千七十七生目 模型
スキルポイントのこり10。
"分神"から取得可能になった2つのスキル。
どっちも有用っぽいからどちらも取ろう。
[バトルマニア 戦闘時経験を加算。戦闘疲労の軽減や恐怖心の軽減など戦いを全面的にサポート。さらに強敵との戦闘時経験増加]
経験をマシマシにするというのもので戦い限定ながらかなり便利。
しかも戦闘時に様々な補助が入り楽になるらしい。
今までも処理がパンパンだったしちょうどいい。
[宣言 1つの効果を生み出す言葉を生み出す。使用時に神力を消費する]
いきなり使えるとは!
目立っている力に見えないが今後重要になるだろうスキル。
ただ……なんかうまくいかない。
どうやら言葉は自由ではないのがわかったもののその1つの言葉がわからない。
ホルヴィロスたちが使った覚えもないしその私の言葉を見つけられないとだめなのかもしれない。
"無敵"と同じく長期視野で育てていこう。
とまあさっそく神域スキルの扱いにくさに振り回されつつもこれで整理終わり。
落ち着いたところで昨日の整理をしよう。
ラキョウとあれこれあり撃破したあと魔王を捕縛した。
魔王は悲しいほどに弱くなっていた。
巨大な魔王だと思われていたものは魔王の乗り物。
中身は抵抗もせず捕まり……
驚きの話を暴露した。
自身が創造神だと語ったのだ。
嘘か本当かはわからないが……
少なくともそういう気配はなかった。
流れからしても私達にわざわざそれを告げる利点はない。
むしろ何されるかわからないから倒そうぐらい思われていたかもしれない。
だが結果的に……多くの者には事実を伏せつつも帝国と皇国トップクラスに現場での指揮組はその事実を知ることとなった。
幸いまだ魔王は生きている。
だとすれば次に考えるのは利用なのは自明の理だった。
「死んだことにする!?」
[そう。自分は公式には死んだこととなった。だが世界に呪いを残した。世界を蝕む輩ごと世界を焼く者たちを残したと。世界の危機のために、世界を蝕む輩を駆逐せよと。カエリラスは世界中にいるはずだからと。よくここまで嘘を放てるなと感心した]
魔王は相変わらず文字でログに流している。
それにしてもここまで大胆に嘘をつくとは……
なんでもありか。
カエリラスのような組織やカエリラス自体もまだまだ世界にあるらしいし……
そもそも世界すら超えて迷宮から見える2つの月にある世界……地獄も関わっているらしい。
話が重くなってきたが大丈夫かな……
魔王の表情とかはやれやれといった様子。
それとは別に安堵や致し方ないといった感じも。
なにせ魔王をもっとも悪くすることでこっそり魔王を生かそうとしているのだから。
だが普通にしていたら魔王が生きているのバレバレだ。
知らないみんなが指す魔王とは乗り物の方。
3司獣ナェウガィの方だ。
「なるほど……だいたいわかったけれど、さすがにあの大きなナェウガィをどうにかしないと……」
[それなら問題ない、こうだ]
今も少し離れた場所で待機しているのがこの撤収準備をしている場でもよく見える。
大怪獣クラスの大きさは目立つなあ……と思っていたら。
魔王が腕のない手のひらを上に向けると急にナェウガィが縮みだす!
そのままナェウガィが見えなくなると代わりに魔王手のひらの上に現れた。
しかもなんというか……
台座に乗ったフィギュアのように固まって。
[このように]
「ええっ!? まさかその模型みたいなのが……」
「ナ・ェ・ウ・ガ・ィそのもの。やっぱりボロボロになっている。直さなきゃね」
魔王は慈しむようナェウガィフィギュアを見つめてから手のひらを重ね……潰すように閉じる。
すると開けばそこにはナェウガィフィギュアがなくなっていた。
今の反応的に亜空間にしまいこんだのかな……
あとは……そうだ。
魔王はどうするんだ。
さすがにこのまま放置では多方面に危険だろうが。
「うん、こっちが散々痛めつけたからね……まあほとんど効いていなかったけれど。魔王、キミは今後どうなることになったの?」
[あの戦いは自分がとやかく言うことはない。自分? 自分はアノニマルースに行くことになっている]
……え。
思わず驚きかたまっていると魔王がさらに足し書き込む。
[何、見たいと話したら丁度良いと言われた。自分のつよさの証明は終わっている。監視が出来て軟禁を行える効率の良い場所がアノニマルースだったらしい。その場にいたジャグナーという者も快く引き受けていた]
面倒事をまとめて押し付けられていないか!?
ジャグナーもさらっと受け入れているし!
大丈夫なのかアノニマルース!?




