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百十六生目 講座

 おはようございます私です。

 今日は記念すべきとある日!

 それは……


「それでは、ここにアノニマルースと外界をつなぐ主要道路、開通です!」


 大きな歓声や拍手があがる。

 ついにこのアクセスがとんでもなく悪い立地に……

 外界からの道を作り出せたのだ。












 迷宮内の空間はエネルギーの偏重(へんちょう)で空間がねじれることもできる。

 これでいままで不可能だった荒野の迷宮内に多数存在する崖の移動が楽になった。

 やろうという認識がなければ一生出来なかっただろうけど気づけば楽だ。


 やはり冒険はするものだ。

 まさか壁の上を地面と同じように歩けるとは。

 迷宮管理者特権であれこれできてよかった。


 迷宮の外もひどい崖となっているが……

 あちらは現在順調に帝国にもある大きな滑車を設置中。

 最終的にはエレベーターのようにもなるしもちろん歩道もつくる。


 崖上から山への道はニンゲン側の協力もあり長い道路が完成しつつある。

 単なる野山だったからすごい大規模工事だ。


 今まではワープゾーンが作ってあったがいろいろ不評。

 まず普段みんなが私から借りて使う魔法ではそこまで運搬サイズを確保できないため転送が小分けまたは不可能。

 さらにそもそも山の上にある崖の下という道程で何度もワープしなくてはならず深刻なワープ酔いになる者たちが頻発したこと。


 そして何より魔物たちの都合でしか動けないということ。

 こちらで専属を用意するのも大変であんまりやりたくなかった。

 道ができれば何もかも楽になる。


 もちろん軍事品の運搬も楽になりかねないのは危険だが今の所仲が良いからね。

 問題があるとすればやはり迷宮出入り口か。

 ここは今私があれこれ手をつくしているもののやはり大きくは変えられずある程度のサイズしかない階段。


 ただ階段の上に坂を作ったり徐々に穴を広げるように私が管理したりはしているのでこちらはこちらでなんとかなるかな。


 今日はそんな主要道路開通記念でセレモニーが行われていた。

 主に出資やら管轄していたニンゲンと魔物達が交互に並んでみんなに笑顔を振りまいている。

 この道ができることでこれまでより多数のニンゲンや魔物が往来することだろう。


 それがアノニマルースの幸と発展に繋がるように祈りながら……

 この式典が和やかなムードのまま終わった。

 私ももっとアノニマルースの未来を見たくなってきたなあ……


 そのためにも生き続けたい。

 贅沢かもしれないけれど……

 生きているものが生きることを望むほど自然に感じることもないのかもしれない。


 ただそれを新鮮に感じるほどに……

 私の転生したものという重荷は私の心を縛っていたのかな。

 どこか賑やかな場でそんな思いを馳せていた。








 こんばんは私です。

 今日は週に1つは行われるキャンペーン。

 これは私が主導で行ったもの。


「はーい、ではみなさん。今日は魔法の自動使用に関することと把握それを使った立ち回りについて学んでいきたいと思います」

「「はーい」」


 私が教壇に立ち青空ならぬ夜空教室だ。

 ここにいるのは軍事メンバーの中でも立場が上位だったり……

 いつもの面々だったりする。


 いるのは……ジャグナーにイタ吉。

 それと弟ハックやたぬ吉もいる。

 さて……何から始めるか。


「うし、ローズ。なんでこの講習会を開いたかの説明……講習概要あたりからはじめてくれ」

「わかった、ありがとうジャグナー。それじゃあまず、私がこれを開いた理由は、私が扱う魔法とみんなの扱う魔法で技術的に大きな差異があると感じたからです」


 ジャグナーが助け舟を出してくれた。

 ありがたく乗らせてもらおう。


「ああ、もしかして戦争の時か?」

「イタ吉そう、それ! みんなが私や私の部下に教えた技術部分の共有が、思ったよりも甘くって戦地で混乱しちゃったから、ちゃんと伝えておこうと思って」


 ちなみに夜空教室形式でイベントなのは多くの面々に参加してもらいたかったからだ。

 思惑通りゴツいメンツの中に名前も知らないような魔物も混じっている。

 ちょっと気後れしてそうだけれど楽しい形式に最終的に持っていきたいから安心してほしい。


 戦場での魔法運用をしようとしたらみんなが出来なかったという事件。

 あれは現場でカバーをしたものの……

 正直事故だった。


 もっとちゃんと私だけじゃなくて周りに伝えていかないとと改めて思っていた。


「あ、あの……戦争にいくタイプじゃないんですが……」

「ああ、大丈夫! これは日常により使えるものでそのレベルにもやっていくからね!」


 むしろ日常に使えなくては意味がないのだ。

 そのレベルで意識下で行える行動じゃないとというものなのだから。

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