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二百二十生目 召喚

 私は召喚を受けていた。

 そして情報が今合流。

 その情報について整理だ。


 魔法と召喚魔法の違い。

 まるでわからないと思われる違いだがそこはともかくとして。

 召喚は特定の媒体や儀式を組み合わせ神の分神をおろす。

 石による月の悪魔たち召喚も似たようなものだが……


 つまり私もおろされる。

 というかおろされた。

 もちろん分神をだ。


 私がすっかり寝ている時にそれが行われてしまい本体は自覚がほとんどなく……

 今分神が返され情報合流したことでハッとなった。

 本体は気づいてなかっただけなんだ。

 分神には許してほしい。私だけど。


 その分神が初めて喚び出されたのは興味深いことだ。

 得られた記憶を振り返っていこう……












 おはようございます私です。

 時間的には昼のはずなんだけれど。

 そして目の前にいるのはなぜか男性のニンゲン。


 アレ私寝ていたんじゃあと思ったのも束の間。

 私の中に情報がわいてくる。

 今の私は分神……かつ召喚を受けている!?


 感覚的に私と目の前のニンゲンの間に見えない綱がある。

 細いけれど私の身体を縛り……

 そして相手の身体につながる。


 つまりは目の前の相手こそが……


「お、成功した……のかな? 初めてだけど、やったぜ!」


 無精髭の生えたお兄さんといった雰囲気のニンゲン。

 身軽ながらしっかりとした防具を身にまとっていて冒険者だろうね。

 そして私は……


「ンワッ」

「なんだか頼りなさそうなやつが出てきちまったなあ……」


 しゃ……しゃべれない!

 かなり能力が制限されている。

 ざっくり使えるものはなんなんだろうか。


 "鷹目"はなんとか使える。

 "千里眼"や"見透す眼"は無理。

 今私の姿は(エフェクト)を固めて作られたニーダレスの姿に近い。


 ただイバラすら出せず針は出せそうかな……?

 うん。魔法も自力では出せない。

 無い無いづくしだが"無敵"や"四無効"あたりは大丈夫。


 毒関係は赤い棘花が作れないので生み出せない。

 自己回復能力は基礎強化もできずさらに言えばそもそものステータスが絶対低い。

 まずいな……召喚された身で何だがもう私のこと守って欲しいくらい弱い。


 ゼロエネミーは当然ないため護身が不安だな……

 気になる召喚主は……"観察"!


[ラットヒュムLv.15 状態:召喚者]

[ラットヒュム 個人名 ロイド・バンドラース ニンゲン種のトランス先のひとつ。ニンゲン種の中ではすばしっこい動きを得意とし一部は姿を化けられる]


 あっ大丈夫だ。

 想像以上に一般人だった。

 最近関わるのはだいたいみんなそれなりに強いから安心出来る強さ。


 細長くくるくると巻いている尻尾がちらちら見えた。

 確か召喚ってした側の能力にも左右されるんだっけか。

 じゃあ私も今この程度に能力が落ちていると考えてよさそう。


 最初から高度なことを求められたらどうしようかと思っていた。


「まあ初めて出しこんなものか。俺はロイド、よろしくな!」

「ワ!」


 ニンゲンの言語をしゃべれない……つまり"光神術"が使えないので雑な返事をするしかない。

 ただ相手はそれで満足したらしくこちらの頭を雑にワシワシと撫でる。

 アホ毛が乱れるしやめてもらいたい。


 やっと落ち着いて来たので周囲を見渡す。

 石造りの小部屋……

 そしてここは祭壇のような作りになっている。


 石壁には大量の意味がある……また意味のないだろう紋様が刻まれている。

 遥か昔作った時に完全に理解してなど作られてはいないだろう。

 私も分野外なのでとやかく言えない。


 私の周り……つまり祭壇の上にははめこまれる穴とつなげるように描かれる溝そして魔力を失った魔力石のかけらや供え物みたいな物質それに食べ物も置かれている。

 どうやら全部関係のある品らしい。

 これで私が喚び出せるのか……


 なお本人も分かっていなかったようだからある程度のランダム性はあるようだ。

 私は小神だからロイドみたいな駆け出しにも呼び出せたと。

 さて……さっきから相手の言葉が無条件でわかっているけれどこれは皇国語や帝国語じゃないな?


 どこの言葉なのか不明だが今はそれを調べる材料はない。

 一応拒否しようとすればできるがせっかくの初召喚だし悪いことではなさそうだ。

 ロイドに協力してみよう。


「よし、行くぞ」


 祭壇から出ていくのを私も追いかける。

 外にまで歩めば光が差し込んだ。

 太陽が照らされたニンゲンの街だ。


「おお、成功したかね?」

「ええ。とりあえずは契約成功っぽいですね。あとはどうにか本契約が結べたら……」

「ははは、少しずつ、少しずつやるんだロイド。とりあえずエネルギーがもったいないし、街の者が驚いても困る。この封魂石にしまっておきなさい」

「お、ありがとうございます」


 ひとりの見るからにお年寄りの方が何かをロイドにわたした。

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