百四十一生目 購入
生き返れた。
ドラーグのおかげだ。
ただ問題はここからだ。
ドラーグと共に外へ行く。
ホルヴィロスは私を見るととても喜んでくれたが……
外に連れて歩くには色々と危険なのとドラーグに話しがあったからこうする。
「――それで、やはりドラーグの血は特別だったんだね」
「ええ、驚きました……竜の血だなんて言われてもぜんぜんすごい効果もないはずだったのに、ママが朱竜でした」
またママ呼びにもどっている……
まあ私的にはどちらでもいいか。
ドラーグの今後身の振り方をどうするか私もどうするか話したかったんだし。
さらに外で歩きながら話していると否応なく注目をあつめる。
するとどうなるかというと。
私が生きている姿が見えるわけだ。
「あれ……ローズオーラ生きているぞ」
「誰だ死んだなんて言っているやつ」
「おやまあ無事だったんだねえ」
周りから自然にそんな声が聞こえてくる。
よしよし……効果はあるぞ。
「その朱竜のそばにドラーグは付かなくて良いの?」
「いえ……親だと知ったのも本当にあの時が初めてですし、そもそもローズ様を裏切ってママにつくというのはありえません。僕燃やされかけましたし……ただ、ママと敵対したいわけでもないんですよね。あらゆる意味で」
うんまあ私もあらゆる意味で敵対したくはないな!
あんなに恐ろしい炎は二度と喰らいたくない。
ふたりしてため息をつく。
「蒼竜は自由にすれば良いとは言っていたけれど、その結果殺されるんじゃあ割に合わなさすぎる……やっぱりもっと強くならないと」
「それは僕もですね。コロロはこのままじゃあ、ママだけではなく多くの相手から守れませんから。コロロがひとりだちする前に死んじゃったら本当に意味がありませんし」
「とりあえず、朱の大陸での活動は続けよう。まだ依頼の報告もしていないし……順に強くなるしか無い。それと……フォウにもちょっと聞きたいことができたし」
やることリストを頭の中で順に並べていく。
課題は山積みで朱竜にはとにかく会わないよう避ける方針で。
ただ暗黙の中を探るだけではなくなった気はした。
[職業の力量と神力について教えて欲しいということかな]
ドラーグと共に魔王ことフォウに会いに来た。
彼はちょうどカード遊び場でカードを並べにらめっこしている時にいたのでそのまま話を聞ける。
フォウ……もっとなんか働かないと新しいカードはとてもじゃないけれど買えないよ……
「うん。朱竜対策……とまではいかないけれど、より具体的に強くなる方法を考えたら、フォウに聞くのが一番だと思って」
「僕も僕でまた別の強くなり方を見つけたいですが……とりあえず、つきそいです」
[そうは言われても、そもそも神力というのに関してはかなり質問が曖昧なのだが]
「神力そのものをまだあまり知らないけれど、フォウが槍と融合したさいに見せたあの力……あの時に消費したという濃縮したとかなんとか話していた神力について、もっと詳しく聞きたい」
[覚えられていたか]
しまったと言った様子の顔をフォウがしている。
やはりなんとなくうっかり言ってしまったのかなとあの時は聞き流す……ではなく見流していたが。
神力の圧縮という話はまるで今まで聞いたことがなかった。
もしかしたらそれが強さに繋がるかもしれない。
「正直私は神力に対して感覚的すぎて物事を知らなすぎる。もっと理論での話も聞きたいなと思って。そもそも他の神たちに聞いても、あまりに生まれつきあるせいで感覚的な話ばかり出てくるのが原因何だけれどね……」
[けれど。あまりその手の話を言いふらすのは、現代社会にどういう影響を与えるかがわからない。職力量に関しては本当に現代でどうなっているかがまったくわからない]
「なるほど……考慮してほしいことはいくつかあると。それと効果も。でも私達はワラにでもすがりたいから……」
「お願いしますー!」
フォウはもう顔からして乗り気ではない。
言っていることもごもっともだが……
それでも引けない。
わずかでもそこに可能性があるのなら特にだ。
[個体ローズオーラや個体ドラーグたちがある程度信頼の置ける存在とはわかるが、教えてこちらに利得があると判断しきれないな]
「えー……じゃあカード1セット」
[乗った]
あまりに俗すぎる魔王だ……
まあ教えてくれるなら対価をはらうのはちゃんとやぶさかじゃないしね。
「それじゃあ……まずは職の話から」
[そっちに関してはあまり話せることはない、だがいわゆるどういうものだったかは話せる。今多くの者たちが武装を使ったり武技を行使したりとしているが、あれは元々のシステムには存在しない。元々自動強化するシステムの中でもかなり異例のものだ]
ふむ……弓とか剣とか私の武技ならムチのものだよね。
元々はなかった話がどうつながるのだろう。




