表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1181/2401

八十五生目 包囲

 イバラを連続で振るいピンクの毛のない皮ふを持つ悪っぽい見た目の妖精たち。

 身長自体は子どもよりもあるけれどね。

 だから命中不安はほとんどない。


「そーれッ!」

「「ガガアッ!?」」

「つ、強いぞ!?」


 強烈な連撃を叩き込みつつ武技を用意。

 武技"猫舌撃ち"!

 細く別れたイバラが一気に敵の皮膚を裂いていく。


 防護能力を落としたところにまたイバラ連撃。

 この流れで彼らに余計なことをさせずに圧倒する。

 ただ……


「グッ……だが、まだ!」「ガギガッ!」


 さすがに反撃を狙われる。

 自身の指の隙間から(エフェクト)で出来た爪のようなものを伸ばし……

 イバラをさばきつつ接近してくる!


 意外に技巧がある。

 けれど!


「ゼロエネミー!」


 (くう)魔法"ストレージ"を唱え終え発動。

 亜空間から剣ゼロエネミーを呼び出し……

 そのまま突撃。


 広範囲薙ぎ払うイバラなら切り払えても剣は純粋に大きい。

 厚みと大きさがまっすぐくれば……

 思いっきり刺さった!


「ガゴっ!?」


 "峰打ち"だから貫通はしないが代わりに身体をくの字に曲げて吹き飛ぶ。

 うん。あれはノックダウンだな。

 とにかく目の前の敵をまとめて倒していく!


[もうできる。まずはオーソドックスに火薬と火薬をマテリアルクリエイティブ。2つの物を合わせ新たな物を作り出す、これで巨大爆弾の完成]

「うわ、物騒なものを!?」

[誰か持って投げてくれないかな。"投擲"や"火薬取り扱い"スキルを持つタイプ]


 魔王(フォウ)が両腕に小さな火薬袋を持ち……

 両手の間に(エフェクト)を発生させる。

 輝く(エフェクト)に火薬袋たちが引き寄せられると。


 なぜか両手で持たなくてはいけない大きな爆弾へと化けた!

 これが魔王(フォウ)の力である"創造"の一端だ。

 既存の道具を使って全く別のものを生み出す。


 化ける中身はあんまりしらないらしいが化ける先に関してはある程度予測がつくらしい。

 今みたいに同じ火薬袋同士ならば爆弾ができる。

 そしてこの力は儚く僅かな時しか持たない……


「私が! そうれ!」


 最近遠隔系全般も強化できるようになったから……

 魔王(フォウ)がちゃっかり導火線へ引火。

 イバラで持って(エフェクト)をまとわせぶん投げる!

 遠くの方で何か詠唱していた悪妖精たちの方まで飛んでゆき……


「ゲ?」「ガッ」


 着弾の衝撃と共に大爆発した!


「「ゲガァー!?」」


 光に飲まれていった姿を見送りつつ次の相手へ。

 光が消えた後ちゃんと黒焦げになりつつノビている姿が見えたので大丈夫です。


 イバラで攻撃するさい勢いをちゃんとつけるために変に踏ん張らず棒立ちにならないよう気をつける。

 常に踏み込むように舞うようにガンガン攻めていく。

 ゼロエネミーはジャグナーたちの方へ向かわせた。


 リビングアーマーたちとやりあっているがあちらはなんとかなりそう。

 バローくんは瞑想するかのように集中して淡い(エフェクト)を纏っている。

 あれで行動力を自ら回復するという魔法系を扱う者にとって重要なリソース管理行為だ。


 魔王も次の道具混ぜを考えているようだ。

 このまま押し切ろう!


「ローズ、新手だ!」

「すぐ行く!」


 ……おしきれるかな?

 目の前の相手を最後イバラではたいて……

 すぐに跳んで壁を伝い階段上からくる相手へと殴り込む!









「「はあ、はあ……」」

「終わった……ふう」


 赤の建物は聞いていた以上だった。

 途中から道を切りひらいて別棟に移る判断しなくちゃキリがなかった……

 とりあえず廊下まで逃げてしまえば追ってこないらしい。


「あ、相手、どこからでも無限に来るかのようでしたね……」

「多分、元々やりとりが決まってんだ……戦いを楽しんでいる。誰が倒せるかって、順に挑んでどんどん疲弊させるんだ」

「まとめてくればまとめて調理してやったものを……!」

[だからゆっくり来たんだろうね]


 バローくんにジャグナーもそしてアヅキや魔王(フォウ)も肩で息していた。

 そりゃ疲労もするよ……

 完全にハズレ建物。


 もはや何体倒したかわからない。

 途中からいっそのことこっちから仕掛けてボコボコにしようかなとよぎったくらい。

 けれどそれは本題ではない。


「念の為聞いておくけれど、宝石剣の気配は……」

[さっきの建物からはないかな]

「だよね……よかった」


 あんなところには戻りたくない。

 ついでに今いる廊下……つまり泡の回路にもいたくない。

 全方面海に囲まれているもの。


 ここからもっともっと下まで建物や海は続いているが……

 果たしてどこまでいけるのか。

 そもそもあちらに宝石剣はあるのか……


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ