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八十九生目 水場

 反転した場所と反転をしていない場所。

 それを決めるのは全てつながる廊下がねじれているかどうかによる。

 同じ部屋でも廊下がねじれていなければ正しい方向に接続している。


 そして正しい方向ならば階段も下れるし外の建物へつながる扉が見つかる。

 また階段は捻れていない。

 つまりは何らかの方法で階段か別建物への扉を開ける必要がある。


 住んでいる魔物たちと戦ったり……

 勧誘したりをしつつ。

 ねじれた廊下を渡って脳内に正確な地図を作っていく。


「主、階段が!」

「アヅキでかした、いこう」


 正位置の時は階段を積極的に降っていく。

 ただ降った先が全ての部屋に通じているわけでもない。

 元の階層もまだ行けない部屋があるはず。


 "見透す眼"に"絶対感知"をあわせとにかくフロアの把握に努める。

 ただ……建物に含まれる魔力の多さかそれこそ生きているからか。

 すごく見えづらい。


 簡単に阻害されてしまうからそこまで遠くはわからない。

 それでもつながりが見えるだけでだいぶやりやすいぞ。

 そうして地図を作りつつ降ったりのぼったりそしてさらに下の階層へいったり。


 とりあえず安易なものを書き出してジャグナーたちに見せた。


「今の所、わかっているのはこんな感じかな」

[わかりやすいのにわかりにくい]

「こうしてみると複雑だな……あんまり考えずに来たが」

「建物迷宮だからね、飛んだりして自由に移動ができないぶんかなり制約がかかるね……建物自体も水中だし」


 正直下に行こうと思ったらかなり攻略難易度の高い迷宮だとは思う。

 逆に行けるところまで巡るだけなら風も雨もなくかなりやりやすい。

 空気も巡っている。


 とりあえず……道を書き出してみる。


「あー、確かにこの通りに進むなら……」

「どうかな。もっといい道で下に行きつつ隣部屋に行けたらと思うんだけれど」

「この建物はとにかく魔物たちがあまり強くないので、探索には向いていますね」

[もう連携戦はされたくない]

「多分、この道で問題ないと思います」


 全員で最終チェック。

 赤の遺跡はかなり縦軸に動けそうだったものの正直あんまりいたくない。

 個人で駆け抜けるならともかく集団同士のぶつかりあいだとちっともすすめる気がしない。


 とっとと移動をしていく。

 まずは普通の廊下を通りついた部屋で階段を降りる。

 その後ねじれ廊下……部屋……通常廊下……部屋……ねじれ廊下と通り部屋内の階段を上がった。


 さらにねじれ廊下を渡りそのまま通常廊下2回に間1部屋。

 回り込むようにねじれ廊下を渡り上下を元に戻して階段を降る。

 さらに通常廊下を渡り部屋を抜けねじれ廊下。

 部屋に入ったらまた別のねじれ廊下を通ってたどり着いた部屋……の階段は触らず通常廊下。

 次の部屋で降る。


 そうしてたどり着いた部屋に別棟への扉。

 たくさんの魔物たちと出会ったがなんとかここまでこれた……

 かけた時間はそこまでなくて済んだので良かった。


 扉を開き次の建物へ。

 高さが変わったせいか先ほどと景色の雰囲気が違う。

 なにより水が暗いのだ。


 こんなところで泡の回廊が破れたらほんとシャレにならない。

 まだ下へと行かなくてはならないのか。


「フォウ、どう? 宝石剣の、方は」

[もっと下だろうね]


 ううーん……

 もしかしてなくても海の底だったりする?

 そうしたら最悪なのだが。


 ポヨンポヨンと跳ねて泡の回廊を渡り終え。

 次の場所は全体的に青い……というか。

 なんだか湿度がやけに高いような。


 そうして。

 私たちは横の異音を振り返る。

 少し離れた場所でそれはいた。


 尾の先がドリル状になっている魔物。

 それが壁をゴリゴリとほっていた。

 あげく水まで吹き出しながら。


 猫のような手足頭に背中に魚のようなヒレ。

 そうだ。

 青の建物は……


 心拍数が激しく上がりあっけにとられ対応が遅れる。

 その間にも凶行が進み……


「穴を開けるのをやめろー!!」

「ギャッ!? 逃げよ!」


 叫んだところで時すでに遅し。

 貫通した穴を使ってドリルなネコはすでに逃走した。

 当然そこには外へ向かっての穴が有るわけで。


「……なあ、一応青いエリアは何なのか聞いていいか?」

「……青の水場、常に浸水の覚悟と水流に注意」

「「逃げましょう!!」」


 ジャグナーが片眉ひきつらせ……

 そしてアヅキとバローくんが同時に叫ぶ。

 その途端に穴の空いた壁が内側に曲がってどんどん浸水していく!


 浸水と排水を繰り返す青のエリア。

 こういう魔物要因もあるのか!

 私達は当然逃亡をはかる。


 とにかく必死に走りまわりを置いていかないようにしつつ廊下への扉まで走る。

 当然というかなんというかそこらへんにいる魔物たちは気にしていない。

 水に沈んでも生きていけるタイプの魔物だらけなのだろう。

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