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百八十六生目 名付

 ピンク色に輝く宝石テテフフライトからゴーレムを生み出した。

 そうしたら名前を聞かれたが……

 考えていなかった。


 とりあえず……"観察"!


[テフコアLv.1]

[テフコア テテフフライトから作り出されたゴーレム。非常に高い魔力と共に傷をもつけにくい身体で自身が他者の強い力になれる。また非常に柔軟で身体の姿を細かく変えられる珍しいゴーレムだ]


 足がなくともテフコアは浮けるらしい。

 特に意識せず浮遊している。

 移動は問題なさそうだ。


「とりあえず種族名はテフコアだけれども……」

「ご主人様方からぜひお名前を賜りたいのです!」

「お姉ちゃん、何か思いつく?」

「私は何もしてないから、ローズが自由にしよう」


 当然のように私へ全振りされた。

 うーん……悩むなあ……

 名付けなんて久々だし。


 テテフフライトから生まれたゴーレムだから……

 ピンク色のきれいな色の……

 そうだ。ローズの名がある……


「クオーツ……ローズクオーツなんてどうかな? 宝石の名前の一種だけれど……」

「ローズクオーツですね! きっちり私の頭の中に刻みました! 見ますか?」

「えっ、開くの? いや見せなくて良いけれど……」

「わかりました!」


 元気ハツラツといった様子で話している。

 ゴーレムたちは生まれたてでもこういうことするからすごい。


「そうだぁ、キミって何ができそうかってわかるぅ?」

「能力ですね。基本的にはみなさんの支援が出来ます! パワーの増幅や大きな被害からの保護、それに力を分け与えることも可能です」

「それはすごそうだね、さすがテテフフライトから作り出しただけある」


 物理的にキラキラ目でこちらの方を見つめてくる。

 テテフフライトは抜き出された部分のカサがまるで減ったかのように前よりも小型になっていた。

 一応全部使うつもりでやったがそれでもまだまだ余っているあたりやはり素材としてかなり優秀なんだろうなあ。


「今わたくし、生まれてこれてすごく嬉しいんです! まさしく燃えるように熱い心です! ご主人様方の役にたてたらと思っています!」

「え? ゴーレムなのに最初からそういう知識や感情が……?」

「珍しいことなの?」


 炎が映り込みそうな目をしているクオーツはともかくハックの言葉にひっかかった。

 どうやらまだこのゴーレムは特別なところがあるらしい。


「もちろん。普通はもっと単純というか……ようは町中にいるスケルトンたちみたいなものだよ。心があるのかどうかも意識があるかどうかも怪しいような、ね。最初からここまでイキイキしているというのは、それだけすごいんだよ」

「へえぇ……」

「それだけローズ様がすごいのです!」


 あれ……名前って言ったっけ。

 とは思ったけれど土魔法"ゴーレム"は本来色々教える幅がないからこれが基本なのかな。

 ハックも特段驚いている様子がない。


「凄いのはハックで……とにかく、よろしく!」

「はい、ハック様ですね! 背後の方は……」

「ホルヴィロスだよ、私は主人じゃないから自由にしてねー」

「わかりました、ホルヴィロス様! これから造ってくださったうれしさ、みんなに振りまいちゃいますね!」


 こう割と作ったことに対して恨まれたらどうしようとは思っていたから平和で助かった……










 ひととおり話を終え家から離れる。  ホルヴィロスは家で仕事があるので離れ……

 私とハックそしてクオーツはアノニマルース内を歩き回った。


 その間に私はハックから今後のリーズナブルな特訓方法を教えてもらったり……

 今さっきので基礎の感覚が掴めたから今後は少しずつ大丈夫になるだろうという話もしてもらった。

 そしてクオーツだが何もかも見るのが新鮮といった様子でとにかく興味津々だった。


「ご主人様、この冷気を伴う筐体と、白色した内容固形物はアイスクリームでただしいでしょうか!?」

「ご主人様! 空を往来している生物がいます、あれはカラスでしょうか?」

「ご主人様、あの喋らない精錬された鋼鉄が剣でしょうか? お友達になれますかね!」

「お、落ち着いてっ」


 物凄い好奇心だ。

 しかもその上でだいたいの物を知っている。


「ご主人様、この街は凄いです! わたくしでも見劣りしちゃうかもしれないくらい、凄さの塊です!」

「クオーツって、生まれたばかりなのに物知りだね……」

「知識は製作者に依存するだよ。けれど、知っているだけで触れ合ったのは初めてだからこの反応なんだと思うよぉ。ゴーレムでこんなに活発に心を動かすだなんて初めて見たから、よっぽどお姉ちゃんが作り出したゴーレムはすごいんだよ!」

「そうなんだ……!」


 なんだか段々と本当にクオーツがすごい存在なのだと実感する。

 今見る限りまるで小さな子だが……

 それこそが凄さの証明なのか。

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