私は召喚を受けて……

 そうして冒険した後帰ってきた。

 いや分神が帰ってきただけで本体はこのままなんだけれど。


 一瞬油断していたから私と分神の情報が混ざり合い感情が混雑してしまった。

 今は冷静に平坦化できたが……

 今度からは意識しなくては。


 こんばんは私です。

 夜の今私は情報をひととおり落ち着かせて机に向かっている。

 この時雰囲気だけでお見通しくんメガネをかけていたり。


 何をしているかと言えば手紙だ。

 たくさん手紙を書いている。

 この手紙は別に業務上必要だったりするものではない。


 今まで関わっていて魔獣や神ではないみんなとの文通だ。

 面白かったことや意図的に伝えておいたほうが良い情報はこうして積極的に広めている。

 相手からも近況がよく届いていて私のひそかな楽しみ。


 それにこうやって書き綴ることで起きた事を冷静に見直せる。

 召喚に関しては()に対して住所に手紙を送り済み。

 彼ならばすぐ返事が来るだろう。


「ふう……まさかこうなるとは」


 そして私は今ホリハリー型に近くしているので手のひらを胸の石に当てる。

 念じると私の正面に(エフェクト)が現れた。

 その光は1つの石結晶を形作っていて。


 つまりは私の中にある神力器だ。

 しかも先日までと違い少しだけ大きくなっている。

 違和感にはすぐに気付けて実際出してみたらたしかに大きくなっていた。


 ちなみに目の前に見えるこれは本物じゃない。

 あくまで視野で捉えられる用にしているのみだ。

 この器自身はすでに私の内側と完全に融合していて物質的には存在しない。


 大きくなったのは明らかに召喚が原因。

 神たちがなんだかんだ召喚に協力的な理由が判明した。

 こんなに手っ取り早く大きくなるリターンがあるのならば力を簡単に貸すだろう。


 そして神力器の大きさは神としての実力差にもつながる。

 月の神たちがあんなにも力を貸し出していたのも……なんとなくそこの関係だろうか。

 私は念じるのを止めて(エフェクト)を消した。


 ニンゲンたちと神の関係が深くなるのも納得だ。

 仕事をすれば強い結びつきという報酬が貰えそれが急速な神力器成長に結びつく。

 神の世界も労働社会だあ。


 もしかして自分のかわりに行かして何十柱も束ねるという会社形式もあるかも。

 あー……いや……前世のことを思えば確実にあるな。

 神の世界も縦社会。


 私も神使ではあるからねえ。

 蒼竜に対してもなんとなく少しもっていかれている気がしなくもないし。


「下っ端辛いよ……ってね」


 私は再び筆を取る。

 ツラツラと物事や人物たちを面白おかしくかつ正当に書き残して……

 インクがかわいたら封をする。


 これで本日送る分はひと通り終了……うん?

 この感覚……手紙がきたな。

 そう手紙とは神々の行う神域回線を使った文字媒体のやりとりのことだ。


 ぶっちゃけEメール。

 なんならG(ゴッド)メールだろうか。

 光っているのは栞……目的の相手だ。


[前略、貴殿がわたくしの知識を直接借りようとするのはレアだ。しかし実に初歩的な話のため、普段の講義から発生するオマケとしよう]


 そう。知の神ライブラだ。

 ぶっちゃけ蒼竜にきくのは嫌だしホルヴィロスに聞くのは頼りすぎ。

 ライブラはこういうことを頼られるためにいるようなものだし放っといても言いそうなので正直に聞いた。


 まあそうしたらビンゴというわけで。


[召喚というものは、我々神が特定の種族に対して依代や分神などといった本体ではない物を送り届けられる機構だ。遥か昔に神とヒトが共に作り出したとも言われている。我々が神としての格を上げるには、避けて通れぬ道だ。まあ今ではヒトだけではなく多数あり、面倒な相手を引くこともある。場合によっては拒否するのも手ではあるな]


 ああなんとなくは思っていたがやはり当たりの相手だったか。

 もしかしたらピヤアが引くこともあるからなあ。

 それは断固拒否だ。


[わたくしはよく幽霊たちを派遣している。コレが双方に好評でね、幽霊たちは忌々しい光に焼かれず外で遊び、召喚者たちは幽霊が物理的接触を意味なさないことで広い利用範囲があるとね]


 なんだろう。

 素直に考えれば物理攻撃無効で戦いやすいということだろうが。

 嫌な想定がすごく浮かぶ。


[閑話休題といったところで、本題に入ろう。召喚で神格を育つ仕組みに関しての講義はまだやるのは早いため後日とする。仮契約と本契約に関してだがまずは仮契約からだ。仮契約とは召喚儀式においてまず召喚をされたさいに発生する。非常に軽いレンタルみたいな関係だ。ヒモか何かで神の別れ身を無理矢理縛るようなものだ]


 それは私も感じたなあ……

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