百四十九生目 射撃
オオサンショウウオみたいな魔物ヌメサラマン5体と出会った。
かなり大きめで全長は2mこえていそう。
高さなら私より少し高い程度だけれど。
襲ってくる!
イバラで全身近くを這わせ武技"蛇の構え"。
ヌメサラマンたちは一斉に水鉄砲を吐いてくる。
"防御"と同等の光に覆われイバラたちでしっかり受ける。
直撃は避けつつ痛みは最小限に。
でも5つ同時水圧は結構体の奥に響くな……!
「ピンピンしている!?」
「ひるむな、来るぞ!」
"蛇の構え"は攻防一体。
防いだ直後にカウンターの1発ずつ全員にはたき込む!
相手は避けようとしたがさすがにこちらの方が早く次々当たる。
「「うっ!」」
よししっかり入った。
そのまま駆けて危険区域を脱出。
素早く最速で使えそうな2つの魔法"チャージボルト"と"ショック"を放つ!
雷撃が私に蓄えられ……
そのまま相手に放電!
「ん?」
「えっ」
ヌメサラマンに電撃は直撃した!
しかしヌメサラマンは電撃をそのまま地面まで流す。
まったく効いていない!?
ちょっと原因をさぐっている場合ではないがあのヌメリボディーには電気が効かないと思うしか無い。
ならば魔法の組み合わせを変えて……
くう……場的に火や土魔法が不利だからこっちにしたのに。
「よくわからねービカビカだか、こっちの番だ!」
「よしやるぞっ」
「ちょっと離れろ!」
狭いからそんなに駆ける場所がないせいで敵の攻撃を避けるための往復横飛びになりがち。
だが彼等は自由に水の中に飛び込み……
そのまま今度は水近く壁付近へと移動。
嫌な予感がする。
「うおぉー!」
「りゃー!」
突如水に光が宿る。
さらに増水しあふれるかのように動き……
こちらを波で飲み込んでくる!
マズイ水中酸素魔法を……!
「うわあっ!」
突如凄まじい水に飲み込まれる。
反射的に息を吸い込んでて良かった。
気管支に入らないように急いで息を止め受け身を取る。
ここでむせてしまうとあっという間に溺れてしまうというのは学んだ。
今の所いい感じにできている。
ただ今ので水によって全身打ち付けられ痛い。
それにここは水中というのが最悪だ!
早く上がりたい!
「ウグッ……」
「ヘッ、そこだ!」
「グッ!?」
何かが衝突してきた。
正直あまり受け身も取れない。
なされるがまま吹き飛ばされる。
そのままあちこちの方向から接近。
何度もすれ違いざまに斬り裂かれぶつかられる。
ああ痛ったい!
さらに接近してくる気配を避けるためにとにかく地上へイバラを伸ばす。
なにか掴んだ!
急いで引き上げ。
ザパリと水中から自身の身体が引き上げられる。
全身がなんとか外に出て……
再度身構える。
敵はみんな水中か。
配管を掴んでいたイバラを離し……
今度はこちらから仕掛ける。
剣ゼロエネミー!
首に巻いてあったものが変形して剣のカタチになり……
水の中に飛び込む。
すると。
「ぎゃあ!?」
「見えない何かが、ぐわっ!」
「気をつけろ、変なにおいが! がはっ」
次々と水が血に染まる。
たまらず5体とも飛び出してきた。
ゼロエネミーにも飛び出してきてもらう。
「あ、あれがさっきの!」
「気をつけろ、本体よりあっちのがやべぇ……」
「それはどうかな?」
彼等が私よりゼロエネミーに注目しだしたところで改めて。
空魔法だ!
[スペースバレット 亜空間からそのエネルギーで射撃する]
よく攻撃は火魔法か土魔法に任せてしまうためあまり使うことがなかった魔法。
彼等の近くからいくつもの小さな空間穴が空き……
「武器め、さんざん……ん、なんだ?」
「うわっ撃ってきた!?」
穴たちからたくさんの光弾が放たれる。
連射射撃だ。
何発も彼等の身体に吸い込まれるように撃ち込む。
「「アガガガガガ!」」
"フレイムボール"が火の砲撃なら"スペースバレット"はエネルギーのマシンガン。
相手は逃れるスキもなく速射されまくる。
最後のトドメで吹き飛ばされ……
「まだまだっ」
私はさらにとびかかイバラを大きく振るう。
武技ではないが全力をこめた1撃。
体ごとイバラを振り……一気に当てる!
「「グワァァッ!」」
「よしッ」
相手たちは一気にかっ飛ばされて生命力わずか。
"峰打ち"したからね。
水の上にノビているから回収して回復して"無敵"して……だね。
それにしても今のは結構危なかった。
イテテ……治療しないと。