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その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
死世界の住人は生きているか
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百七十三生目 回収

 私がカツマゼを倒し祖の骨を回収。

 皮膚や耳がなんとかくっつき生命力も戻したところで部屋から出る。

 するとそこはさっきまでとはまるで様子が変わっていた。


「迷路が……なくなっている……」


 不自然に地形が捻じ曲げられ空間が隔たれていたこの迷路。

 今は何も空間におかしなにおいがしない。

 ただ複雑なだけだ。


 もはや景色からおかしい世界はそこにない。

 核となるカツマゼが倒されたからだ。

 良かった……これで帰れる。


 少し歩けば冒険者の彼らが脱出のために捨てたものが見当たった。

 両手杖使いが服を捨てた後さらに追加でみんな捨てていっているようだ。

 高級な回復剤……残りの携帯食料……武具を手入れする品々……


 何かかさばりそうなものは勢いよく捨ててある。

 断腸の思いだったろうなという品もある……

 というわけで。


 はい全部回収!

 荷物としては多いけれどなんとかなるさ!

 まとめて(くう)魔法"ストレージ"に詰め込む。


 昔より"ストレージ"にはたくさん入るようになってきた。

 そしてさらに魔法拡大した冒険者カバンもあるためかなりの容量が入る。

 冒険者は旅先でたくさん拾い物をするからあればあるだけいい。


 じゃあ……

 撤収だ!













「おおお! 私が今まで見た棚木の偽葉よりも質がいい! 危険地で採取を!?」

「ええ、まあ、大変でした」

「いやあ、良い、海外の方と聞いていたから少し不安でしたが、これだけの仕事をされるとは!」


 今私は冒険者ギルド内の個室で職員さんを挟んで研究員の方と話をしていた。

 私の詰んだ葉っぱが質のいいものだったそうだ。

 いかにもな白衣と眼鏡をつけた研究員が採取されたものを見てご満悦だ。


「そうだ、ギルド員さん……」

「あ、そうですね。はい、これですね……研究員さん、植物だけじゃなくて生物全体を研究所ではやっているんですよね」

「ええ、わたくしたちは様々な専門分野が広いネットワークで繋がっているのですよ、物事を多角的に見て新たなる発見をするために」

「ねっとわ……たかく……? ああ、いえ、とにかくこれです、これを渡したくて」


 冒険者ギルドの方が渡したもの。

 それは瓶詰めされたカツマゼだ。


「ほほう、中身を確認しても?」

「あっ、気をつけてください! 中のものは寄生虫の魔物です。カツマゼという冒険者ギルド内でもほとんど情報のない魔物で……」

「ほほう、寄生虫……ならば、あまり触らないほうが良いでしょうなあ、わたくしは専門家ではないですから。ただ、ちゃんと専門の方とコネクトはできるかと」


 カツマゼは冒険者ギルドでもよくわかっていなかった。

 正確にはカツマゼという虫みたいな小〜中型魔物は登録されていたのだが……

 カツマゼという寄生虫については曖昧だった。


 つまり同一のものと考えられていなかったわけだ。

 もちろん専門分野ではおそらくある程度はわかってたんだろうけらど一般レベルまでに情報が降りてない。

 カツマゼは無事研究員さんに引き渡される。


「そうそう、目測での計測で支払い契約でしたからな、ちゃんとはずんでおきますよ!」


 やった。これで少しはむくわれる。











「おお〜、塊まである、凄いじゃないか! どうやってこんなに取れたんだ? 散々幽霊に追いかけ回されただろう」

「さんざん追いかけ回されつつ撃退しました」

「それは頼もしい! 今後もこの材料がちゃんと届けば、人類が生きたまま霊体化を一般的に行えるかもしれないのですよ!」


 生きたまま霊体化するメリットはともかく。

 いかにもなローブを深くかぶっている魔術師にとても感謝された。

 彼らは非戦闘員の魔術師だ。


 というよりかそもそも魔法系統を極めようとする人はだいたい肉体はそこまで強くない。

 冒険者はかなりの肉体労働派で魔法系統の方向性は肉体の分魔力に回すもの。

 まったく反対とは言わないけれど方向性が一致しない。


 なので実は冒険者兼魔法使いというのは結構な肉体派と魔法界隈では見られている。


「喜んでもらえて何よりですっ。私も走り回ったかいがありました」

「ほんと、良かったー……いい素材が届いて。それでは、約束の報酬にちゃんと足しておきますね」

「たすかります」


 本当に現地のお金が欲しい……というのもあるが。

 それよりもこの朱の大地にある冒険者ギルドへの深い貢献アピールできるのがいい。

 そしてなにより依頼者によろこんでもらえてなによりだ。



 さて……次は彼らか。












「「おおー!?」」 

「うそっ」

「あそこから全部運んだのか!?」


 私の前には例の救助した冒険者たちがいた。

 リーダーさん両手杖さんショートソードさん。

 そして向かい合う椅子ではないところにナックルさんとダブルナイフさんだ。


 彼らのまえには彼らが捨てたフルセットがあった。

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