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二幕 十生目 変貌

 屋根の上の見張り3名。

 例え遠くを見つめていても私のことは見えないだろう。

 何せかなり近くで浮いているからね!


 そのまま高く浮いていく。

 彼らは私が視界の端にあっても気にもとめていないだろう。

 気配を消すとはそういうことだ。


 3名の頭上高く完全にとった。

 そして……

 今度は彼らの真上から落下する!


 同時にイバラを展開!

 そのまま下にたくさん伸ばす"千の茨"!

 取り込むかのように伸ばす!


「ん?」

「えっがごもご……!」「ングググ!?」「何モモモモ!?」

「よし」


 そして着地寸前にブレーキをかけてゆっくり着地。

 彼らはイバラの波に飲み込んだ。

 力量差的にも拘束済みなこととしてももう脱出は不可能だろうが……


 当然魔法は使われる可能性がある。

 なので油断せず全員に追加のイバラで武技"正気落とし"!

 スパン! と叩けばみんな白目を向いて静かになってくれた。


『オーケー!』

『いけた』

『問題ない』

『静かになったよ』

『これで私ふくめて終わりと。行こう!』

『『ああ!』』


 念話でやり取りして……警備隊にも合図を送られたはずだ。

 私はすぐに飛び込む。

 今この瞬間それぞれ開け放たれた入り口のひとつに私も飛び込んだ!


「誰だ!」

「お前らの敵だぜ!」

「イヤッホウ!」


 イタ吉たちが真っ先に飛びかかっていく。

 ボディガードはさすがに腕利きっぽいが……

 サル魔物が向けられた銃先からは散弾が放たれた!


 小イタ吉に振るわれたはずの散弾は見事外れる。

 小イタ吉の攻撃を一瞬誘導する能力……わかっていてもいなくても凶悪だ。

 なぜなら1撃外ししている間にもう尾刃イタ吉が敵の懐まで来てしまっているのだから。


「おらよっ!」

「ゴホッ!?」


 イタ吉が回し蹴りするかのように後ろ足を回して銃を弾き飛ばし……

 遅れて尾の刃が敵の身体を大きく伐り飛ばした!

 かなりちゃんと入ったし血も散り吹き飛ぶ。


「こいつら強いぞ!?」

「くっ……守れ! 守るんだ!」


 でもすぐに身体を起こした。

 受け身もとれててやはり一筋縄でどうにかなる強さではなさそうだ。

 だけれども……まだ私がいるわけで。


 みんなにボディガードたちを任せ私はさっと飛び3名の前に立つ。


「ぐっ……一体どうやってここが……!」


 このひょろりとしたカエルみたいな魔物が『リーダー』か。

 私と同じくらい小柄で"観察"したらずっと弱い。

 小洒落た服も着ているしあくまで頭脳担当か。


「う、くそう。いつの間にか外と連絡が取れない……!」


 どうやら念話系統で外に連絡したらしい猪の魔物はもうひとりの幹部……

 そして。


「アンタ……しくったね!?」

「ギャッ!?」


 今『リーダー』を蹴り飛ばしたのがボスらしいニンゲンの女性……

 彼女……危険なにおいがする。

 力がちゃんと読めない。


「アイッターッ、何を……!?」

「みな! これはアンタのおもちゃかい?」

「い、いえ?」

「チィッ!」


 あ……蹴り飛ばしたさいに『リーダー』の服から例の装置が飛び出た。

 そして靴で踏み潰される。

 貴重品なのでやめてほしい。


「今のは……まさか、何らかの方法で私の位置をバラす装置!? いつのまに!?」

「そうみたいだね、まったくヘマ続きじゃないかっ!」

「申し訳ありませんっっ!!」

「もう逃げ場はない! おとなしくお縄についてもらおうか!」


 コントにつきあう気もないため今の間にイバラを回した。

 壁に"千の茨"で這わせ覆い尽くし私自身もロゼハリーに変化させる。

 身体が大きくなり尾もイバラで急所の首周りもイバラが生え纏う非常に攻撃的なスタイルだ。


「おお、コワイ。アタシたちをそのイバラでズタズタにする気かい?」

「でもマジでマズイよ!」

「どうしようか……」

「どうするもこうするも、オマエが責任取るんだよ!」


 ボスの見事なケリが『リーダー』に入る。

 それで吹き飛ばされた『リーダー』が転がり……

 私の目の前に来る。


「な、なにを……?」


 当然彼ら何の障害にもならないのに……

 それはわかっているのは向こうも同じだろうになぜか余裕がたっぷり。

 何を隠している?


 カエルの『リーダー』が必死に立ち上がり……

 かなり腰がひけつつも私から逃げようとしない。

 いや後ろ行けばまた蹴られるからだろうけれど。


「……ええい! ままよ!」

「え!?」


 ものすごい焦り顔を見せたかと思いきやなぜか今度は服を脱ぎ去る。

 そして……自分の腕を小さなナイフで傷つけた!?


「よくわからないけれど、抑える! ッ!?」

「グオオオオォー!!」


 カエルなのに獣のような叫びと共に肉体の姿が変わっていく……!?

 進化……でもない……なんなんだこれは!?

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