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その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
死世界の住人は生きているか
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死世界の住人は生きているか の章  百四十四生目 平原

 こんにちは私です。

 共和国側の国境警備隊長に関しては調べてみたらすぐに出た。

 有名なのと変わり者でたくさんの話に事欠かなない。


 それらを今ホテルの中で手記にまとめている。

 彼の愛称……または蔑称として『チョッカクヒゲ』と呼ばれている。

 彼自慢のヒゲからの名だ。


 実力をとにかく評価するタイプでそのさいに他の要因……年齢や組織の違いすらもこえて実力を見る。

 そのせいでかなり衝突もあったらしい。

 有名な殴り合いエピソードがいくつもある。


 チョッカクヒゲのチョッカクにはその頑固さとクッキリ自分のやり方すら変えるところからも来ている部分があるのだとか。

 愛煙家だったが煙の危険性の情報を仕入れたあとすっぱり断つ。

 熱心な朱竜信者なのに常に朱竜信仰のカタチや朱竜そのものの変な点を突き詰めていくタイプ。


 偶像崇拝化しないようにほとんどの朱竜品はなく代わりに朱竜自体を調べこんでいるフシがあると。

 ある意味神秘を暴き出してしまうような信仰に対する危険さもはらむがチョッカクヒゲにとってはそれこそが信仰の形だった。

 ニンゲンのエゴや年代的に増えていった内容や現在常識的な形式とされていることに関しても時代の移り変わりと共に調べ上げかなりきっぱり割り切っているとか。


 その性格ゆえ信頼はされているものの相容れない相手が多い。

 ただだからといってピヤアに組みしたりするタイプではない。

 おそらく彼にはピヤア関係の話は持ちかけられないだろう。


 もし見つかったら彼が怒り狂って軍部内を洗い出すだろうからね。

 ただそれでも薄々軍部が一枚岩ではないのを察していてあれこれ手を回しているのかな。

 そしてそれは朱竜との関連性も疑っていると。


 ピヤアの姉妹組織が別大陸で魔王復活させ……

 それが朱竜にも大きな影響を与えているとにらんでいる。

 ドラーグ関係の異常は前の1回っきりだしその可能性はありそう。


 と。

 こんな感じでまとめたけれど私が調べる限りチョッカクヒゲは限りなく白い。

 普段冒険者ギルドがやる素行調査を自力でやるの大変だった……

 裏依頼なんてそうそう受けるもんではない。


 まあ朱竜情報のかき集めは私だけではなくアノニマルース内であちこち信頼筋に頼んである。

 少しずつだけれど集まるだろう。

 私も集めないとね。


 さて本日いるのは共和国を越えて次の国に来た。

 ここは通称【大平原の国】。

 国家なんだけれどその大半は手つかずの自然だ。


 大きく壮大な自然に密集して出来ている都市部と2極化しておりまた国土も広い。

 未発見部族もいるとされており各々のライフスタイルを維持している。

 まあ今私がいるのはまったくもって都会なんだけれど。


 当たり前だが共和国の隣なため文化レベルはほぼ同等。

 しかしここから南下していくにつれ一気に大量の平原になるらしい。

 こちらの都会赤灰ガラスレンガを使いたくさんの建物が建てられているが逆に都会以外は本当に小さくまとまっているのだとか。


 赤灰ガラスレンガの町並みを歩きながら商店街をぶらつく。

 さすがに表に出す部分まで赤灰ガラスレンガを使っていないところも多い。

 のれんや店の先に出す小さい屋根は布や石材を使っているようだ。


 この大陸だと逆に木材が不足気味になるんだなあ…と改めてこういうところを見て思う。

 商いのチャンスってこういうところにあるんだろうね。

 ……うん?


「いらーしゃい、おいしいよー」

「どうだい! この古物、発掘された中でも――」

「らっしゃいらっしゃい! この大陸では手に入りにくい、海外の品が安く手に入るよー!」


 あの海外がどうのこうののお店。

 なんといえばいいのか……

 すごく同族くさい。


 もっと言えば蒼竜の気配がする。

 別に神使ではないだろうが……

 さすがに気になる。


 店頭に並んでいるものは比較的帝国で見たものが多い。

 多分本当に帝国と販路を結んでいるのか。

 結構海からは遠いし共和国の港から外れるのに……



「おやお姉さん、何か気になった?」


 声をかけてきた相手はおばちゃんといった感じを受ける。

 キツネ獣人のような姿だが"観察"するとちゃんとニンゲン。

 細い瞳がかえって笑顔に見える。


「いや、気になるというか……こんな地に遥か遠い大陸の品があるだなんて、珍しくて」

「だろう! 遠い大陸の国である帝国では、凄く世界販路を広げていてね、どこでも商売をさせてもらえるようにしているのさ。ほら、蒼竜様の加護ようにとね、別の大陸でもそこの5大竜と仲良くやれるようになるおまじないさ」


 おばちゃんが手で指したのは立て掛けてある看板のようなもの。

 そこにはイメージ上の蒼竜が彫り込まれており……

 何よりも。


 そこに強烈な蒼竜の気配。

 これがこの場を包む感覚か。

 私にしかわかっていなさそうだけれど。

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