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その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
死世界の住人は生きているか
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百七十九生目 作成

 祖銀と談笑をかわしたあと快くわかれた。

 祖銀はまたあちこちに移動し旅を楽しむのだとか。

 ここはふだん使う拠点らしい。


 確かにこんなところ誰も近寄らないからね……

 祖銀みたいに隠居生活を送っているものにはいいのかもしれない。

 どことなくおばあさんのような安心できる雰囲気があった。


 私は祖銀と別れアノニマルースへと帰る。

 両手杖さんへは手紙を出しておこう。

 彼女はいい人でしたと。


 両手杖さんの拠点は知らないが冒険者はその性質上冒険者ギルドを通せば本人に届く。

 郵便ギルドとのコラボレーションだ。


 ちなみに外へ出たら日付が変わっていた。

 時間感覚が狂う……

 私が睡眠をコントロールできなかったら大変だった。


 そして……


「よし……」


 私の部屋内に折りたたんだ2つの服。

 ちなみに4足に合わせてある。

 私の場合服飾を肉体の変化に合わせて変えられるからこっちのほうが都合いいんだよね。


 そして折りたたんであるのは本来こうやって運ぶから。

 手持ちにある状態で瞬時にきりかえなきゃ意味ないのだ。

 いくぞ……


 私は光魔法を唱える。

 同時に着替え術発動!

 光魔法強化の服へ。


 パッと服が移動し私の全身なんとなく白で統一された服装へと変わる。

 よし……光魔法はキャンセルして。

 火魔法!


 同時に今着ている服を脱ぐのと赤い服を着るのを同時に行う。

 瞬時高速着替えだ!


「どうだっ」


 私の姿は……

 ちゃんと着替えられている!

 前の服は同じ場所に畳まれていた。


 つまりやっと……ここまでたどり着けたわけだ。

 火魔法キャンセル。

 よしよし。


 練習レベルでの完成は案外早くできた。

 あとは実戦レベルでの作業だ。

 そしてそのためには……












「うわ……すごい量の依頼だね」

「ごめん、材料は用意するからっ」

「今見積もるよ」


 私はいつもお世話になっている服屋に話をしにいっていた。

 オーダーメイドで作ってもらうにはやはり彼女が最適なのだ。

 

「どれどれ……どうだろう……素材が……」

「大丈夫だいじょうぶ、大半はなんとかなるから、出来得る限り戦いに無事着ていきたいから、むしろ生半可じゃあ困るからね」

「ふーむ……だとすると……ここをこうして……」


 正直私の戦いで無事に機能する服装となると生半可ではない。

 素材や作りもこだわらないと無理だ。

 相当な間服屋はなやみに悩んで……


「これで……どうかな」

「どれどれ……うわっ、これは……!」


 思わず言葉が漏れてしまった。

 とにかく項目リストが大量に埋まっている。

 目が滑る勢い。


 さらには必要素材料が半端な数じゃない。

 明らかに本気だ。

 一切加減なし。


「どうしても試作が必要で、なおかつ本番素材に多く回しても、これ以上は妥協になってしまうんだ、駄目だったかな……?」

「ううん、むしろヒシヒシと気合が伝わってきて良いと思う。すぐに全部は用意できないけれど、いくらかは私が迷宮から……それと量が必要な物は、冒険者ギルドに頼もうかな」

「順で良い、よろしく頼んだ」


 私は服屋に託され早速素材を選ぶこととなった……










 こんばんは私です。


「はっ……ふっ……」


 月夜にアノニマルーズ内で何をやっているかというと。

 訓練である。

 私の上に岩を乗せて前1後ろ1本足で腕立て伏せをしている。


 さらに脳内では先程取り入れた本の中身を必死に読み漁っている。

 ニンゲンたちが積み重ねてきた戦いのやり方……

 それのためにやる身体の作り方。


 なぜなら私が今回の迷宮探索で痛感したのは……

 あまりに我流で基礎が疎かだということ。

 なんというかニンゲンたちの本読むによく私これまで生きてこれたな! と……


 呼吸の仕方……目の動かし方……音の捉え方……においの扱い方……

 正直私は三流と言われても反論できない。

 様々な流派はあるがなんもわかってなかった。


 この世界では男女で力がそう変わることはない。

 質やタイプが違うため見た目は違うことが多いけれどパワーの総量は変わらない。

 ただし柔軟性や関節のしなやかさも鍛えれば変わらない。


 私は下手に力があるゆえに戦いをレベルと力で押し切っていた。

 もっと肉体は使いようがある。

 独学ゆえの浅知恵が今の身体の使い切れなさを今ひしひしと感じている。


 前インカを見たとき私より強いとは思わなかった。

 しかしインカの戦いを見たときには私より優れていると感じれた。

 あの昔私になにも勝てずにスネたりもした兄がだ。


 何もかも丁寧だった。

 肉体の隅々まで使い切って敵のあらゆるスキをついていた。

 深いことはインカに言っていないが……あれは一種の理想像だと感じた。

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