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九十八生目 突撃

 魔王。

 今はフォウと名乗っているが。

 彼は再び魔王になる気はないらしい。


 そして誰かを味方するのではなく自分の味方をすると。

 そして誰を味方するかは決められないとしていた。

 決めることがてきないともいうか。


 それをひとふりの刃に例えていた。

 結局は持ち手……か。


「力も、状態も、フォウ自身の手元にはないから……しっかりフォウが持っていかれないようにしてほしいと、それがフォウはアノニマルースの……そしてこの世界の仲間にいてくれることだということか」

[そう。結局は古びた隠居存在。ピヤアの味方はしたくないが、正直捕まれば無理やりさせられてしまうだろう。今自分の意思もあってここで宝石剣を探しピヤア退治をしているが、これも無限にあるようでいて、わずかしか無い選択肢を辿ったまでのこと]

「……フォウの意志としては、どうなの?」

[自分の意志か。出来うる限り、世界にも自分にも得を得たい。それなりに欲はあるから。それは誰かの敵味方とは別の話だ]

「それは……なんだか聞けて、ちょっと安心したかな」


 そこが大丈夫ならばまだ話は通じる。

 フォウはにこりと微笑み……

 私と共に駆ける。


 結局敵味方の話がややこしくなったというだけで……

 フォウの中でフォウとしての思考があるのならそれで十分だ。

 恐ろしかったのはフォウがあまりにも魔王として深淵を持ちすぎている場合と……


 フォウがなんら奥底のない存在として有るだけの動く道具でしかないとされた場合だったから。


 とりあえずこのゴーレムに対してペンダントを掲げ……

 新たな区画への出入り口を通してもらう。

 無事センサーが消えて突入できた。


 この隠れ家はそこまで広くはないようだ。

 隠れ進んでもそろそろ目的地のハズ。


『ジャグナー、こっちはそろそろピヤアを追い詰めれそう』

『そうか、こっちは居住区画を見つけた! 奴らに痛手を与えるチャンスだ、そっちは任せた』

『わかった』


 ジャグナーに"以心伝心"の念話で会話をして……

 次の区画経扉を開ける。

 もちろん安全チェックは同時に行いつつ。


 ここが最終区画かな……

 他とはあきらかに雰囲気が違い豪勢に飾り付けもされている。

 岩場の中に作られていることを忘れさせるように壁も床も天井もしっかり加工済み。


 そしてなにより廊下が狭い。

 ここと2つ横に部屋があり奥には重々しい扉。

 だいたい察せられるが2つの部屋を"見透す眼"で透視。


 うん。やはり仕事関係の部屋らしく今は誰もいない。

 そして最後のところ前にまた感知ゴーレム。

 ペンダントを掲げて……


「……あれ? 反応しない?」

[よく見ると、他のところとゴーレムが違う]

「……つまりこのペンダントは鍵に成り得ないのか……」


 だが奥のひとりにしては大きめの部屋にいるニンゲン……

 それが作業しているところに乗り込んで行きたい。

 だとしたらもうここはやることひとつ。


「掴まって」


 剣ゼロエネミーもいつでも展開可能なようにしておいて……

 フォウが掴まったのをチェックしてから。

 (くう)魔法"ミニワープ"!


 魔法障壁があるものの問題ない。

 技量的にすり抜けできる。

 向こう側に自分たちを出現させてと。


「な、何!? 誰だ!? まさか本当に侵入者が!?」


 大柄でまさに熊のように巨体を持つニンゲン。

 濃いヒゲをたくわえいかにもいかつい。

 そして驚きつつもスムーズに仕掛けを押したらしく隠されていた銃や武器が一斉に出てこちらを狙ってきた。


 鳴子系のものが連動していないのは正面扉のセキュリティ信頼が厚かったのか。


「ピヤアの幹部だね! 抵抗をやめて、おとなしく捕縛されて!」

「何が! むしろキサマが蜂の巣になる準備をするんだな!」

[引く気はないみたいだね]

「なんだ、文字が……いや、とにかくこれで、死ね!」


 あっさり交渉決裂。

 相手は射撃の仕掛けを……押した!

 私は跳ぶ!


 砲台から次々と弾丸が飛び交う。

 速度や効率を考えた近距離用のショットガンの散弾が数発同時に入口の方へ向けて放たれる仕組み。

 そして相手は長さを切り詰めつつもとても肉厚な両刃でかつなだらかなカーブを描いたきらびやかな刃を持つ。


 だけれども弾丸の跳ぶ速度ってこんなに遅く感じれるのか。

 すでに私はその場におらず魔王周辺はゼロエネミーが大盾を展開しあらゆる包囲からフォウを囲んで守る。

 そして……


 私はあっという間に彼の背後を取れた。

 歯を食いしばったその横顔を見つつ……

 素早くイバラを伸ばす!


「それっ!」

「ハッハーっ! ……あああ!?」


 こちらが撃ちまくられていたと思っていたのだろうか。

 そこに私はいなくて振り向こうとすれば幹部は倒される。

 そして後ろ手にそのまま縛ってと。


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