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六十生目 退路

 ムーの群れと戦闘中。

 

 私を倒そうとする側。

 ビースターチ側を倒そうする側。

 とりあえず距離を開けたい面々。


 思惑も統率も乱れている。


「くっ、先に中央のやつを圧殺――」

「――指示系統いた!」

「グアッ!?」


 ツノに当たらないよう背後から切り裂く。

 さらに斬撃を飛ばして追加で1体……

 ん!?


 一気に周囲から炎を吹き出しながら熱を芯に帯びたツノたちが私に向かって突撃してくる!

 完全に囲まれているしジャンプするには今の武技後スキがまだ……

 大量にツノ槍が私の身体に刺さってゆき。


 周囲にたくさんのムーがさらに集っていく。


「くそっ、このままつぶせ!」

「どれだけの強者も、全員でかかれば!」

「我らの肉ごと貴様を断つ……!」


 いたた……

 まあ刺さったと言っても私の身体ががんじがらめになって多少先が毛皮に埋もれた程度なんだけれど。

 ただ痛いものは痛いしこういうのは内出血する。


 喰らい続ければ生命力もそのうち尽きるだろう。

 ただまあ……自身に毒を回していることによる自然回復のほうが大きいかもしれない……

 だからといって油断しここで大技貰ったら痛いじゃ済まないんだけどね!


 熱は……"四無効"で火魔力を自身で消せる力により火傷とかはしない。

 そして多少血が出ようともむしろそこを狙っていくのはドライスタイルなわけで。


(いい感じ、じゃあ武技"回転斬り"!)


 グルンと刃を私の周囲に回す。

 刃は閃光の軌跡のみを残し……

 周囲のムーたちは面白いほど簡単に飛んだ!


「「グワァッ!?」」


 こう思えるのは今私がハイだからだろう。

 さらに控えていたムーの突撃ツノを腕で受けつつそのまままわして。

 頭を掴んで勢いを利用し投げる!


 反対側のムーに当て別方向からのムーの突撃(エフェクト)を見てから剣ゼロエネミーの刃を沿わせて受け。

 そのまま滑るように身体を捻ってついでに剣も体ごと持ってゆき首に切り下ろす!

 斬撃は首を落としはしなかったものの"峰打ち"の力があるからノックダウン。


 さらにくる武技"すくい上げ"でムーの足元から斬り上げさらに体ごと跳んで天地反転。

 つまりバク宙しつつ。

 後ろからムーの勇ましい前脚炎の蹄に剣ゼロエネミーで切り下ろしかかる!


 (エフェクト)がかちあって爆発し向こうが怯んだ。

 そのまま体重をかけて斬り下ろす。


「ええ……なんなんだアレ……あれがランクTなのか?」

「ムーの群れがサクサク吹き飛ばされていってる……?」

「これ、オレたちいる?」

「ビースターチ、バカなこと言ってないで、アタシたちもやろうよ!」


 向こうでは闇の壁にヒビが入りだしている。

 ただフラウが出入りして応戦し竜の腕で少しずつ相手にしているようだ。

 本来こんな感じでしのぎつつ逃げ道を確保するんだろうなあ。


「そらっ!」


 実際予想は当たっていたようでビースターチの魔法が発動すると地面から直線状に影が走る。

 そして影から暗い黒の(エフェクト)と共に切り裂くツメを備えた腕にも見えるものが大量に生えてくる。

 そうして直線上にいるムーたちを手当り次第切り裂き出した!


「なんだこいつ!」

「さわるな! 身体が切れる……!」

「離れるんだ!」


 ザクザク斬れ割と激しい出血も見られ……

 当然嫌がって怯まなければすぐにそこから離れる。

 そうして少したったら影も消え……


 残るのは1本の道。


「行くよビー!」

「ま、間に合えー!」


 そこをフラウが竜のツメを構えて駆けていく。

 闇の壁がついにムーの突進で大きくひび割れ……

 今崩れた!


 ほぼ同時にビースターチも飛び出しフラウの後を追う。

 フラウが向きを変えてくるムーたちを牽制しつつ殴り止め。

 ビースターチも何かすぐに唱えながら相手に魔力を放っている。


 放った魔力は目に見えず着弾して初めて効果を発揮する。

 魔力が対象の行動力を奪ってビースターチへ戻っていったのだ。

 (エフェクト)があちこちからビースターチに集い同時に吸われた側は脱力する。


 まああれはかなり疲れるだろうなあ……

 一時的とは言え大事な行動力がそこそこ減るわけだし。

 こうして彼らは無事に安全なところまで移動を終え……


 ビースターチは狭い足場を駆け上がり。

 フラウは細く底が深い不安定な足場に移動していく。

 それぞれ得意な位置なのだろう。


「普段ならこのまま逃げ切るけれど……今は!」

「どうします、一旦なんとか逃げますー!?」

「ううん、ローズがめちゃくちゃ強いから、このまま倒しちゃおう!」


 聞いてみたけれど倒すらしい。

 確かに今の間にもドライがスパスパと切り裂きまくっていたけれど。

 それならそれで……やるか!

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