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百八十八生目 野盗

 何故か連続で騒動がおきている。

 軍部からちょっと遠いけれど……

 自力で偵察行くかな。


 とか思っていたら。


「け、警報、また!」

「さっきの音と違う……?」


 けたたましく警報音が鳴り響く。

 たださっきのとは違う。

 ハックも気づいたらしい。


「ま、まずい! あんたたちも早く帰ったほうが良いぞっ」

「この警報って一体……」


「警報段階2へ移行! B地区大規模騒動発生、速やかに住人の安全確保と共に別地区警戒度を引き上げ!」


 別の段階に引き上がった!?

 1つの地区が相当大暴れしているらしい。

 別の地区も危険が及びそうだとか……


 何かの襲撃か。

 私とハックそれにゴーレムたちはお互いに目配せして……

 うなずく。

 急いで現場に向かわないと!








 

 移動時にもっとノーツが遅れたり騒がしかったりするかと思っていた。

 しかし……

 今私の背後にクオーツ……フルネームはローズクオーツにしておいた……を肩に乗せ両足を地面につけたまま高速スライド移動しついてくる姿があった。

 意外に速い!


 例の足裏についたローラーによる高速移動らしい。

 地面に真っ直ぐ跡をつけ気迫すごく迫ってくる。

 巨塊が迫ってくる!


 味方なのになんだか恐怖心煽られつつなんとか現場らしき地点まで辿り着く。

 ハックも気のせいか戦う前から息が上がってる……


「す……すごかったねノーツの移動……あんなことできるんだ……」

「はい。ただし肩に乗りながらあの移動方法は推薦できません。激しい振動により搭乗者の健康を損ねる可能性があります」

「めちゃくちゃに酔うだろうね……」


 一方肩に乗っていたクオーツは平気だ。 

 さすがゴーレム。

 こういう時は強い。


「速やかに建物の中へー! 急いでー!」


 どこで騒動がおきているか探そうとして早速避難誘導したり逃げたりしている魔物たちを見つけた。

 あそこで聞こう。


「すみません! 対処に来た者なんですがどこで何がっ?」

「助かった! あっちで暴れまわる奴らが……あっ! 来た! お願いします!」


 音で気づいた。

 向こうから破壊音や騒々しい足音たち。

 やがてその姿たちが見える。


「ウヒョヒョー! こんなところに大量の獲物発見ー!」

「ヴヴヴ……全然殺せてない……予定よりだいぶ遅れている……」

「来た、敵たちだ……!」


 ひとめ見てわかるほどに凶暴な集団たちが向こうから駆け回ってきている。

 彼らが敵じゃなかったらどうしようと言うぐらいだ。

 言っていることもアウトだし。


 全員がいかにもアウトロー。

 いかにも野盗でさらに魔物すらもいる。

 1体目立って大きい。


「ねえお姉ちゃん、なんかこの音……におい……おかしくない?」

「え? あ……ちょっとまって」


 急いで周囲の情報を!

 脳内地図を魔法で更新しつつ"見透す眼""千里眼"その他もろもろ!

 全方位の情報をかき集める。


「うわまずい!? 何体暴れているんだ!?」


 そこらじゅうで大暴れしている敵たち。

 この地区は扉と市街が近くこんなふうに暴れられた場合1番危険。

 多分ここは狙われたんだ……!


「暴れたりない……グルル……」

「わかってる、存分に暴れさせてやるから……いくぜ!」


 他種族同士互いの言葉が通じ合っている!

 おそらくは受信機かなにかを使っている……

 厄介な。


 どんどんと出てくる数が増えてきてシャレにならない。

 さっきまで近くにいたアノニマルースの魔物たちはすっかり恐れて逃げている。

 どこに潜んでいたのか100では効かない数を私が捕捉している。


 おそらく最初の騒動たちは陽動……

 どうにかして潜んでいた彼らが本隊。

 大きな街を襲いに来るほどの大人数かつ戦力自慢……まだ来るかもしれない。


 ゴーレムたちに"同調化"で支持し近くの建物の影に隠れてもらいつつ私達は前へ躍り出て反応をうかがう。


「待て!」

「何者なんだい?」

「なんだあぁおめえら、俺達がなく子も黙るカエリラスと知ってのことかあぁ?」

「え……?」


 カエリ……ラス?

 私達が壊滅的ダメージを与えたあと残党は散りぢりになっていたらしいあの?


「いや……でもカエリラスがこんな野盗っぽい格好しているだなんて……」

「あのなあ!! 俺たちも色々あってやりたくてこんな落ちぶれた格好しているわけじゃあねえんだよ!! つーか原因の1つはここ、アノニマルースだからなっ!」


 目の前のニンゲンがブチギレ剣をこちらに向けてくる。

 ああ……うん……

 前はもっとエリートたちの集いみたいだったからね。


 カエリラスは身なりもちゃんとしていたから彼らをカエリラスと認識するのには手間取った。

 海外の姉妹組織にはあんまり助けてもらえててない様子。

 ただ……カエリラスたちが来るのなら一網打尽のチャンス。

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