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二幕 九生目 潜入

 こんばんは私です。

 日を改めて今日罠を回収しにいく。

 大物取りだ。


 当然蒼竜が『リーダー』を逃したのはわざとである。

 ぶっちゃけ『リーダー』というのがいたとしても幹部クラスだろう。

 バックを一網打尽にしたいから蒼竜に頼んでいた。


 蒼竜は直接手を貸すように頼むと非常に渋い顔をするが……

 こういう間接的な関わりでとても目を輝かせるタイプだ。

 実際ごきげんに協力してくれたし今日はぐっすり寝て出てこない。


 私や警備隊それにイタ吉たちは無線受信機を使い場所を割り……

 なんとか探し当てた。

 いやまあまさか無線機能の使い方が最初こういうものになるとは思ってもいなかったなあ……


 ラジオや音声のやり取りしか考えてなかったや。

 とりあえず作戦としてはこうだ。


 私やイタ吉たち含む先発隊がひっそりと乗り込む。

 そのさい障害を迅速に排除し……

 見張りなどもなくしておく。


 そして突撃して撹乱させつつ(トップ)を狙う。

 さらに警備隊が高速展開して一気に周囲を囲み……

 網を完成させるわけだ。


 バレる危険を考え5名の小隊での移動。

 イタ吉たちは1名とカウントする。

 光神術"ミラクルカラー"でみんなの色は闇夜に紛れ込む色に一時的に変えさせてもらっている。


 全員さすがにこういうことをやれるからこそ選ばれただけあって気配の消し方もうまい。

 イタ吉も好みじゃないだけで気配の操作はむしろ得意中の得意。

 1つの倉庫に向かって移動だ。


 ここは魔物たちはほとんど用がなければ通らない。

 特に昼行性の魔物が中心なエリアで同時に街灯もまだまだ少なく隠れ潜むにはうってつけ。

 倉庫自体は大きなどこにでもある倉庫だから悪目立ちもしない。


 侵入経路自体は陸路しかなく物資用正面扉に人員用扉がいくつか。

 通気用の通路は私では通りにくい。

 そして見張りのためか倉庫の扉付近には必ずひとりはいて屋根には3名居座り警戒している。


「――という感じですね」

「出来得る限り同時に落としたいな」

「これなら……そうだね……」

「ふむ、出来得る限り突入までは1分以内で」

「隠し扉や内部状況も気になるね」


 私が"鷹目""見透す眼"でチェック。

 中には6名ほど。

 うち3名はガッツリ武器を構えている。


 で……逆にフリーにしている方が守られる側か。

 確か……いたいた『リーダー』いた。

 だがこの中では1番弱そうな立ち位置。


 逆に堂々と構えている奥のひとり……女性のニンゲン!?

 背中からコウモリのような翼が見えるもののニンゲンではあるはずだ。

 ニンゲンすら関わってくるのならやり口の慣れもよくわかるな……


「中は3名ボディガード3名が幹部のようです。見たところ隠された扉ないようですが、緊急的な離脱は魔法でされるかもしれませんから、油断はできないかと」

「数的には十分制圧可能だな!」

「よし……ローズさんはまず屋根の相手をお願い」

「わかりました!」


 作戦が完全に決まりパッと散る。

 集まっているとどうしてもバレやすいからね。

 接近しきるまでは大丈夫だとは思うが。


 夜闇にまぎれ目をギラつかせる見張りたちをかいくぐり……

 鋭い嗅覚もちの風下へまわり……

 倉庫背後の特になにもない場所へ回り込んだ。


 中の様子は……うわぁ。

 音まで正確に拾えるわけじゃないけれど『リーダー』がニンゲンにめちゃくちゃドヤされている。

 さらにもうひとりの幹部級もついでに説教喰らっている様子。

 これは今晩にも引き上げる予定だったんだろうなあ。


 ちょうどよかった。

 今ならまだ間に合う。

 周囲を"絶対感知"!


 ……よし誰もこちらに気づいていないし潜んでもいない。

 姿を少し変えてエアハリーの姿に。

 小さい頃のような幼気な私になり背中から骨組みみたいな針の翼を展開。

 

 身体が宙に浮く。

 この瞬間がいつまでたっても慣れない気持ち悪さがあるなあ……

 この時の私はアインスという私の中の人格に空中制御をだいたい任せる。


(まかされたー! かわいくね!)


 そして額の3つ目を閉じられる。

 "見透す眼"があるので瞼は閉じても大丈夫。

 彼女なりのこだわりらしい。


 両目自体はちゃんと開いてフワフワと浮き出す。

 ゆっくり飛べば音も出ない……

 上の方を壁透かししながらチェック。


 3名とも座って遠くを見張っている様子でこちらを見ていない。

 良いぞ……まるで気づいていないようだ。

 そのままフワフワと浮き上がっていく。


 素の目でも捉えた。

 みな自分たちが逆に不自然なところにいるのをバレないよう中央によって遠くの方を見ている。

 それなら急行する警備隊はわかるだろうが……


 私のことはわからないだろうね!

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