千六十生目 空蝉
凄まじい勢いで爆発が起きた!
あの超銀河の球……今までのよりなりふりかまってないぞ!
なにせこの床は外側魔王の身体何だぞ!?
私たちは見事吹き飛ばされた。
インカとイタ吉たちが突撃前だったからまだ無事だが……
かなり痛い。
床もエネルギーによる破損が走り穴があいている。
めちゃくちゃする……!
「みんな!」
「いたた……」
「くそっ、足が……!」
グレンくんやダカシは治ったばかりなのにまた追加でダメージが。
"神魔行進"がなかったらみんなどれもこれも1撃生命力吹き飛ぶのだろうか……
とにかく私はまだ大丈夫だから回復を魔法でインカ以外全員に回しつつ飛ぶ。
「俺も行くぞ!」
「インカ兄さん!」
「ああ!」
小イタ吉は私に乗りインカと共に駆ける。
当然のようにまた両腕を上げていてる……!
エネルギーをこれ以上天井に集まるわけにはいかない!
イバラを伸ばすとその上を小イタ吉が駆ける。
小イタ吉はそのまま駆けて跳ぶと……
敵の背後に取り付く。
あんまり敵は攻撃時前後の違いはないものの炎と光の輪があるほうが背なのは間違いない。
そのまま素早く頭上まで登って爪でひっかく。
「ほらほら! こっちこっちだぜ!」
当然即追撃が来るが小イタ吉のスキルである一瞬自身に攻撃を引き付けるものを使ったのか素早い移動の光の軌跡を敵が殴る。
引っ掻いては即移動。
引っ掻いてあちこちへ身体を這うように逃げるという荒業。
そしてそんな事やっている間に私のイバラたちも思いっきり振りかぶっているわけで。
最後に大きく跳んで離脱した小イタ吉と同時に私のイバラにインカの槍連続突きが入る!
"千の茨"で武技! "ズタ裂き"! "回転斬り"! "乱れ突き"! "叩きつけ"! "すくい上げ"! "猫舌打ち"! "拷問払い"! "龍螺旋"!
敵はたまらず素早く脱出。
さっきの攻撃による爆発の煙を引き連れて。
そしてまた腰溜め……銀河の球が放たれた!
(見切った! 任せろ!)
ドライに任せた!
敵が放ってきた銀河の球は大きくブレながら私に向かってきて……
避けない。
(武技"空蝉の術"!)
ぶっちゃけ敵の攻撃が激しいのと私が扱いきれないことが多い武技スキル。
だけど今ドライが最高に良いタイミングで使ってくれた!
私の姿は瞬間的に敵の真後ろへワープ。
しかも私に当たった感覚は向こうはあったはず。
それは私の幻影が一瞬見えるだけの一部をひっくり返した床。
――敵は気づくのに遅れた!
「はぁッ!!」
体ごと大きく振り回すイバラの1撃!
うっかり背の炎に触れないようにはしつつ。
バッチリ不意打ちが入った!
敵は突然の攻撃に少し怯むもののそのまま背中を向けつつ迫ってくる。
拳の角度を変え……
私に連撃を放ってきた!
(受けて立つ!)
ドライ操作による敵との殴り合い!
もちろんイバラで。
イバラの距離ですらむりやり光をゴリ押ししてきて向こうのパワーのほうが上なせいで当たってしまう。
それで吹き飛ぶほどではないしこちらの連撃もしっかり当たっている。
少しずつだが敵の耐久力をこれで削る。
もう1度膝をつかせたら……!
「そこだ!」
私達は高速であちこちに飛び回りつつ殴り合い。
するとインカの文字通り横槍が突如入った。
驚くほど正確にインカの発射した槍が敵に刺さるので実際こうして見てみると驚く。
グレンくんは割と大振りして光衝撃波が若干追尾してそのどこかが当たる感じだが……
インカのはまっすぐピンポイントに当たるからなあ。
どんな修行したんだ。
イタ吉たちやダカシも私光魔法"ヒーリング"でだいぶ回復したらしく前方に出てきた。
私は太いイバラで敵を蹴り飛ばしつつ距離を取り数の利が活かせるようにする。
もちろん下がりつつ後スキを与えないように。
聖魔法"ホーリースラッシュ"!
敵の目前に光を束ねたような刃が生まれ敵を一閃する!
追撃しようとしてきていた全ての破壊者を斬り飛ばす。
体制を立て直している間に私達は並んで迎撃体制。
敵はまた片腕3本を上げ出すと頭上にエネルギーが――
「2度目だ、見飽きたな」
ダカシが予兆とみるや否やあえて突っ込む。
敵の片腕あげは……逆に言えばスキだらけなのか?
剣に悪魔の力紋様を這わせ身体を大きくひねり全力で2つの刃を振り下ろす!
腕を上げている方向から斬りかかったため防ぎ殴るのが間に合わず敵は固まった粘液を散らしつつもまだ耐える。
攻撃がまだ止まらない!
しかしそこにインカが連続で槍を発射し当てた!
「敵の大攻撃はこちらの攻撃で確実に潰す……と」
まだ止まらない!
もう完成する!




