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九十六生目 感知

 ピヤアの隠れ家と思わしき場所にワープしてやって侵入出来た。

 全員この部屋で戦闘準備。

 何せここからはピヤアの隠れ家。


 どんなトラップや敵が潜んているかわからないからね。

 この内部に水はなし。

 空気も潤沢にあることからなんらかの方法でこの海中に酸素を運んでいる……


 一応考えられることはある。

 私たちも使っている水中呼吸するための空気発生魔法の装置版と循環のための設備。

 植物との連携もあるならなおよい。


 少なくとも新鮮な空気が漂っていた。


「うし! さっきまでのストレスを奴らにぶつけるか!」

「囲まれないように慎重にね」

[爆発はあまり使わないようにする]


 魔王(フォウ)の言ったことは大事だな……

 ココはあくまでただの岩場を掘っているからどこまで平気かがわからないし……

 酸素もどこまで燃やして平気か。


 あまり刺激を与えないように立ち回ろう。

 とりあえず全員で外に出る。

 私がとにかく高速で情報を集めつつ……


 すばやく敵の重要そうなところを探ろう。










 中の環境はむき出しの岩壁にニンゲンが歩きやすいよう打ちすえた床板。

 たくさん部屋があるものの幸い"見透す眼"や"千里眼"が通用するタイプ。

 開けずに必要か不必要か見極め移動する。


 中のあちこちにピヤアの組員らしい者たちが歩いている。

 明らかに雰囲気が一般人ではなく武器もだいたい携帯しているし……

 道のりにはたまに罠もある。


 罠に関しては彼らが歩む前にペンダントのようなものをかざすと一時的に無効になる。

 鍵みたいなものかな……

 うまく奪えば罠にかからずに済みそうだ。


 罠はほぼ鳴子系統の罠で設置してあるところは通す気がまったくないように配置されていて避けていけるものじゃない。

 (くう)魔法"ミニワープ"ならいけるものの今度は音と光それに魔力の反応を出すから本当はあまりよろしくない。

 戦闘になればそうも言っていられないが……


「――つまり、あの廊下を覆っている黄色い光に当たると見つかるって認識で良いか?」

「うん。あの光の元は小型のゴーレムで、光の範囲を見続けて何か当たったら騒ぎ出すんだ」

「瞬間的な物でも危険ということですか」

「そうなるね」


 ジャグナーやアヅキたちに仕組みを説明する。

 割と単純なゴーレムの作りだけどやられると厄介なんだよね。

 監視カメラと違って監視センターはゴーレムのレベルに左右されない。


 線を塞げば反応。

 攻撃すれば反応。

 ペンダントを掲げれば一時的に無効化。


 無効化してから通り抜けるのは時間間隔設定がうまくて無理。

 幸い設置は多くないものの区画の区切りには必ずいる様子。

 つまりこの外部接続区画から抜けるには誰かから拝借しないと。


 この区画明らかに武装準備が多いから本来は外敵に備えているんだろうな……







「なあ、ザゴーのやつ聞いたか?」

「ああ、またなんだろ?」

「ひとふりの剣のためにこんな辺境まで来なきゃいけないってのに、またトチって他所に飛ばされんだろ?」


 ふたり組がゆったりと歩いている。

 雑談しつつ見回りかな。

 ちょうどいい。


「探索用の機械をぶっ壊しちまえばそりゃそうなるさ。あと少しなのによ」

「あーあ、そりゃダメだ。ところでよ、ここ終わったらどうするんだ? 解体するのか?」

「どうだかなあ。しばらくは便利に使うんじゃないか?」

「じゃあしばらくは大丈夫だうわっ!?」

「なっ!?」


 扉から突如飛び出る腕。

 その豪腕は有無を言わさずにふたりを引きずり込み……

 少しして。


「ふう。これでよし。フォウたち、もういいぞ」

「はー……! 息をひそめるのは大変ですね……」

[息をしなくとも、意外に大変だった]


 物陰に隠れていたバローくんと魔王(フォウ)が出てきて大きくひと息ついた。

 魔王(フォウ)はポーズだけだけれど。

 私はもしもに備えさらに次の廊下角にいた。


 取り押さえたのはジャグナー。

 熊の大柄でニンゲンが不意をつかれたらあっという間に抑え込まれちゃうよね。

 中にもうひとりアヅキもいて起き上がろうとするやつをボコボコにする役割だったが今回は平気だったらしい。


 ジャグナーの手にはペンダント。

 休憩っぽい兵がいなくなったのはじきにバレるだろう。

 まあ捕縛して猿ぐつわはめてそこに置いているだけだからね。


 ジャグナーがとっとこ歩きペンダントを光の近くで掲げると……

 黄色い光線がオフになった。

 一気に駆け抜け別のエリアへと進む。


 この先のエリアは……少し先程より雰囲気が違う。

 なんというか清楚だ。

 おそらくは内職仕事する者たちの場所か。

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