百六十七生目 背骨
カツマゼの腕に乗り駆けて……
大きく跳ぶ!
ここからイバラを伸ばして武技"龍螺旋"に通常攻撃を交える!
武技の構えで3本のイバラが舞っている間先に5本のイバラが突撃。
一気に攻め入れて敵の体を直接叩く。
音速のムチが相手をはたけば肉の部分が大きく揺れる。
甲殻の部分に効果が薄いのは仕方ないが……上からでもそこそこの打撃は入っているはず。
それに大剣ゼロエネミーがゴンゴンと甲殻部分を叩いているから少しずつ肉体に負担がかかっているはず。
最終的に凄まじい負担になり身が耐えきれなくなると……
また虫たちがメンテナンスのために這い出てくるはずだ。
そこを狙って焼き払う。
さっきみたいな土槍土槌みたいなのは今の形態だと避けられそうだな……
とにかく集中して敵の攻撃スキをつかねば。
相変わらずこちらの攻撃はあまり気にせずに腕を振るってきている。
私は高いところから落下したがイバラたちはまだ空で舞っている。
「うわっ!?」
腕で振るったので吹き飛ばされた!?
着地のスキを狙われたか。
でもほぼ追い払うみたいな軽いもの。
私が吹き飛ぶだけで……武技は大丈夫。
"龍螺旋"発動!
伸びていたイバラたちが通常イバラの後に続いて本体を強烈に叩き……
カツマゼに2連爆発!
さっきもこれは効いた。
見た目ちゃんと効いているか怪しいし気にせず腕を振ってきているがそういうものだから仕方ない。
私は頭上に迫った骨棒の振り下ろしをすんでで避け光弾ける余波をもらう。
もう余波は仕方ない!
痛いけれど今はもうそれを言っている場合じゃない。
イバラを取られないように回収しつつ転がるように移動し……
自身に光魔法"ヒーリング"してと。
さらに攻めよう。
地魔法"アースイーター"そして"Eランス"!
最近同時発動による新魔法発動なら属性を混ぜたほうがちゃんと発動することに気づいた。
安全性を取るなら同じ属性魔法をズラシ発動だ。
まずは地面から大地の光がカツマゼ付近の空中に生まれ……
そして床からも何かがせり上がる。
カツマゼは駆けるがその先々から持ち上がり……
大きな口のように出来上がる。
岩盤が内側へ引き込むように生えている牙みたいなトゲ。
そして……
「閉じろ!」
噛む!
何度もガンガンと閉じる。
上下のかみ合わせの影響で奥へやられる……が。
でかい!
腕が特に大きすぎる。
けれどだからこその"Eランス"。
"Eランス"は私の正面に発生し私と共に発射される。
すぐに切り離し投げつける。
"二重詠唱"で2つ!
巨大な槍が放たれ勢いよく腕に突き刺さる。
2本は間隔を開け壁に縫い付けるように刺さる。
関節とかないが逆にそのブヨブヨした動きのせいで刺さった壁から強く動かせない。
腕の動きが制限されたおかげで"アースイーター"の牙たちがガンガン噛める。
ちなみに横に並べて2つ放っていたからガンガン動くカツマゼにも対応できていた。
カツマゼは腕を完全に抑えられ本体がガンガン噛まれ必死に暴れるもののうまくはいかない。
効果時間切れまで噛みつかれ岩槍を刺されやっと解放され床に落ちた。
まだだ!
カツマゼは何事もなかったかのように腕を振るってくる。
本当にタフだなあ……!
腕の薙ぎ払いを屈んで避けたら光の圧を思いっきり食らって地面に伏せられてしまった。
そこを骨棒で叩きつけられる!
強烈な衝撃が背中から伝わり下に抜け……
……
……あっぶなかった!
咄嗟に受け身を取れたから大上段叩きつけを耐えれた。
もちろん完全に入ってしまっても耐えられるとは思うが……
私の足に支障がでたり異常のひとつであるめまいを引き起こしかねなかった。
それらを無効化して地面に衝撃を流せたのは大きい。
いてて……むしろ衝撃の抜け方がスッキリしていてビリビリくるぐらいで済んでいる。
生命力は3分の1程度減ったかな……
正直今はそれどころじゃない。
さらに振り上げ追撃……が来る前に転がり逃げる。
脳内物質が走り痛みがごまかされていく。
ニンゲンはここらへんがあえて弱くなっており多少の生命力減少でもかなり弱ってしまうとか。
それで連結力を高めるのだとか。
もちろん鍛え方でそこらへんは大きく変わるから一概には言えない。
とにかく私は再度駆ける。
もう一度は喰らわない!
自身に"ヒーリング"しつつ緊急用にとっておいた空魔法"ミニワープ"で自身を転移。
空中でカツマゼ頭上に飛び……
そのまま本体を前足と後ろ足で蹴りつける!
光を纏った"重連撃"による連続アタックで削りつつ……
あえてインファイト維持。
近くに降りイバラを伸ばして叩いては腕に回り込まれる前にすぐ跳んですれ違いざまに切り裂き蹴る。




