百二十六生目 蘇生
洞窟でコウモリ魔物やらヘビ魔物やらが襲ってきた。
私はニンゲンに扮しているが……
もっと私自身の種族的な力を利用しよう。
それは針自体をもっと扱うということ。
ほぼ音がなく撃ち込めて纏っておくだけで攻勢ガードになる。
スキルの変化でこれに対し思いっきり威力上乗せが可能となりもっと射撃に対しても実用化したい。
というわけで。
手の甲から針を生み出し……
「いけっ」
「ギャッ!?」
"針操作"で離し飛ばして拳振り抜きと同時に放つ!
たくさんの針が光をまとって同時に飛散し……
コウモリを1体刺しまくった!
コウモリはあっさりと倒れる。
ちゃんと"峰打ち"もつけてあるから大丈夫だが……
すごい高威力だ。
昔使った時は本当に補助の力という感覚だったけれどこうなると大きいなあ。
カウンター針としてももっと使って良いかも。
「な、なんだ、針!?」
「舐めるなー!」
全長だけなら私より遥かに大きい蛇魔物が牙を剝いてくる!
今着ている服の位置に気をつけて……と。
カウンターで身体から針を飛び出す。
「っ!?」
勢いよく飛び出した針と鎌首もたげて飛び込んできた蛇魔物がしっかり合わさり光のかちあいもこちらが勝つ。
破れた向こうはただ倒れるのみだ。
そのまま……
「げっ!? こいつもしや強……ぐえっ」
拳を振るって勢いつけて針発射。
残りのコウモリもこれにて倒れた。
びっくりするほど楽勝だった……
もっと攻撃避けられたり距離をはかる戦いを迫られたりするのが普段からこれは便利。
もっと極めていこう。
とりあえず……彼らの治療だな。
洞窟を探索し……
ちょっと良さげなものを拾いつつ洞窟を抜けていく。
地形的に登っているなと思っていたら結構高いところまで移動していた。
さらにそこから入り組んだ山道を歩み……
1つの大穴をみつける。
なるほどここに帰るのはチェックされていると書かれていた場所か。
さーてと。
ここから"鷹目"で探ってみよう。
大穴の中へ視界を忍ばせ……
さらに進んでいくと……本当に暗い。
ちょうど光の影になっているようだった。
私でもギリギリ見えるぐらいだ。
しかしその暗闇の奥へ確かにその輪郭が見えた。
竜として翼を持ち四肢を地面へ投げ出して丸まり眠っている。
"観察"。
[赤纏のスドラウグLv.50 比較:強い(特殊値あり) 異常化攻撃:ゾンビ化 危険行動:リターンブレス]
[スドラウグ 祀られていたドラゴンの遺体に怨霊や自然のエネルギーが集い蘇った姿。身と融合した装飾品も相まって生前とは関係なく光り輝く力を纏う]
ええと……この異常は……
[ゾンビ化 生死関係なく生命体をゾンビ状態にする。ゾンビ状態では肉体が腐敗した状態で止まり、回復で生命力が削れる代わりに筋力が増す。時間経過か治療薬などで回復する]
うわ……すごくなりたくない。
ただこの報告はなかったあたりまだ地上では使われてないのかな。
おそらくは奥の手。
あとリターンブレスという名前からして仲間を増やすさいに使うのだろう。
ならば使われる危険性はこちらにというより無差別に死者が蘇ってパニックみたいな方を危惧したほうが良いか。
よし……撤退だ。
夜。
情報では月が出てからでないとスドラウグは動かない。
今のうちにメンバーを召喚して整えておく。
「さて……今夜も現れるのか?」
「来るなら来る、来ないなら来ないでやりようはありますよ」
「クワァコロロ、少し眠い?」
「ううん……まだぜんぜん」
イタ吉にゴウそれにドラーグとコロロだ。
場に巨大なドラゴンが現れた時に国境が凄いざわついたのを思い出す。
まあ私が管理している魔物だとごまかしているが。
魔物使いが扱う魔物につける証を一応イタ吉共々つけていてもらっている。
ゴウは空を飛ぶスドラウグ相手ということで呼んだ。
ニンゲンでも冒険者仲間なのでこういう時に楽。
ゴウの弓矢は飛ぶものを許さないと言われるほど飛行相手に強い。
下手に飛ばれてもゴウなら大丈夫だろう。
ただひたすら待つだけの時間……なので。
[ニーダレス Lv.15→20 ポイント5
"繋がりの無敵11→12" "イバラ戦師20" "魔眼を持つ者12"
"言葉を超える教師13" "疲れ知らずの魔毒獣12→13" "獣の賢者14" "神魔行進1→3" "光神術6" "小神罰"]
なんやかんや忙しくやっている間に少しずつ成長していった。
スキルポイントも増えている……
神域スキルどれにするかな。




