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九十九生目 骨魚

 敵幹部を捕獲した。

 相手があっけに取られている一瞬の出来事で済んだ。


「少し眠っていてね!」

「がっ!?」


 "正気落とし"!

 キレイに相手の頭に吸い込まれていったイバラの先が気持ちよい音をたてる。

 そして……


 彼はその巨体を活かすことなく眠りについた。

 とりあえず"無敵"かけておこう。


[ああああ]

[あれ、終わったのかな]

[え、一体何があったんだ]

「ああうん、散弾はもう防いだし幹部は取り押さえたよ」

[良かった]


 今更震え上がったり慌てて暴れていたフォウをたしなめる。

 これがレベルの差であるとも言える……

 この世界は残酷なほどに差があるよね。


 それはともかくとして。

 フォウを良く守ってくれたよゼロエネミー。

 ありがとう。


 またリングになって腕輪で待機していて。

 という指示通りゼロエネミーはフォウを守る形から……

 私の腕輪になり戻った。


 最終的に(くう)魔法"ゲートポータル"をつかい向こうとこちらを魔法で介してつなぎ直接的に乗り込むてはず。

 準備が整ったら向こうがやってくれるからそこは大丈夫。

 こちらは現場の確保に努めよう。


 銃たちもすでに沈黙している。

 昔もこういったところでたくさん撃たれて大変だったなあ……

 今も撃たれるとは……少しは成長したのかな。


『こっちは終わったよ、そっちはどう?』

『大丈夫だ! いい感じに情報も集められている。あとは本体待ちか』

『そうなるね。わかった、こちらも拠点確保し続けるね』


 向こうは向こうで大変そうだが大丈夫だろう。









 ニンゲンやら魔物達やらが来てピヤアの隠れ家を制圧していった。

 詳しいことは後で話を聞くとして……

 私達は冒険の続きだ。


 ピヤアがいることでよりここの重要度が高まった。

 宝石剣が回収できたらかなりいいのだが。


「またこの箱での移動か……」

「まあ良いじゃないですか、楽ではありますし!」

「主のすることにケチをつけるなケチを」

「ケチじゃねーしつけてもいいだろ! 単に、やれることが極端になくなるのが嫌なだけだ」


 もう一度海中移動用の"シールド"箱を作り全員で進む。

 もちろん酸素供給魔法も忘れずに。

 それにしても……


 パッと見た感じここに拠点をつくってそんなに時間はたってないが……

 様々な調査が行われてもなかなか見つけ出せなかったというのはわかった。

 まあ建物も含めここはかなり広いからわからなくもない。


 特に今フォウが集中して道を指し示しているからわかるようなものだ。

 海の中は意外に複雑で見通しが悪く様々なスキルで把握しながら進んでいる。

 資料からもピヤアたちはかなり苦労をしていたのがちらりと見えた。


 そもそも海底探索だもんねえ……

 私達の能力が噛み合っているからこそこんなに高速で進めるわけだ。

 ……さて。


「ローズ、気の所為ではないよな」

「うん」

「背後に来ていますね……主、迎撃しましょう」

「……準備だけはしておいて」


 こんな海中で戦闘なんてしたくないー!

 けれど背後に敵意が感じられる。

 明らかにこちらをついてまわっている存在がいた。


 そちらの方に光神術"ライト"!

 そこにいたのは……

 横から潰したように平らな魚でかつ体の上下からまるでツノのように骨が飛びている。


 目が退化している影響なのか顔が骸骨のようで不気味だ。

 "観察"!


[ボンッシュLv.36 比較:弱い]

[ボンッシュ 深海で不気味に乾いた音がしたらそこにいる。縄張り意識と警戒心が強く肉食なため、近づく者たちに容赦をしない]


 うんだめだなこれ!

 見逃してくれそうな要素が1つもない。

 当然ボンッシュはずんずん泳いできて……


 骨に(エフェクト)をまとった。

 来る!


「衝撃に備えて! そのあと攻撃を!」

「[うん]」


 まさに深海を庭とする魔物による高速で回りながらの攻撃。

 結構早いしこっちは念力でのスクリュー移動はどうしても時間がかかる。

 接敵……!


 全員が拡散して避けるが真っ先に狙われたのは背後方向にいたジャグナー。

 うならせ骨をブレードみたいに斬撃!

 ジャグナーの箱が少し入り大きく響く。


「ぐぅっ!」

「わあっ」「揺れが……!」[おおおお]

「もう少し……! 耐えて……!」


 ジャグナーの箱の損傷は……まだ大丈夫!

 無傷ではないが漏水するほどじゃない。

 みんなも急速な移動で私含め凄まじい振動が伝わってくる。


 その間も相手は私達の方へまた別の相手へ切りつけようとしてくる。

 体勢を立て直したら覚悟しといてよ……!



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