千五十五生目 復活
私が離れた直後大爆発!
衝撃と飛散した粘液は硬質化していて私をえぐる。
ある程度離れたから良かったけれど鎧に穴が空いた……!
「お、おい大丈夫か妹!?」
「なんとか!」
「斃せた……のか?」
「いや、まだみたいだぜ!」
インカが私のカバーに回り込みダカシが爆散した地の粘液塊を見つめる。
しかし小イタ吉がすぐに粘液の動きを見つけた。
飛散した粘液が戻りだしているのだ。
あっという間にひとつの形に戻り……
新たに元の姿に戻ったのだ。
背後の炎と光の輪も再生された。
「どうなんだローズ! 行けそうなのか!?」
「なんとかなりそうイタ吉! まだ繰り返さなきゃだけれど!」
「足を止めたやつから狙ってくるぞ! 走るんだ!」
全員がとにかく速度を上げて駆け続ける。
だがあえてインカが足を止めそこへと敵を飛び込んだ。
私は時間を稼いでさっき受けたダメージをみんな治さなきゃ……
さっきの爆発は近距離だったらおそらく致命的なダメージを与えてくる。
離れたから私の生命力を合計2割削る程度で済んだが……
いやまあ私の命5分の1を削る攻撃って時点でとんでもないのだが感覚麻痺してきた。
インカに飛びついた敵の拳はしっかりとインカの頭部を捉える。
しかしそれこそインカの狙い通りだった。
重厚にしてあった頭部の鎧が砕かれ……
その下から太い槍が射出される!
インカの種は私やハックと違ってもはや針が槍のような威力と強固さを保っているのが特徴的。
次の腕振りが間に合うことなく槍が刺さり吹き飛ばされる。
敵の勢いのまま槍の威力になったキレイなカウンターだ!
「まだだ!」
全身に纏った光の軌跡を残しインカは駆ける。
"同調化"により意思の伝わっている私も並走しながらエアハリーのように小型化。
インカの上に乗ってそのタイミングで跳ね上げ!
私は強烈に空へと飛ばされその先は敵の姿。
私はロゼハリー姿になって全身に茨を槍状に纏い……鎧を纏って硬質化!
そのまま敵とぶつかる!
全ての破壊者は武技としてもはやマシンガンのような連続殴りをしてきてあまりの勢いに私の飛び込み回転に対して接戦している!
光の火花飛び散る互いに勢いを生む超攻撃。
……だが当然。
「そこだぜぇ!!」
こちらはひとりじゃない!
尾刃イタ吉が横から縦回転しながら突っ込んできた!
当然尾の刃部分をむき出しにして。
インカがさらにあのあとイタ吉を跳ね上げていたのだ。
なんとか"同調化"で意識した想定内で決まってよかった……!
縦に刃が回っていたため凄まじい勢いの刃が叩きつけられ……
敵はふさぎきれず吹き飛ばされる!
「ヨシ!」
「イタ吉!」
「うわっ!?」
だが空中にいるイタ吉は無防備。
私がいち早く気づきトゲなしイバラを伸ばすと攻撃予測。
相手は吹き飛びの威力を殺しつつ腰の横に手を置き……
エネルギーをためてまた再び銀河のような球を放つ!
イタ吉は私のイバラに捕らえられ地面へ緊急降下。
若干追尾してきたため落ちるイタ吉の頭上をかすめた。
「ひゃあ!」
「危なかったね……」
「次が来るぞ!」
外観も宇宙で放たれる銀河の球は見た目自体も背景と同化していて避けにくい。
それなのにとんでも無く重いし壁……つまり私達がいる外側の魔王に当たっても霧散するだけ。
同士討ちも狙えないし非常に危険……なのに。
また腰溜めしている!
慌てて私とイタ吉たちが逃げた地点に見事飛ばしてきた!
更に次々と……!
「うおおぉー!! あんな飛び道具うちまくりズリィー!!」
「私も! 応戦するけど! なるべく! 喰らわないで!」
「グッ!! 俺が前に出て逸らすからよ! みんなは攻撃に集中だぜ!」
小イタ吉の攻撃をそらすスキルは一瞬のみ。
遠隔攻撃偏差撃ちをしてくる場合逆効果になることもある。
今それを実感するように連続弾の雨嵐をイタ吉たちが必死に飛んで跳ねて避けてはいるが……
やはりある程度は食らっている。
次弾を喰らわないよう即復帰できるのは今私が"神魔行進"しているからか。
ともかく"ヒーリング"は切らさない!
「今度は俺が!」
インカがイタ吉の代わりに前へ出てあの重い球を受け止める!
と思ったら球が軌道からそれて明後日の方向に着弾した!?
受け流したのか!
球は微妙に回転振動していてとても防ぎづらかった思いがある。
それでもインカは次々と球を受け流す。
無傷とはいかないがスキルだけに頼らない凄まじい能力だ……
「よくやった。俺が蝿を落とす。悪魔の力……! 今神の力と混じり合い、敵を穿つ炎となれ……!」
ダカシがまっさきに駆け寄りインカの後ろで身構える。
大きく後ろに構え力をためると悪魔の紋様が剣へと大量にたまっていく。
そして"神魔行進"によって纏う光と混じり合い……
2剣をX字に空を斬り裂くとそこから黒き斬撃の光が放たれた!




