千六十一生目 阻止
敵の超銀河の球が完成する!
もう1撃くらいで敵の体制を崩せるはずだが……
私では届かない! "止眼"!
脳内体感時間を引き伸ばして今のうちに思考。
私はイバラを伸ばしているがこのままではギリギリ間に合わないだろう。
イタ吉たちも走っているがまだ距離が……いや。
まだやりようはあるのか?
よし。"止眼"を解除と共に意識して"同調化"により一気にイタ吉とやることを共有。
特にイメージをまた一致させないと危険な技……!
尾刃イタ吉がオーケーの代わりに軽く跳んだ!
イタ吉から正確に伝わる意思をくんでそこにイバラを素早く持っていき……
強く弾く!
尾刃イタ吉はうまく姿勢を変えて肉球でそれを受け……
そのまま強く跳んだ!
弾丸のようにすっ飛んで行くイタ吉は……強く縦回転!
そのまま尾の刃を敵が超銀河の球を放つ瞬間にぶち込んだ!
「へっ!」
ついに敵は大きく怯み頭上にあった超銀河の球は不発……じゃない!?
完成している! けど落ちる前で……
引力が発生しているからか敵が巻き込まれる。
そして敵が超銀河の球にひっつくと引力が止まった。
その間に全員退避し……
大きな光と共に大爆発を起こした!
「奴め、自滅したぞ」
「どんなもんだい!」
「ふうーっ、間に合ったか」
敵は自らの攻撃で跳ね飛ばされ壁に叩きつけられる。
追撃が狙えるかと思ったがすぐに体勢を立て直しその場から離れた。
当然敵の狙いは……
「チャージをさせるな!」
インカたちと一斉に駆ける!
地上をロゼハリーのような姿で駆けるのが1番速度が出やすい。
狭い空間では最高速よりも初速からの加速だ!
敵がやはり両腕を上げたところに私は飛びつく。
イバラで即ぶん殴る!
拳のように先を鎧化して固めた殴打は単純かつ素早く効果が出やすい。
1撃では足りないので何発も!
太いのも8本は出せるからね!
「「そらっ!」」
「やあっ!」
イタ吉たちとグレンくんが突撃。
私に続いて長くしたらしい勇者の剣と素早く斬り裂く!
そのまま敵の腕とかちあった!
よしチャージをやめさせられた!
空のチャージはのこりほんの少し……
だが敵の耐久ももうわずかのはずだ!
続いてイタ吉と私が同時に離れたところにインカが突っ込んでくる。
巨大な身体から繰り出される鎧を変化させた連続突きからの大薙ぎ。
武技を自然に織り交ぜているらしく異様に早い突き裂き。
やることが多いから私は私のやることをしないと!
ドライに戦闘アインスに飛行や移動そして私は魔法。
とにかくインカ以外のみんなは正直生命力を早く摩耗するのでヒーリングを切らすと死んでしまう。
みんなは私の回復を信じて猛烈な痛みをねじ伏せつつ刃を振るっているのだ。
回復と補助は絶対切らさない!
攻め魔法も忘れない。
「後少し! みんな!」
「ここで決めるぜ! 聞こえてるんだろう!? お前との戦い、もっとお前自身とやりたかったぜ!」
イタ吉たちは瞬間移動してきた敵の猛連撃を避けて後ろに下がり今度は小型銀河の球が連射されるのを必死に避ける。
そして球たちが小イタ吉の頬をかすめそのまま突撃。
敵が攻撃を切り替え素早く蹴り上げるがそこにはイタ吉の影。
イタ吉は武技で自身の幻影を出せるからね。
尾刃イタ吉の本物は上げた足の下。
まったくためらうことなく下から上まで大きく斬り裂く!
さらには小イタ吉たちが大きくした爪で左右から流れるようにクロス字に斬り裂く!
そして土魔法"Eスピア"。
敵が足元からの槍に突き飛ばされている間にイタ吉たちは離脱。
敵が空中で体勢を立て直したところに私が飛んでいきイバラで攻める!
大きく振り回してのしなりを生かした鞭撃。
このぐらいの距離では当たり前のように反撃されるから"千の茨"による触手マスター武技"蛇の構え"で防ぎ反撃していく。
グレンくんがそこに衝撃波を飛ばしそれを盾にして突っ込んできた。
「この1撃でっ! 魔王……いや、それですらない何か! 俺は絶対、この世界を護る! 俺はこの星が好きだから!」
敵は私との殴り合いついでにグレンくんの衝撃波を片腕の振りで打ち消す。
そして追撃がグレンによりもたらされる。
腰下からナイフ部分が凄まじく輝いた刃を上へと振り抜いていく。
おそらくは感じ取れる範囲で見えない刃が非常に巨大化している。
敵が下がろうとした瞬間に振り抜いて大きく斜め上に斬り裂く!
あまりの衝撃に耐えきれなかったらしく吹き飛……いや!
わざと後ろに吹き飛んだのか!
「なるほど、戦いながら学んでいるのか? だが……遅い」
両腕を上げたところをダカシが潜んでいて復讐刀ぶった斬る。
縦に振り抜いた1撃は重く敵の頭をかち割るかのよう。
だが当然相手は耐えるので……
もう片側の小剣が輝く!
まるで僅かな時を駆けるように尋常ではない速度で刃の軌跡が敵の身体全体を走る。
おそらくはひと振りで連撃を与える武技だ!




