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百八十四生目 機兵

 地魔法"ゲートキーパー"によってゴーレムらしき何かが出来た。


 その見た目はゴーレムの中でもひと味違う。

 全身が鋼のような金属で覆われており肉体可動部分にはいくつもの岩石や鉱石が使われ守られている。

 人型に近いが腕は4つあり顔は無く足裏は高速で動くローラーのようなものがあり鈍重そうな見た目と違って軽快な動きが可能。


 さらに全身に隠されて動きや兵装があり常識を越えたからくりゴーレム。


「できたー!! すっごいこれ、やったー!!」

「あれこれゴーレムというかロ――」

「すごい、おそらくは想定より何段階も精度が上がっていて、こんなゴーレムは新しい……結局基盤は設計図によるけれど大局は魔法使用者によるもの……こんなすごいゴーレム、お姉ちゃんどこで知識を!? もちろん力量もすごいと思うけれど!」

「――えっ、いやー、うーん?」


 どう見ても前世で言うところのロなボなのだがハックは当然そんな物はしらない。

 目の前の機械兵ゴーレムを見て興奮している。

 確かに元の設計図ではもっと現代的……つまり今のこの世界っぽい感じだったはず。


 これは明らかに私の前世影響だ。

 こんなところにも出てくるとは……

 ただ記憶がないのでもしこのデザインが無意識的に何かのコピー品でないことを祈るが。


「システム起動、メインプロトコル開始。スタートプログラム始動。おはようございます、ワタシは機体ストレイヤーの制御AI、ノーツです」

「「しゃべったー!?」」


 ノーツと名乗ったそのゴーレム。

 めちゃくちゃイケたボイスで話しだした。

 作ったのは私達だけどめちゃくちゃさっきからビビらせられている。


 というかゴーレムだからスピーカーから発声するのは当然なんだからそろそろ落ち着かないと。

 "観察"!


[ストレイヤーLv.1 複数素材で作られるゴーレムの中でも1つの究極系とも言われる鋼鉄の怪物。その肉体は全身武装であり自身の内に重要品をしまえて大型の物も自身の重量で持ち上げられる。特殊型なため独立機動型の思考回路が組み込まれている]


 うわあ明らかに普通じゃない!?

 複数の意味で特別な存在ができてしまったらしい。

 これ……良いのか色々と!?

 

 ストレイヤー……

 というよりノーツがその肉体をゆっくりと動かす。

 それだけで圧がすごい……


 重量が半端じゃない。

 金属の重みがこちらに伝わってくる。

 手のひら? を差し出されそのうえにふたりで乗る。


 軽く掴まれる。

 金属の冷たさが毛皮越しに伝わる。

 ひんやりとしていて気持ちいい。


 そのまま肩へと運ばれ……

 器用に乗せてくれた。


「このようなことも出来ます。しかしワタシはまだ製造されたばかりで経験不足です。自動学習のためにご協力ください」

「あ、はい」

「すごく丁寧だね〜、ぼくはハックマナイト! ハックって呼んでぇ」

「ああ、私はローズオーラ。ローズでよろしくおねがいします」


 そういえばまだ名乗っていなかった。

 私もハックに続く。

 景色がなんとなく高い……

  

「了解。製造者ローズオーラ様、ハックマナイト様、登録しました。向かいたい場所をお伝え下さい」

「ええと……」

「じゃあ、あっち!」

「了解」


 ハックが伝えたとおりに駆ける。

 うーん? そういえば次は土魔法"ゴーレム"のために何かすると言っていたなあ……










「ほらお姉ちゃん、これだよ!」

「えっ……私の家に来たと思ったら……」


 ここは私の家。

 倉庫内にいて入れないノーツには外でみんなに挨拶がてら鍛えまわっている段階。

 私とハックがここに来てハックが指し示したのは……


 まだ死ぬほど大量にあるテテフフライトの大結晶だった。

 確かにゴーレムの素材は1つのものだからこだわった品のほうが私にとって都合が良い。

 それはさっき見た。


 しかしこのテテフフライト塊はさっきの素材たちよりも高い品かもしれないのだ。

 こういうのはかけらを同じ重さだけ集めるよりも単品のほうがずっと価値は上。

 だからこそ倉庫内で腐らせて来たわけだが……


「色々考えたけれど、お姉ちゃんが言っていたこれを使って造るのが1番かなって」

「えええっ、こんなの大事(おおごと)すぎるよ……! これすごく希少な物なのに個人でどうこう決めちゃうのは本当にまずいって!」

「いや、ローズの物なんだからローズが自由にしていいよ」


 声に振り返ればそこにいたのは白のけむくじゃら。

 ホルヴィロスだ。

 よく私の家に仕事しに来る神でさっきまではいなかったんだけれど……


「いやー、戻ってきたらとんでもないゴーレムが歩いていたからびっくりしたけれど、ローズの気配がしたから何かしているんだなと思っていたんだ。そうしたら今度はコレかい?」

「うん、お姉ちゃんの魔法訓練で――」


 ハックが現状を解説する。

 ひと通り聞いてホルヴィロスは良い笑顔になっていた。


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