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新章 朱の大地の秘密 百二十三生目 国境

 職業レベル。

 また聞いたことのないものだ……

 私が明らかに困っているとフォウは驚いた目をした。


[まさか、聞いたことすらない?]

「う、うん。それで一体、職業の力量って……?」

[おかしいな。ニンゲンたちがより強固な力を得るために昔は多くの攻め入るものたちが身につけ、こちらも対抗のために広めた技術だ。それがなぜ消えている?]


 ううむ……もしかしたら昔の文献にそういうのを明記したものがあったかもしれない。

 アインスー!


(わかってるよーん、今けんさくちゅー)


「わからないけれど……それってそんなに大事なものなの?」

[司っていた神がいる。だからなくなるということはあまり考えられない。彼らが完全に消えない限り]

「ええっと……名前とかはわかる?」

[名か。すまない、世界になんと呼称をされていたのか、そこまでは記憶がない]


 ううん……それは困ったね。

 名前が無いと探し当てられない。

 フォウもあっちこっち部屋内を行ったり来たりして落ち着かない。


「その……何が起こっているの?」

[自分がいない間に何か異常なことが起こったことだけはわかる]


 さすがになんともできないと思ったのかついには座る。

 ううーん……どう?

 良い文献あった?


(ソッチほーめんあんまりくわしくないからねえー。あ、まって! これじゃない?)


 うん……?

 どうなのかな。

 少し聞いてみるか。


「ねえ、古い文献の中に魔法使いに関するものというのがあって、当時は俗語だと思ったけれど、中身が成り方とか鍛錬や知識がやたら細くて、もしかして……?」

[魔法使いか。確かあったはずだ]


 フォウが喜び驚く。

 にしてもなんなのだろうか……

 世界から失われた能力か。


 もしかして勇者と魔王時代はあったのかなそういうの……

 そのころの文献に……あの世界から隔離された地下の文献に何か無いかな。

 もし次暇を見て行くとしたらもっと調べてみよう。


「その職業力量ってないとかなりマズイのかな」

[いや、ないという事実が1番困るだけで、ないならないで世界は回るのだろう。不思議なことだが]


 フォウも結構な困惑具合だ。

 職業力量(レベル)……

 ちょっと覚えておこう。










 こんにちは私です。

 今日も今日とて朱の大地で冒険をしている。

 それにしても困ったのがピヤアたちだ。


 捕まった後もなかなか情報をだすことはないらしい。

 ただ少し気になる点は出てきたのだとか。

 彼らの来たという方角だ。


 殆どが南側に集中している。

 確かに大陸自体がまだまだ南に伸びているとはいえこれはかなり変わっているのだとか。

 確かに気になる……ということで私も南下。


 共和国の境目まで今来ていた。

 ここにある都市のひとつで活動中だ。

 私は冒険者ランクが高い。


 冒険者ランクが高いといわゆる私の適正依頼が少なくなってくる。

 もちろん人数無制限や空き手の依頼は良いのだが……

 そうでない場合優先的に適正ランクの者に依頼を自主的に渡さないといけない。


 そうでなければいわゆる現場荒らしになっちゃうからね。

 ……で。

 私みたいな後半ランクの適正依頼がたくさんあるかと言えばぜんぜんないわけで。


 こういう都市でも結構手ぶらになってしまう。

 すごい依頼は集まるんだけれどね……

 ただたまには本当に優先的に回ってくる依頼があって。


「国境付近で暴れまわっている、赤纏(せきてん)のスドラウグを討伐または撃退せよ、かあ……」


 スドラウグとはドラゴン系統の魔物である。

 本来は白や青っぽいのに赤く発光しているらしい。

 2つ名つきということで注目の的でもあるがそれ以上に凶暴らしい。


 そんなやつがどちらの担当かわからない国境付近で暴れていて兵士たちも無駄に疲弊。

 素早い討伐が依頼された。

 撃退ではなく討伐が許諾されるあたりこの世界ではかなり危険視されているようだ。


 私は灰が軽く降る中現地へと歩んでいく。

 もう見えるぐらい近いからホリハリー風ニンゲンに偽装した姿だ。

 ここの現地で買える灰よけのフード外耳保護つきは優秀。


 国境付近ということでさすがに物々しい雰囲気。

 ここは巨大な川を挟んで国境となっていてバリケードに警備兵たちがいる。

 この巨大な川は灰で常に濁り中を泳ぐのはなかなか困難だとか。


 兵士たちがピリピリしているのは隣国への警戒……は大きくなくて。

 魔物の襲撃がメインだ。

 そこに赤纏(せきてん)のスドラウグがやって非常に危険なのだとか。


 関所付近の事前にお知らせされた建物は……

 あ。これか。

 1つの赤ガラスレンガで大きな建物を見つけた。


 もはやすっかりこの赤ガラスレンガも慣れたなあ……

 ちなみにこの国境付近もたまに朱竜によって焼き払われるらしい。

 確かにニンゲンどうしどうこうやっている場合ではないのかもね。

活動報告にて、フォウ=フォウに関する絵をもらいました!

https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/473009/blogkey/2532202/

ぜひご覧になってくださいね!

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